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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第192話 小悪魔と蛇女

 


 4階層目は周囲ががらりと変わり、岩肌の壁に囲まれていた。

 薄暗く、黙視出来る範囲が狭まってしまった。

 辛うじて見えるところに蠢く影を発見し、近づいて行く。


「ギー!」

「あ、インプだ」

「気を付けろ来るぞ。アーシェは後方に、ここは任せてくれ」


 蝙蝠のような翼を生やし、槍を手にしたインプと呼ばれる魔物だ。子供位の大きさしかないし、飛び回っているので攻撃が当たり辛い。

 槍の攻撃範囲も広いので中々に手強い相手となるが、腰からアルバトロスを抜いて槍の射程に入る前に魔力弾を浴びせた。

 個体にもよるが、奴等は飛び道具に慣れていない為、中距離以上なら楽に退治出来る。


「薄暗いのに良く当たるわね」

「しかも一撃なんて、サキの魔力って思った以上に上がってるのね」

「本来は1発じゃ落ちないしな、そこそこ上がってるだろ」


 頭部に直撃したインプは、仰け反りながら落下して消えていき、小さな魔石を落としていった。


 その後も群れで襲われ、俺が取りこぼした奴はアイが雷魔法を放って退治してもらった。

 奥に進むにつれて、段々と数が増して進路を塞ぐ位の数まで膨れ上がった。


「これじゃキリがない!」

「アイさん、任せて。サキさんも下がって」


 アーシェはいつの間にか羊竜のカルテスを喚び出していた。

 俺とアイが後方に下がると同時にカルテスが前線へ行き、暴風のブレスを放った。

 道を塞いでいたインプの集団は吹き飛ばされて、ボス部屋の前まで生き残った者はいなかった。

 部屋の前には魔石が散らばっていた。


「ここまで全て吹き飛ばしたのか」

「ルナの魔法で攻撃力を上げたからね。ありがとう、また喚ぶわね」

『お役に立てて何よりです。マスター』


 ルナを維持してる為か、節約の為にカルテスを解除した。


 そしてボス部屋の前に着いた俺達は中の様子を見てみた。


「うわぁ、ナーガだ」

「凄い形相をしているわね」

「エキドナとは大違いだな」


 ナーガ、女性の上半身に蛇がくっついた魔物で顔が怖い。

 俺達が部屋に入った瞬間に、氷魔法を放たれたが、ルナが防壁を張ってくれたお陰で事なきを得た。

 ナーガは防がれた事が面白くないみたいでキレて様々な魔法を連発してくるが、どの攻撃も俺達に届くことはなかった。

 だが、いい加減うっとおしくなってきたので、転移魔法でナーガの後方に飛び、バスターソードで蛇部分の半分を切り落とした。

 悲鳴を上げるナーガに容赦なくアイの炎魔法が襲い掛かり、息も絶え絶えな所に頭上へと転移して剣を振り下ろした。


「悪く思うなよ」


「勝ったわね」

「ナーガの魔法に耐えられるなんてルナちゃんやるわね」

「照れてるわ」

「可愛いねぇ」


 ナーガは倒れ、その場には束ねた髪が落とされていた。

 しかしそれを拾う勇気があるものは三人の中には居なかったのだが、ルナがそれを持ってアーシェへと届けた。


「あ、ありがとう」

「いい子じゃないか」

「サキさん、次からは自力で頑張ってね」

「冗談です!アーシェさんスミマセンでした!」

「じゃあこれ持ってていいわよ」

「あ、ああ」


 アーシェから束ねた髪を渡され、アイテムボックスへと放り込んだ。






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