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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第188話 対火炎竜

 


 蒼天竜ニエーバと火炎竜フラーモは空へと舞い、ブレスをぶつけ合った。

 フラーモの火炎弾のブレスは大きさ、威力共にニエーバのブレスを上回り、ぶつかった瞬間にニエーバのブレスを消し去った。

 それでも尚、勢いは衰えることなくニエーバを襲う。しかし、それを予測していたかのような動きでそのブレスを回避し、光魔法を放った。


『避けるだけでなく、反撃までしてくるとは流石ですね』


 フラーモは光魔法を避けると、一瞬にしてニエーバの背後に回り込んだ。


『チェックメイトです』


 炎魔法がニエーバを襲い、その業火に包まれたのだが、防御壁によってその炎は防がれていた。


「まだよフラーモ」

『あら、普通に喋った方が素敵ですね』

「念話は疲れるの」

『確かに。それと、油断は禁物ですよ』


 もう一撃放たれた魔法によって防御壁は破られてしまい、瞬く間に接近されて地上へと落とされてしまった。

 頭を抑えこまれたニエーバは成す統べなく、敗けを認めるしかなかった。


『私の勝利です』

「認めるわ、貴女は強すぎるわよ」

『次もやりますか?ジルコートはやる気みたいですけど』

「私は関わってないわよ。蒼が敗けた時点で勝負は終わりね」

「ニエーバを放してもらっていいかしら?」

『あら、ごめんなさい』

「アーシェ、ごめん。手加減されても勝てなかった」

「いいのよ。でもこれで貴女も諦めなさいね」

「うん」

『約束ですから契約は無しですね。その代わりに貴女方の窮地に駆け付けることを約束致します。ニエーバには私と繋がるようにしておきました』

「ありがとう。その約束、近々叶えてもらうわよ」

『フフ、何時でもどうぞ。では、私はこれで失礼します』



 そうしてフラーモは飛び立っていった。

 残念ながら契約することは叶わなかったが約束という形は取ることが出来たから良しとした。

 俺達はもう一体の火炎竜イグニスに挨拶をして麓へ降りた。


「ジル、ありがとな」

「ええ。また喚んでね」


「アーシェ…」

「いつまでも落ち込んでないで、大丈夫よ。約束してくれたんだから。ピンチの時は連絡取ってね」

「うん」


 俺とアーシェは二体を解除して、アイを含めて野営の準備に取りかかった。

 と言っても、もうすぐ夜明けなので夜食の仕度のみとなった。



 アーシェと合流出来た以上、セントラルに戻っても仕方ないという話になったので、翌朝俺達は別の街を目指すことにした。


「ここからだとこの街が近そうだよ」

「アイさんが良いなら私は何処でも良いわよ」

「なら一先ずそこに行きましょう!」

「そうだな。着いたらじっくり話を聞かせてくれよ」

「進展なんてないわよ」

「それでも旅の話くらい聞きたいねぇ」

「着いてからゆっくり話すわ」


 アーシェの話しを楽しみにしながら街を目指した。




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