第185話 目的
最近更新が遅れて申し訳御座いません。
数日前、アーシェはある目的の為に山間を訪れていた。
「いないわね、やはりデマだったのかしら」
その目的はとある竜と契約する為であった。
その竜がこの場所にいると噂を耳にして、探索をしていたのだが姿形もない。デポルラポルにも探索を手伝ってもらってしばらくした頃、棲み処と思しき洞窟を発見した。
「ドラゴンには間違いないだろうけど、本当にあのドラゴンかしら」
その洞窟は幅も高さも竜が棲むには十分な広さを有し、奥まで続いていた。
アーシェはデポルラポルを先行させて奥へと入っていく。
『マスター、竜種の気配を感じます』『しかし、何かまでは…』
「そう。まだ距離はありそうかしら?」
『はい。ですが、既に気付かれてるかと』
「ありがとう、あの子を喚ぶわ。貴方達は1度解除するわね、お疲れ様」
『ハッ!』『お気を付けて』
アーシェはデポルラポルを解除して口上を唱えると、蒼天竜のニエーバを喚び出した。
「ここにドラゴンが居るのは間違いないわ。どう?探してる子?」
『ええ。この気配は間違いない』
「良かったわ。じゃあ行きましょう」
アーシェとニエーバは更に奥へと進んで行くと、この場所には似つかわしい巨大な扉が道を塞いでいた。
その扉は頑丈で、ニエーバが押しても引いても動かない。切り裂こうとしてもびくともしない。
遂に、ブレスや魔法による攻撃を加えても傷一つ付かなかった。
『これは、魔法の類い…』
「魔法ならデスペルでどうにかならないかしら?」
『無駄ね、光魔法の封印によるものと思うの。私の力じゃどうすることも出来ないみたい』
「でもこの先にいるのよね?困ったものね」
『ルナはどう?』
「試してみるわ」
ルナを喚び、封印の解除を行うも、結果は失敗に終わった。
試行錯誤を繰り返していたが、破ることが出来なかった。しかたなしに、1度外へ出ると、空から一体の竜が降り立った。
『久しぶり』
「ノワルヴァーデ!?どうしてここに?」
『探しに来たの。銀、見つけた』
「アーシェ、無事だったのね」
「私を探してここまで?」
「ええ、マスター達が待ってるわ]
「待たせてごめんなさい。やることがなって中々行けなかったのよ」
『やること?蒼天と関係が?』
「一体何を?」
「ここのドラゴンに用事があるのよ。でも封印が破れなくて苦戦しているの」
「分かったわ。マスター達を連れてくるからここにいてね」
ジルコートは飛び立ち、サキ達を迎えに行った。




