第19話 アーレンギルド
目を覚まし、朝食を済ました後俺達はギルドへ向かう。
扉や窓は木製だが壁は石のブロック、家そのものが四角い。この地方は元々雨が少なく木々が殆ど生えていない。
街全体が灰色と言ったところだ。
そんなことを考えているとギルドに着いた。
「どぉ?なんかある?」
依頼の掲示板を見ながらアイが呟く。
「討伐依頼が少ないな。それにどれもその辺にいる魔物だ」
どうやらこの地域はあまり魔物に苦しめられていないように見える。
「じゃあこのギガロックドラゴンだけ?」
「そうだな、依頼書とこの欠片(巨岩竜の鱗)を持ってって受付しといてくれ」
「りょーかい。サキは?」
「あっちで周辺情報を得てくる」
他の冒険者から話を聞き周辺の情報を集めることにした。
話込んでる間に受付を済ませ、銭の入った小袋を持ってアイが帰ってきた。
「ねぇ、ギルマスが話したいんだって」
「いいよ面倒くさい」
「もうあそこにいるよ」
…
「お呼びでしょうか?」
「貴方がサキさんですね!はじめまして、ギルドマスターのヨハンと申します。早速ですが討伐したのは巨岩竜と聞いております。詳しい話をお聞きしたいのですが」
「はい、確かに巨岩竜でした。あれは上級悪魔と契約していた召喚獣ですね」
「なんと!!?話には聞いていましたがこの地域でもそのようなことが起きていたなんて…」
「巨岩竜を倒すのにいっぱいいっぱいで悪魔には逃げられてしまいまして」
「いえいえ、十分ですよ!」
「そー言って頂けると嬉しいのですね、この辺の情報を聞きたいのですが魔物や竜に関することなら何でも構いません」
「ここより西に行くと荒野の先に森が見えてきます。その森の中に光りが見えた、また巨大な魔物を見たなどその森の話はよく聞きますね。そこを調査して頂けると助かるのですが」
「その森はどのくらいかかります?」
「そうですね、1日半あれば着くかと」
「なら今からでも行ってみます。先ほどの冒険者達も森に行くと言っていましたし」
「ですが街道を反れるので道中危険ですよ」
「承知の上なので大丈夫です」
「そうですか、なら調査の方宜しくお願いします」
俺達はギルドを後にし、必要な物を買い揃え森へと出発した。
巨大な影に怪しい光り…怪しすぎる。どう考えても召喚魔法陣の光りだろう。
「気を引き閉めて行かないとな」
「いつもゆるゆるだもんね」
「…」




