表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
188/308

第182話 荒野戦

 


 街を出てしばらくすると、山に掘られた隧道を見つけた。そこを抜けた先の荒野で目撃したという話だった。

 だが、この日はこの場所を見つけるのに時間が掛かった為、隧道前で野営することにした。


「居るといいね」

「ん?」

「エブルドラゴンだよ」

「ああ、随分前の依頼書だったからな。もういないかもな」

「見てみたいなぁ。絵でしか見たことないし、綺麗な逆鱗なんでしょ?」

「そう言われても俺も見たことないからな。重宝されてるとは聞いたし、何より狂暴だから余計になんだろうな」

「明日のお楽しみだね」


 早めに床につき、明日に備えた。


 翌朝、その狭い隧道を抜けると反対側とは売って変わって、草一つ生えていない荒野になっていた。山もこちら側だけ禿げている。


 見渡す限り魔物も見かけないが、あちらこちらに穴が空いてるのが確認出来る。


「ワームがいるな」

「やだなぁ。あれ、見かけが受け付けない」

「厄介だしな、それに幼体もいるだろう。アイの魔法が頼りだぞ」

「うん。纏めてやっちゃうね」


 穴に注意しながら進むと、ゴリゴリと岩を噛み砕く音とともにその姿を現した。

 エーデワームと呼ばれ、サンドワームより一回り小さいが鋼のような牙を持ち、何でも食らいつく雑食の魔物。


 アイが炎魔法で牽制している間に、俺はシュヴェーラを喚び出してソイツに放った。

 そのエーデワームは息絶えたが、他の穴から次々と別の個体が這い出てきた。その中には幼体のエーデラーバも含まれていた。


「うわぁー」

「アイさんや、頼みますぜ」

「う、りょーかい」


 アイは全体に炎魔法を放った。威力は劣る代わりに広範囲にダメージを与えられる。

 これにより、手前の幼体は焼かれ、ワームもある程度のダメージを負った。


「ワームのとどめは任せてくれ」


 俺はシュヴェーラで、二体同時攻撃を仕掛けて斬り裂いていく。

 手前を片付けると、再び炎魔法を放って幼体を焼き払ってワームは舞っている剣で斬り伏せる。


 かなりの数を退治した所で、ようやく姿を見なくなった。


「終わったな」

「うん。この残骸、どうする?」

「こればかりはなぁ。近くに何もないしほっとくか」


 忍びないが、死骸をそのままに進むことにした。


 何度かワーム共と対峙していると、地上に出てきたワームが地面の中へ引きずりこまれた。

 ソイツの悲鳴が響き渡ってほどなく、地鳴りがしたと思ったら、勢いよく地中から別の魔物が現れた。


 砂煙に紛れてシルエットだけだが、やがてその姿が明らかになった。


「アイ、象牙竜のお出ましだ」

「あれがそうなのね」


 象牙竜はついに俺達の前に姿を現した。










[エーデワーム]

 荒れ果てた土地に好んで住まうワームタイプ。強靭な顎を持ち、牙と合間って何でも噛み砕く。

 幼体はエーデラーバ。



[象牙竜]

 エブルドラゴンとも呼ばれる。

 上級種で狂暴な正確。翼はないが、地中に潜れる。

 象牙のような逆鱗を2本生やしており、その逆鱗で獲物を貫く。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ