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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第178話 対人肉嗜食者

お読み頂いてる皆様、評価、ブックマークして下さってる皆様、いつも有難う御座います。

しばらくは続きますのでこれからも宜しくお願い致します。

 


 男は腰に付けた短剣を抜き、俺達の同時攻撃を受け止めると、カウンター魔法を繰り出した。

 折れた剣と短剣で弾くだけで俺達に斬り込んでくることはなかった。その代わり蹴りを食らって俺は後退り、クリストファーは折れた剣先を胴体に押し当てられて弾き飛びされてしまった。


 俺達が離れたことで、アイは男に雷魔法を放った。


「小賢しい」


 そう言って剣を突きだし、雷魔法を消し去ってその剣を振りかざすと、倍程の大きさになって雷魔法が返ってきた。

 アイは防御魔法で防いだが、周りの地面が大きく抉られていた。


「何をしたの!?」


 とアイは問いかける。


「マジックカウンターを知らんのか」

「そんな魔法があるなんて」


 そんな魔法は俺も知らなかった。この男は物理も魔法も弾くことが出来るということだ。

 だが、どのくらいの魔力があるか知らないがいずれ無くなる。カウンターを注意しながら攻め込むと、クリストファーもそれに合わせてくれるらしい。


「バカの一つ覚えとは」


 男がカウンター魔法を使用したとき、俺達もカウンター魔法を発動して対抗した。

 三人の剣が弾かれて宙を待った。


「アイ!」


 クリストファーの腕を掴んで転移すると、アイは男目掛けて風魔法を放った。


「甘い!」


 男は風魔法をガントレットで弾き返す。


「お前もな」


 男の後方へ転移した俺とクリストファーは、その背中に剣を突き立てた。


「おのれ…」

「そんな腕があるのに何故こんなことを」

「最後に、君を、食いたかった」


 クリストファーの方を見ながら囁いた男の顔面に剣を振り降ろして息の根を止めた。


「穢らわしい!こんな男が私より強いなんて!」

「全くだ。世も末だな」

「二人共大丈夫?」

「アイ殿のフォローが無ければ倒すことが出来なかった」

「全くだ」

「そんなぁ」

「照れてる」

「照れてるな」

「クリスに言われると嬉しいよ」

「そ、そうか」

「村に戻る前に遺体を燃やしてくれ。このままじゃ余りにも可哀想だ」

「この男も?」

「ほっとけ」



 男に殺された者達を火葬の意味も込めて焼いてもらった。

 魔物等が死体を漁りに来てしまうので男も焼き払って帰ろうとすると。


『この時を待っていた』


 後ろから声が聞こえ振り向くと、燃えている男の死体が立ち上がった。


「まだ生きていたのか」

「待てクリス、あれは違うぞ」

『この身体があれば復讐を果たせる。我等を捧げた者共に今!』

「あれを鎮めなければ村は終わる。アイ、クリス、援護を」

「りょーかい」「承知」

「でもあれはなんだ?」

「イモルタルだ。」

「あれが…」

「来るぞ」










[イモルタル]

 イモータルとも呼ばれる。

 生前に強い意思を残したまま死んでいった者達の怨念集合体。

 屍竜と同じように魔素の影響も関係している。


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