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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第174話 新たな武器と新たな力

 


 俺達三人は協会のような建物を探索していた。


「協会と言うより神殿ね」

「神殿?」

「かつて神が住まう場所」

「協会もそうじゃないのか?」

「協会は人間の為に造った所よ」

「「へぇ」」

「興味なさそうね」

「魔物や悪魔じゃない神は興味ないな」

「ジルさんや、君のマスターは興味ある興味ないで生きてるからね」

「それもそうね」

「何故納得した!?」

「あっ、これ見て」

「話逸らすなよ」


 部屋の隅に返り討ちにあったであろう冒険者の装備が落ちていた。


「これ、いいんじゃない!?」

「どれ。おお、珍しいな」

「あら、マスターに良いんじゃないかしら」


 そこにはブローバック式のハンドガンが落ちていた。 以前使っていたPG7と同じ構造である。


「ガンナーがいたのか」

「そうでしょうね。他には剣士と魔法使いかな」

「これは貰っていこう。代わりにこれを」

「いいの?」

「供物だ。持ってって怒られるリスクを減らす」

「そうね。手ぶらじゃ可哀想だもんね」


 その銃も貰う代わりに今の2連銃を置いていくことにした。

 銃にはアルバトロスと刻印がされており、PG7より砲身が長い。かなりの値打ちもんだと一目で分かる白物だ。


 他を探索していると、上へと続く石段を発見した。上ろうとすると。


「通れない」

「どうしたジル」

「私、通れないの」

「なんで?何もないよな?」

「解らないわ。多分魔物を寄せない何かが張られているのよ」

「そうなのか?なら少し待ってて貰っていいか?」

「え?危険よ!」

「危なくなったらすぐ降りてくる。アイもジルと待っててくれ」

「いいけど大丈夫?」

「ああ」


 俺だけ上の階へ行くと、そこはステンドグラスから溢れる鮮やかな光りに包まれた一室だった。正面には壇上の上に椅子があり、そこに一人の女性が座っていた。

 俺は思わず剣を喚んだ。


「下の悪魔を倒したのはキミですか?」

「俺達だが、あんたは?」


 その女性は立ち上がり、壇上を降りて歩み寄ってくる。金色のロングに金の瞳を持つ美しい女性だ。


「私はアウルと言います。キミはサキさん?」

「そうだが…何故名前を?」

「有名ですもの。下のお二人も呼んできて下さい」

「ジルは通れないみたいだが」

「もう大丈夫ですよ」


 俺は言われるがまま、二人を呼びに行った。先程まで通れなかったジルコートはすんなりと通ることが出来て、女性と会わすと。


「貴女は…」

「久し振りですね。ジルコート」

「知り合いなのか?」

「金よ。生きていたのね」

「まだそんな堅苦しい名前で呼んでいるのですか」

「…アウル」

「はい!」


「まさか!?」

「え?なに?どうしたの?」

「召喚師の称号を得た唯一無二の男、その相方が金竜だと」

「そうです。主と共に地上を守っていました」

「どうしてここに?」「貴女は寿命が尽きたと聞いたわ」


 アウルの話だと、彼女自信かなりの年で戦う力がない。それで隠居として此所で余生を送っていたが、ある日悪魔が寝蔵にしてしまったのだと。結界を張っていた為、悪魔は2階の存在すら気付かなかったようだ。

 外の様子は彼女の息子を通して伝わってくるのだとか。


「私は後200年程で寿命を迎えます」

「「200年!?」」

「マスター達にとっては長い時間だけど、竜種じゃもうお婆ちゃんなの」

「お婆ちゃんとは失礼ですね。本当のことだけど」

「それで息子がいると言うのは?」

「ある冒険者と共にいます。その子が私に様子を知らせてくれるんですよ」

「金竜と契約してる召喚士なんて聞かないな」

「ギルドに登録してない見たいですよ」

「そうなのか。だからか」

「それでアウル。私達に用があるのよね?」

「そうでした。ジルコート、私の代わりに地上を任します」


 そういってジルコートの手に金の指輪を渡した。


「これは?」

「キミに新たな力を与える物です。主の形見ですが」

「なぜ私に?息子に渡せばいいんじゃないかしら?」

「あの子がジルコートにって奨めてきたんです。ですから受け取って下さい」

「でも」

「貰っておけ、俺はこれからだってジルを頼りにしてるんだから」

「マスターが言うのなら。ありがとう」

「いいえ。私はこれからも静かに暮らしたいのです。後は頼みましたよ」

「ええ。任せといて」

「後、息子に会ったら元気にしてたよって伝えておいてください」

「分かった」

「では、街まで送ります。此方に集まって下さい」


 俺達は固まると、床に魔法神が浮かび上がった。


「行く末を宜しくお願いします」


 瞬きした一瞬で俺達は都の浜辺へと転移していた。


「この距離を一瞬で」

「ゴールドドラゴン、凄いヒトだね」

「金は特別よ。昔はお姉さんって感じだったわ」

「そうだったんだ」

「ところで、その指輪は使い方解るか?」

「はめとけば何かあるかも」

「人化解いたら壊れないか?」

「魔道具だから竜の指でも人の指でも大丈夫よ」

「凄いな」

「今日はありがとう。マスター」

「俺の方こそありがとな」


 ジルを解除して街長へ会いに行くことにした。










[金竜]

 ゴールドドラゴン。

 大樹の崩壊時に地上を救った召喚師の相方。今はその力を発揮出来ず、息子に任せて隠居生活をしている。

 上級種で金色の鱗を持つ西竜。全長4メーターと一般的。












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