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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第171話 上陸

 


 俺達は舟で海を渡っていた。

 ジルコートで空を飛んで行くのも良かったのだが、この舟には動力機が付いているので2時間程で島に着くようだ。

 出発前に操作方法を教えて貰い、二人だけの船旅となる。


 言っていた通り、昼前には島に着くことが出来たが、上陸早々セイレーンの群れに襲われる事となった。


「海は静かなもんだったのによ!これだよ」

「皆顔が怖すぎ!」

「顔かよ!全身気持ち悪いわ!これならハーピィの方がマシだな」


 セイレーンは女の頭に鳥の上半身に魚の下半身という組合わせだ。挙げ句の果てに顔が恐ろしい形相をしている。

 飛べる泳げるしかも攻撃は遠距離と中々厄介で、それに加えて素早い。

 俺はシュヴェーラを喚んで攻撃に、アイは防御に専念した。

 コイツ等の主な攻撃手段は口から出す衝撃波と水魔法だ。かつては歌声による状態異常を引き起こす攻撃方法もあったようだが、いつしか歌わなく無くなったらしい。


 シュヴェーラを舞わせて1、2体を囲い込んで倒していると、海からクラーケンと呼ばれる巨大イカが姿を現して俺達が乗ってきた舟を粉々に砕いた。


「あー!舟がぁ!」

「んなことより逃げるぞ!アイツは陸には上がれない。もっと奥に行くぞ」


 セイレーンを相手しながら海の魔物と対峙するのは分が悪いと判断し、セイレーン連中をはね除けて林の中へと逃げ込んだ。

 その道幅は狭く、追ってきたセイレーン達も1列に並ぶしかなかった。それを生かしてシュヴェーラで前から一体ずつ撃ち落としていき、殲滅に成功した。

 ほっとしたのも束の間、今度は四方から現れた巨大なナメクジ、アシッドスラッグに囲まれてしまった。


「これは…」

「見た目がヤバイよぉ」

「アイさん、魔法を頼みます!シュヴェーラが溶けちまう」

「なら守ってね」

「はいよ」


 アイはナメクジに炎魔法を放ち、焼き付くしていく。

 順調に数を減らしていると、奥の数体が酸を吐き掛けてきた。アイを掴んで転移魔法でその攻撃をかわし、キリがないと判断した為そのまま立ち去った。

 此処で1度シュヴェーラを解除した。


「あんなの相手してたら魔力なくなっちゃうよ」

「ご苦労さん。これ飲んどいてくれ」

「ありがと」


 アイに魔力吸収剤を飲まして回復させた。また何が襲ってくるか分からないので有限である魔力は常に満タンにしておきたい。


 ナメクジの場所から程なくして林を抜けると、そこには人工的に造られた石畳の広場へと出た。

 その広場の中央辺りに魔物の影が見えた。


「あれ見えるか?」

「渡り竜っぽい」

「三体もいるのか」

「奥にもいるよ。五体だね」

「無理だな。ジルを喚ぶ」


 下級種と言えど五体の渡り竜を相手にするのはしんどい。そこでジルコートを喚んで、退治してもらうことにした。


 魔法陣の光りに釣られて渡り竜達が俺達の方に飛んでくる。

 召喚されたジルコートにアイツ等を頼むと伝えると、一直線のブレスを放って先行していた一体を葬った。

 続け様に二体目も落とす。残りの三体が接近してきたが、ジルコートも前に出て向かえうち、爪で二体、最後の一体は牙でトドメを刺され五体全てを沈黙させた。


「さすがジルね、あっという間」

「フフッ、ありがとう」

「助かったよ。少し付き合ってくれ」

「ええ、喜んで追いていくわ」










[セイレーン]

 鳥と魚と女性の頭という組合わせの魔物。どの顔も恐ろしい形相をしている。



[クラーケン]

 海の魔物の代表格。

 巨大なイカの姿をしており、鋭く尖った牙と10本の脚を持つ。その脚はガレオン船も粉々に砕く。



[アシッドスラッグ]

 ヌメヌメした魔蟲よりの魔物。

 見た目もかなりのモノだが、攻撃手段も酸を撒き散らすという中々エグい攻撃を仕掛けてくる。



[渡り竜]

 ドラゴンオブパッセージとも呼ばれる。

 下級種で季節に応じて至る海を渡っている。一ヶ所に留まる個体も稀ではあるが見かける。

 3メーター程の西竜型。





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