第167話 対イドモン
ジャンヌが先行して飛び出してきたイドモンに駆け出し2本の剣を振るうと、2本の腕でそれを防ぎ、2本の腕で殴られた。
飛ばされたジャンヌに代わり、俺が前に出て、拵えを振るった。
「硬っ!」
俺の剣も硬い表皮に阻まれた。攻撃を避けつつ続け様に蜘蛛の部分を斬りつけるが同じように弾かれてしまった。
ジャンヌも攻撃を繰り返しているがダメージを与えることが出来ないでいた。
「コイツは厄介だな。ジャンヌ、ちょっと来い」
「なんでしょうか!」
「炎をエンチャントさせる。俺とお前の同時攻撃で先に腕を落とすぞ」
「御意!」
俺とジャンヌの剣に炎を付与させ、左右に別れて同時に攻め込む。するとイドモンはジャンヌに蜘蛛の糸を吐きつけたが、それを軽々とかわした。
距離を詰め、飛んでその腕へと剣を振るい斬り落とすことが出来た。
そして振り向き、再び腕に剣を立てて4本の腕を斬り落とすことに成功した。
イドモンは悶えながら毒の液を撒き散らし、俺達を近付けさせないようにしている。
「マスター!お任せ下さい!」
と、ジャンヌがその毒を掻い潜りながら蜘蛛の胴体を目前にすると。
「バスターソードを!」
「行くぞ!」
俺はバスターソードを投げると、ジャンヌはそれを掴んでその勢いで蜘蛛部分を斬り裂いた。
それでも反撃を行おうとしていたが、俺が転移で腹に剣を突き立てた。
叫びながらその場に倒れ込み、ジャンヌによって首を斬られて絶命した。
「マスター!終わりました!」
「良くやったなジャンヌ」
「はい!マスターのお陰です!」
「終わったんだな。感謝する!」
「有難う御座いました!」
「その女騎士、凄い腕だな」
「私じゃなくてマスターが凄いのです!」
「そうだな。確かに凄いマスターだ」
「じゃあ、ありがとなジャンヌ」
「あっ、待ってください!まだりゆ…
ジャンヌを解除して、その場を後にした。
冒険者達は都から来たと言うので四人で向かうこととなった。
5日程歩いてようやく水上都市アトランティスを見下ろす丘へと来ていた。
「凄いね!ほんとに浮いてる!」
「ああ、初めて見たがこりゃースゲーわ」
「サキさん達は初めてか。俺達の故郷だが良いところだぜ」
「早く行きましょう。取り合えずギルドへ報告しないと」
そして俺達は都の門をくぐった。




