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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第166話 蜘蛛女

 


 数日後、俺達はこの間の遺跡付近を通っていた。寄るつもりはないが、このルートが一番の近道なのでそうしているまでだ。

 ストーンダックの事が気になるのだけど、アイツのことなら上手くやっているだろうと思い先を急いでいた。


「やっぱ見かけないね」

「仕方ないさ。あの日から結構な日数が経ってるもんな」

「そうだよね。元気でやってればいいけどさ」

「アイツなら大丈夫さ」


 更にそこから3日掛かりで都に続く街道へと出た。後はひたすらこの道を進むだけである。

 だが、その途中で二人の冒険者に出会った。


「た、助けてください!」

「何かあったんですか?」

「この先の廃村に討伐依頼で来たんだが、な、仲間が…」

「仲間が食われたんです!」

「廃村?そこに案内してもらえますか?」

「はい!」


 俺達は四人でその廃村へと向かった。

 街道を逸れて進んで行くと、ある程度の原形は留めているが自然に帰ろうとしている家々が並ぶ場所へと着いた。


「此処だ。まさかこんな所にヤツがいるなんて」

「そうですよ!うちらBランクが相手に出来るようなヤツじゃないですよ!」

「一体何が?」

「アラクネだ…アイツ等が棲み着いてやがった!俺達はアークスパイダーって聞いてきたのによ」

「アラクネなんてAランクの冒険者向けじゃない、それも複数なんて。サキ」

「分かってる。やるぞ」

「待ってください!僕たちも行きます!」

「ああ、仲間の仇を討ちたいんだ」

「いや、待っててください。すぐ終わると思うんで」

「すぐ?」


 俺は口上を唱えた。廃村と言えども、今だ形がある建物を壊す訳にはいかないと思いジャンヌに任せることにした。

 多少の崩壊なら仕方ないが、ジルコートやバルディエルに任せたら灰になってしまう。


「しょ、召喚士だったのか!?」

「一応は」

「マスター!お久しぶりです!」

「ああ、しばらくかもな」

「ジャンヌ、久々」

「あら、アイさんも居らしたのですか。それよりマスター!心の形がドラゴンのそれと同じになってますね?何かあったんだすか?」

「分かるのか?まぁ、追々説明するよ。今はこの村の虫退治を任せたい」

「はい!中から蜘蛛女の気配がしますね。1、2、、、7匹はいると思われます」

「よし、殲滅しろ」

「御意!」


 ジャンヌは駆け出して行き、家の中に入っていった。

 ものの数分で出てきて別の家へ入りまた別の家へと繰り返し、最奥の集会所のような建物へ入っていった。

 すると、ジャンヌが壁を破って飛ばされてきた。


「ジャンヌ!!大丈夫か!?」

「申し訳ありません!中に親が居ます!」

「親?」

「イドモンじゃない?」

「チッ!アイさんの言う通りです」

「ねぇ、何の舌打ちなの?」

「アイさん、うるさいです」

「ひどっ!」

「加戦する。アイは二人を守っててくれ」

「御意!」「りょーかい!」


 俺とジャンヌが建物に近付くと、中から一際大きい雄型のアラクネが扉を吹き飛ばしながら出てきた。









[アラクネ]

 蜘蛛に女の上半身が付いた魔物。

 たまに可愛い顔付きの者が居るが、皆狂暴。肉食で、特に人間の肉を好む。



[イドモン]

 アラクネを産み出すとされている魔物。蜘蛛に男の上半身でアラクネの2倍はデカい。腕も4本付いている。

 男なのに産み出せるなんて意味深である。








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