表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
167/308

第162話 アイと輝竜

 


 ~アイ目線~


「サキ!やだっ!血が、血が止まらないよっ!」


 サキは旧天使との戦闘で胴体を貫かれ、止血しようと手を尽くしているが止まる気配がない。

 このままでは死んでしまう。泣いてる場合じゃない。


『黒き翼を翻し 奏でよ焔の夜想曲 おいで 宵闇竜ノワルヴァーデ!』


 私はノワを喚び出してすがり寄った。


「ノワ!お願い、助けて!」

『主、落ち着いて。外へ運ぼう』

「う、うん!」


 サキをノワの背中に乗せて、さっき機械兵が出ていった出口から脱出した。

 外へ出るなり回復魔法を掛けるのだけど、傷口は塞がったがこれ以上回復する見込みはなかった。


「ノワどうしよう!」

『飛ばすから掴まってて』

「どこいくの?」

『輝の所。近くにいるはず』


 何処だか分からないけどサキが助かるなら連れて行って貰いたい。その為なら何時までもノワを召喚していると心に決めた。


 しかしノワの頑張りもあって、あっという間に目的地へと着いた。山脈の洞窟、そこに居たのは輝竜と呼ばれる竜だった。


『輝。久しぶり』

『ああ。急にどうした?』

『この人、銀の主。救って欲しい』

『銀のか、良いだろう』

「助かるの!?」

『わからん。コヤツの気力次第だ』

「サキなら、サキなら大丈夫!」

『そうよ。銀の主なら大丈夫』

『では始めるとする』



 輝竜はホワイトドラゴンを超える回復魔法の使い手だそうだ。でも、輝竜の魔力を持ってしても助かる確率は5分だと言われた。

 数人で行う蘇生の儀より遥かに高度な魔法だけど、今のサキに効くか保証もない。

 私にやることはないかと聞いたのだが、特にないと。それでも傍に居たかった。



『やれるだけのことはやった。目覚めるかはわからんが』

「ありがとう。あのこれ、お礼に受け取って」


 私は旧天使の残した剣を輝竜の前に置いた。


『ほう、良い剣だな。使わんのか?』

「うん、私達には必要ないもの。それに…」

『有り難く貰うとしよう。しばらくは此処に居るがいい』

「いいの?」

『ああ、構わんさ』

「ありがとう。ノワもありがとね」

『主、銀の主なら大丈夫』

「うん」

『じゃあ、還るね。輝、主達を宜しく』

『ああ』

 



 それから10日が過ぎても意識が戻らずにいた。


「何日此処に居るの?私達の旅はまだ終わってないよ。決めたよね?故郷や両親、師匠の仇を取るって。それに夢だってあるじゃん。こんな所で終わっていいの?ねぇ、目覚ましてよサキ」


『アイよ。一つだけ方法がある』


 私は輝竜の言葉に顔を上げた。







 


[輝竜]

 シャインドラゴン。

 上級種であり、銀竜達より一回り小さいが、回復魔法に関しては竜種の中でトップを誇る。

 攻撃面でも光魔法を駆使するなど申し分ない力を持つ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ