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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第160話 灰色アヒル

 


「なんでお前はあの山に居ないんだよ!楽できたのに」

「魔物に文句言ってもしょうがないでしょ!こっちは終わったよ」


 俺達はゼリータイプを討伐しながら、つい文句を垂れてしまった。

 コイツ等は雑食で、死体だろうが硬かろうが何でも食べる。ゼリーさえ居れば倒した魔物を処理しなくて済む。

 かなりの確率で襲って来るので倒してしまうことの方が多いが。


「コイツ等嫌いだ。斬撃効きづらいし」

「グラスゼリーなんだから炎エンチャントさせれば?」

「魔力が勿体ない」

「ケチってどーするのよ」

「アイみたく魔力高くないしな」


 グラスゼリー数体を倒した所に、ストーンダックと呼ばれる鳥型の魔獣が近寄ってきた。


「なんか来たぞ」

「ダックだ。逃げないのかな?」

「まさかやる気じゃないだろうな」


 ストーンダックは俺達の前で止まり、ガァガァ鳴いている。


「何言ってるかわからんな」

「お礼言ってるんじゃない?」

「グヮ」


 頷くストーンダック。言葉は通じてるようだが。

 先程、ストーンダックがグラスゼリーの群れに囲まれている所を通りすがった俺達に標的を変更したことにより、コイツは助かったのだ。

 結果的には俺達に助けられたのだが、お礼を言いにくる魔獣など珍しい。人懐っこいようだ。


「ダックかぁ。鳥肉」

「バカなこと言わないの。こんなに懐っこいのに」

「冗談だ。お礼は良いから行きな」


 俺達は歩き始めたが、その後ろを付いてくる。気にせず進み、途中魔物に襲われても少し離れた所から此方を見つめて、戦闘が終わると近寄ってくる。


「スゲー気になる」

「確かに。どうするの?」

「乗せて貰うか」

「え?乗れるの?」

「たまに乗ってるヤツ見るだろ」


 ストーンダックは高さも長さも人間の身長と同じ大きさで灰色の羽を持つアヒルだ。二人乗れるかは怪しいが、乗ってる人ならたまに見る。

 そこで、交換条件を持ち出した。食料は此方で調達するから乗せてってくれと頼んだ所、ガァーと頷いていたので頼むことにした。



「重くないか?」

「ガァ」

「本当に大丈夫なの?」

「グヮ!」

「二人乗れるとはお前、中々やるな」


 俺達を乗せて走るスピードは歩くより2倍ほど速く、疲れも知らないようで1日で結構な距離を稼ぐことが出来た。


 飯の時は約束通りに、魔獣の肉やパン、野菜を提供した。

 ダックが肉を食べるなんて初めて知ったが、どうやら雑食らしい。一口大に切ってあげれば喜んで食べてくれる。しかも野菜より喜ぶ。


「こりゃあ肉を調達しないといかんな」

「この子結構食べるもんね」

「この当たりなら草食系も居るだろうから明日狩るか」

「うん。肉食は嫌いみたいだしね」


 肉食系の肉は嫌がったが、草食系なら喜んで食べるという我が儘ぶりである。



 翌日は移動しては狩りをし、また移動の繰り返しだったが、歩くより遥かに楽だったのでスムーズに事を運ぶことが出来た。



 そして数日後、俺達は遺跡を見つけた。






[ストーンダック]

 灰色の鳥型。しかし飛ぶのは苦手。

 人懐っこい者と人を見ると全力で逃げる者がいる。基本は野草や果物を食べるが、実は雑食で肉も食べる。

 人間を乗せられるほどデカイ。


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