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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第156話 裸山の戦闘

 


 翌朝、誰も居なくなった街を後に次なる街を目指して出発した。


「誰もいないって寂しいよね」

「ああ。これも悪魔の仕業だ」

「でも住民だけ消すなんて」

「恐ろしい力だな。俺達の故郷は何もかも破壊して行かれたがな」


 見知らぬ国の1つの街が滅ぼされる。昔から時折起こっていた事だが、住民だけが消されるなんてのは初めてだった。

 悪魔の恐ろしさを改めて認識したと共に憎悪が沸いてきた。だが、今は出来ることをやるしかない。


「あの都なら情報も集まりそうだな」

「そうだね。でも遠いんだよね」

「次と言ってもかなりあるからな」

「機械竜に乗せてもらう?」

「熱そうだからいいや」

「たしかに」


 水の都を目指して数日後、俺達は岩山の山道で飛竜タイプのランフォリンクスの群れに襲われていた。

 ワイバーンとの違いは細長い尻尾を持ち、クチバシがある。コイツ等は縄張りに入った者を容赦なく襲ってくる。


 アイは雷魔法で、俺はシュヴェーラで一匹一匹屠っていたのだが、数が段々増えていく。これほど増えたとなると暫く人が通っていなかったのか、それとも皆エサにされていたのかのどちらかだ。


「アイ、ジルを喚ぶから援護を」

「りょーかい!」


 俺は口上を唱えてジルコートを喚び出し、一気に数を減らして貰った。

 残り数体というところに三体の岩竜までもが現れて、ランフォリンクスに加戦する形となり襲ってきた。


 空は俺とアイで応戦し、ジルコートに岩竜の処理を任せた。

 岩竜は強さ、素早さこそないが防御力が高い。ジルコートのブレスと光魔法を何度か浴びせ、ようやく一体が倒れた。

 その間にランフォリンクスを壊滅させて、俺とアイで一体の岩竜へ向かい、もう一体をジルコートに任せた。


 アイの水魔法で水攻めにして雷魔法を放ち、ダメージの倍加を狙う。良い感じにダメージを与えると、シュヴェーラで頭部を叩き手にしたバスターソードで額を叩き割る。

 それでもとどめをさせなかったので、2本の片手剣で両眼を突き刺すと、そこで動きを止めた。


「終わったな」

「ジルも終わったみたいだよ」


 最後の球体ブレスがとどめとなって岩竜は倒れた。


「マスター終わったわ」

「お疲れさん」

「お疲れ様」

「まだ向こうに気配を感じる」

「なんだか分かるか?」

「もう見えるわ」


 その者が姿を現した。のしのしと4足で歩き、サイ、ホーンタイプにそっくりだが歴とした竜種。


「あーやだやだ。あんなのが居るなんてどんだけ人来てないのよ」

「放置されてた可能性もあるな。ジルやれるか?」

「頑張るわ」



 その竜はオロスドラゴン、山の守護者とも呼ばれる存在だが、人種を敵と見なす。

 動きはトロいが耐久力が滅茶苦茶高く、そのくせ土魔法が一風変わっている為、やりづらい相手となる。


「一応聞いとくか。ジル」


『アナタは私達とやる気なの?』

『久々のエサをみすみす逃す訳無かろう』

「だって」

「ジル、頼んだぞ」










[ランフォリンクス]

 飛竜タイプの魔物。

 鳥のクチバシに細長い尻尾を持つ。さほど強くはないが弱くもない。



[岩竜]

 ロックドラゴン。

 下級種で全長は巨岩竜の半分もない。竜種でも弱い部類に入るが、硬い。



[丘陵竜]

 オロスドラゴンとも呼ばれる。

 上級種に位置し、全長も10メーターとデカい。人嫌いでサイに似ている。

 土魔法は独特で、植物のツタや木を生やして攻撃したり、相手をぬかるみにハメたりと様々な攻撃を仕掛けてくる。





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