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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第155話 4対1

 


『ほう、カラクリとは珍しい』


 四体は2組になって風神竜を取り囲んで攻撃を行った。

 機械竜の二体は口からブレスのようなモノを吐き、ジルコートとノワルヴァーデは接近戦を仕掛けた。

 魔法攻撃を弾いていた結界が機械竜の攻撃により破られ、接近していった二体の爪が通るかと思われたが、物理防御も張っていたようでその攻撃は通らなかった。

 そして風神竜が風を纏い解き放つと、暴風が四体を襲うも、機械竜の二体は微動だにしなかった。


『コヤツ等、何故効かぬのだ?』

「それは答えられない」

『喋れるとはな』

「貴方のデータはプログラムにあった。風神竜またはケツァルコアトル。私と03、二機の勝率57%、銀竜、黒竜を含めた四機での勝率は100%。敗北はない」

『ホッホッ!やってみるがよい』


 次に機械竜の二体は接近戦へと移行した。ナイフのような爪が伸びて斬りかかった。

 そこへジルコートとノワルヴァーデも合流し、四体で攻めていると遂に物理防御の壁も破り、それぞれの爪が鱗を切り裂いた。


「本体はさほど防御力が高くないと見えるな」

「勝てるかな?」

「勝って欲しいが」


 すると、その大きな腕を振るって四体を遠ざけると、ブレスを放ち各竜に浴びせた。


『黒!私の後ろに!』


 ジルコートが念話で伝えると、自信に防御魔法を張ってノワルヴァーデを守った。機械竜二体はブレスすらも弾いていた。


「荷電粒子ビーム砲スタンバイ。03、同時攻撃」


 二体の口から砲身が伸びて光りを溜め始めると、同時に放った。

 先程のブレスと異なり、威力は格段に高い。その攻撃を受けた風神竜は暴煙に包まれ、地上へと落下してくる。

 更に一体の機械竜からは弾が撃ち出され、その弾は落下する風神竜を追いかけて直撃すると爆発を引き起こした。


 もう一体はその場で停止していた。どうやら動けない様子だ。


「排熱処理が間に合わない。改良出来れば良いのだが、自己修正機能は正常か?」

「ゴォォッ」

「ならば良しとしよう」



 燃えながら落ちてきた風神竜は地面に叩きつけられる瞬間、体勢を戻して着地した。

 そして俺とアイの方を見る。


『最後の余興だ』


 そう言うと、俺達に向かってブレスを撃ってきた。

 俺はアイを掴んで転移しようとすると、ジルコートが前にその後ろにノワルヴァーデが来て、そのブレスを防いでくれた。


『ホッホッホッ!良かろう。その覚悟気に入った!』

「なんの話?」

『風神、試してたの?』

『ワシの力を渡そう。時が来たとき使うが良い』


 風神竜から珠が飛ばされてきた。風を閉じ込めたような薄い緑色の珠を俺達に渡すと、それだけを言い残し風神竜は夜空へ消えていった。


「マスター。戦闘終了で良いのか?」

「ああ、助かったよ。ってかマスターじゃないだろ」

「これからも共に行く。私達の珠を解いた者がマスターだ。契約ではないがな」

「そうなんだ。ならこれからも宜しくな」

「あっちの子は動かないけど大丈夫なの?」

「宜しく。03は残り17でリブートする。」

「大丈夫ってことね」

「お前達はなんて呼んだらいい?」

「私はクロックドラゴンマークⅡもしくは06と呼ばれていた。03はクロックドラゴン」

「マークⅡか良いな。俺はサキ、こっちがアイ、銀竜がジルコートで黒竜がノワルヴァーデだ」

「了解した。名称の入力を完了した。ではマスター、私達はこれで」

「ありがとな」


 降りてきた03と共に珠へと戻った。どうやらこの二体は珠から解き放っても消えることなかった。

 スタミナも消費しないで喚び出せるとはかなり有り難い。


「マスター、良いの持ってるね」

『機械竜。強かった』

「これからアイツ等も宜しくな」

「ノワの弟だよ」

『あの機械、念話出来ないし喋れない』

「あ、ああーそうなんだ…でも言葉は通じるよ」

「そうね、もう一体は喋れるから黒の意見は代理してもらおう」

『そうね』

「よし、何処か借りて休もうぜ。ジル、ノワ、ありがとな」

「そうしよう、ありがとね」

「『うん』」



 多分既に日は回っていると思うが、朝まで寝るために部屋を借りることにした。






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