第151話 夢と未来
「どうしたの?」
「起きてたのか」
「さっきまで寝てたよ」
「変な夢を見たよ」
「どんな? 」
「時が近いだのまだ時間はあるだろと」
「なにそれ」
「もしかしてアーシェの兄貴が言ってたことと同じかもな」
「へぇ。それは予言ってやつ?」
「わからん。そう言えば轟神を求めろとも言われたな」
「ごうしん?しんってことは神?」
「多分。気紛れだとか」
「見つけたらラッキー程度ってことだね」
「そうだな」
「頭に入れといて。ほら、ご飯食べな」
起きたのが昼前、それから朝食?を食べて出発した。
取り合えず街道に出たいのだが、歩いて行くと結構時間が掛かってしまう。どうせならと、此処から一番近い街を目指しながら草原を横断して行くことになった。
その街の先に、水の都と呼ばれる水上都市がある。大昔に造られて滅ばなかった最古の都市の一つだ。
ここに行けば夢の言葉が何か解るかもしれないと、ついでに寄ることに決めた。
問題は次の次の街と言ってもかなりの距離を歩くことだろう。この国にも悪魔は居るだろうし出来るだけ急ぎたいが、旅は誘惑の連続。中々上手いようには行かない。
「ドラゴンテイマー…」
「どうした?急に」
「居ればなぁと思って」
「んー。街と言ってもなぁ、ギリギリ街って感じだからな」
「なにそれ」
「街と町の違いだよ。まぁ、あったら楽できるけどな」
「その前に着いたら宿ね。お風呂入りたい」
「そうだな」
翌日、小高い丘の上へ行くと先の方に街が見えた。まだ距離があるので今日はこの辺で野営しようと思っていると、何かあるのに気が付いた。
近付くとそこには一人の男が倒れてた。いや、眠っていた。
「人だ」
「人だな」
「どうする?」
「何がどうするって?」
「ほっとく?」
「ああ、寝てるだけだしな」
「おいおい、連れないなぁ」
すると男が目を覚まし、起き上がった。
「やぁ、冒険者達。この先に何があるのか知っているかい?」
「何って街じゃないのか?」
「確かに街なんだが、まぁ自分の目で確かめた方がいいよ」
「あの街に何か起こったのか?」
「さぁね?じゃあ気を付けて」
男はそう言い残し去っていった。




