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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第149話 鬼神

 


「「あ」」


 そのスイッチに触れた直後、入口の方を見ていた機械人形が一斉に俺達へ身体を向けた。


「「「「「「侵入者有り、バトルモードへ切り替えます」」」」」」


「やっべぇなこれ」

「サキのせいだよこれ」

「ごめん」


 何十と数えきれない居る機械人形、幸いなことにコイツ等は武器を持っていないのが救いだった。

 俺は両手に拵えを、アイは剣と盾を構えて戦闘を開始する。互いの剣が当たらぬよう距離を取り、一体また一体と頭部または首許を狙って剣を振るっていく。


「しつこい!」

「本当だよ!ちゃんと動くのに、こんなに壊しちゃっていいの!?」

「仕方ないだろ。やらなきゃやられるぞ」


 本来なら動く機械人形なんて希少で国が管理するような代物なのだが、戦闘態勢に入ってしまったコイツ等を止めるには壊すしかない。



 程なくして全ての機械人形は頭部を失い動きを停止した。床一面に残骸が転がっている。


「終わったよ」

「終わったな。お疲れ」

「酷い目に遭わされた」

「服はだけてるぞ」

「コイツ等引っ張ってくるんだもん」

「だらしないから直しな」

「分かってる。よし、次行こうよ」

「ああ」


 扉を出て先へ進んだのだが、反対側と同じように両側に扉が並んでいるだけだったので引き返して3階へと移動した。

 そこには先程同様に機械人形が待ち受けていたのだが、既に戦闘態勢に入っていた。

 四体の機械人形は俺達の姿を確認すると、一斉に掃射してきた。それを盾で防ぎながら前進し、一体を押し退けその横のヤツを斬り伏せる。

 残りも俺に集中している隙にアイが頭部を斬り離した。押し退けたヤツもライフルを構える前に、片手剣を投げつけて沈黙させる。


「ナイスだアイ」

「このくらいは余裕だね」

「あのデカブツは居なそうだな」

「あれに来られるとしんどいよ」


 どうやら此処にはこの四体しか見受けられない。

 この階もまた、2階と同じような造りとなっているのだが、奥行きはなく、直ぐに曲がり角があった。

 その先には扉が1枚、近付くと自動で開き中を覗いて見ると、中央にはガラスの中に入った竜の珠があった。

 だが、その左右には金と黒の甲冑のような機械人形が座っていた。

 その横には鞘に入った拵えが置いてあり、腰には脇差が装備されていた。どちらも朱色の鞘に収まっている。


「俺達の国の鎧と同じだな」

「あの独特な兜、鬼って感じだよね」

「動いたら一体任すぞ」

「りょーかい」


 1歩中へ入った途端、その二体は立ち上がった。手にした拵えの鞘を抜き、駆け寄ってきた。

 俺達も剣を構えて前に出ると、金色の方が俺に腕を向けて、発砲した。


「チッ!」


 避けようとしたが間に合わず、肩に被弾してしまった。


「サキ!」

「油断した。腕に銃が仕込まれてやがる」

「来るよ!」


 目前まで迫った二体は拵えを振りかざした。

 俺は拵えでツバ競り合い、アイは盾でいなして剣による一撃を与えていた。

 俺と対峙した金色は後方へと飛ぶと、腕を構えた。その軌道上を避けて剣を投げつけると、構えるのを止めて弾き落とした。

 再び腕を伸ばした所を狙い、距離を詰めてもう1本の拵えを間接へと降り下ろした。その腕を斬り落とし、胴体へと突き立てたのだが、その刃は通らなかった。


 装甲に弾かれ、もう片方の腕に握られた拵えを振り下ろしてきたのを身体をよじり、回避する。そしてバスターソードを出して横払いで斬りつけた。

 ソイツはバランスを崩し、よろめいた所に兜目掛けてバスターソードを振りかざすと、兜もとい頭は砕け膝から崩れ落ちた。









[BG―35A ラセツ]

 全長2メーターで他の機械人形より少し大きく、兜は鬼の形相を模している。

 武装は長剣と短剣、左腕に8㎜シングル銃を装備している。

 金色は設計者の趣味だろう。決して何かを弾くコーティングがされているわけではない。だが100年どころか何百年経っても稼働した。



[BG―35A2 ヤシャ]

 黒の装甲にラセツと同じく鬼面の兜に全長2メーター。

 武装は長剣2本で高機動重視。

 因みに、型式のBGはバトルギア、数字は開発コード、Aはオールオートの意味。





















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