表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
151/308

第146話 過去の遺産

 


 アーシェと別れた俺とアイは山の麓にある遺跡を目指していた。

 山は近くに見えているのだが、歩きだと1日以上かかってしまう。馬がないのでしょうがないと諦め、トボトボと歩いていた。


「あの遺跡に機械兵がいたらさ、私が契約しようかな」

「いいんじゃないか?俺はその方が助かるな」

「お宝だったら山分けね」

「そうだな。何も無しは勘弁願いたいが」


 次の日の夕方、俺達は遺跡の入口に辿り着いた。麓にぽっかりと空いた洞窟の奥にその扉はあった。

 金属で出来た扉は錆びてはいるが壊れてる箇所は見受けられず、引いてみると簡単に開いた。


「開いたぞ」

「うん。うわぁ、明るい」


 扉を開けるとそこには空間が広がっていた。天井は狭いが何処までも奥行きがある。そしてその天井には灯りが灯っていた。


「アーシェのお兄さんが灯したのかな?」

「どうだろう。もしかしたらここの設備が生きてるのかもな」

「魔物がいるって言ってたわりにはなんも居なくない?」

「だな。油断は出来ないが」


 中に入った俺達は取り合えず端まで行こうということで歩き出した。

 すると、前の方に円柱の筒がポツンと置いてあり近付いてみる。


「何これ?」

「さぁ。中に入れるぞ」

「え、怖くない?」


 その筒は人が何人か入れる程の大きさで、中には1、2、3の数字と△、▽のスイッチが付いていた。


「これ動きそうだぞ」

「押してみる?」

「じゃあアイも中に入ってこい」

「う、うん」


 俺は1のスイッチを押したが何も起こらない。続いて2、3と押しても何もなかった。


「壊れてるの?」

「でもスイッチは光ってるぞ」

「これは?」


 と、アイが△のスイッチを押すと扉が閉まり、動き始めた。


「う、動いた!」

「アイ、やるな」

「感心してる場合じゃないでしょ!何処行くのこれ?」

「上がってる感じだな」


 その機械が止まり、扉が開いた先にはライフルを持った機械人形が四体待ち構えていた。


「魔物じゃないじゃん!あの機械武装してるよ」

「これ、出たら射たれるんじゃね?」

「転移して抜けちゃおうよ」

「いや、魔法が使えない。アイも感じるだろ?」

「あ、確かに。だからあの人も諦めたのね」

「射って来るとは限らん。アイは中に居てくれ」

「待って!せめて盾持ってってよ」

「なら喚び出すからそれはアイが持ってな」


 俺は片手剣と盾を出し、扉の外へ1歩踏み出した。








[機械人形]

 ギアドールと呼ばれる大昔に造られた人型の機械。

 遺跡のあちこちで見かけるが殆どが壊れて動かない。極稀に動き回っているのを見ることが出来る。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ