第15話 再戦
巨岩竜との再戦、さっきは敗けたが次は撃ち勝つ。先に進みアイツらを滅ぼすと決めたんだ、硬いだけの中級竜に遅れを取るわけにはいかない。
俺とアイは地上に降り、空から二体の竜が攻める。アイは魔法を駆使し攻撃を行い、俺はバスターソードで斬りかかるがびくともしない。
「嫌になるほど硬い」
「だが上の二人が注意を引いてくれている。攻撃に専念出来るのはいいことだ」
空からのブレスや魔法による攻撃に巨岩竜はされるがままとなっている。その合間に斬りつけ、アイは魔法を飛ばす…が四人の攻撃に対してもその装甲とも呼べる鱗は貫けない。
「サキ!私の魔力がもう少ない」
「なら温存しといてくれ。コイツはまだ魔力が残っているしブレスも吐く。残りは防御用で頼む!」
「わかった!」
銀竜と黒竜の攻撃でさえ殆どダメージを与えられていない。着実に弱ってはいると思うがまだまだ底は見えず、空からの攻撃に対して時たま岩のブレスを吐き散らしている。
「俺は眼中にないってか」
此方の攻撃に対してはなにも仕出かして来ない。
それならと、銀竜を喚び背中に乗った。そして片手剣を出し「ヤツの頭の上まで連れてってくれ」と銀竜に頼む。
少し上に位置した時、俺は飛び降りその眼を目掛けて剣を突き立てた。
「ヴオオオ!」
「はっ!効いたか!」
身体を揺さぶられ振り落とされた瞬間腕が襲いかかってきた。
「二度はないと言ったはずだ!」
またバスターソードを出しカウンター魔法で腕を払い除ける。
巨岩竜はバランスを崩しその場に腹から倒れた。
『二人とも!コイツを押さえててくれ!』
銀竜と黒竜に念話を送り、俺は召喚口上を述べ始めた。
『悠久の時告げる光に合間見える終焉の時告げる闇、王の名の元に真の名を解き放て! ティリンス・アクロポリス!! 』
地面に魔法陣が描かれ、複数の巨大な剣が出てきた。それに続きその剣を振るえるほどの鎧姿の盾と剣を持った巨人が現れる。
「砕けさせろ!アクロポリス!」




