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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第138話 対闇竜

 


 ジャンヌ、デポルラポル、カリストの四体は闇竜に挑んでいく。


 三体はカリストの攻撃力と防御力向上魔法を受け、更には剣に光を付与させた。


 闇竜とジャンヌは正面からぶつかり合い、爪による攻撃を弾き、逆に剣による攻撃を爪で弾いている。

 体格差のせいで胴体に斬り込むことが出来ないジャンヌに、デポルラポルが左右から脚部へと斬り込む。

 ジャンヌと交戦しながらデポルラポルの二体を尻尾で相手取っていると、カリストから放たれたスロウの魔法が当たり、動きが鈍る闇竜。振りかざした腕がゆっくりになり、ジャンヌによって2本の腕を切り取られ、尻尾も二体の剣で落とされた。


 今度はブレスを放とうと顎を引くと、口内で爆発が起こった。

 どうやらカリストの魔力暴走魔法によって引き起こされた事のようだ。

 この時既にスロウは解けていたが、目前を飛んできたジャンヌの攻撃に対応出来ず、額に剣を突き立てられる。

 後を追うようにデポルラポルの剣も後頭部を襲い、倒された。


「ば、バカな!こんなに呆気なくやられるなんて」

「貴方には荷が重すぎましたね」

「生意気な召喚獣が!」


 ジャンヌに煽られて怒ったエルフが魔法を放とうとすると、それよりも速くデポルラポル二体が首に剣を突き付けた。


「いつの間に!?」

「さぁ兄の所へ案内してもらうわよ」


「あ!マスター!終わりました。マスターも平気ですか!?」

「平気だが少し大人しくしてなさい」

「すみません」


 そのエルフはニヤリと口許を緩めると、下げた手の平を反し、両脇の二体を魔法で吹き飛ばした。


「デポルラポル!貴方まだ!」

「そう簡単には教えられんな。唸れ魔神!己の力が導くままに!!」

「アーシェ離れろ!」


 エルフの中心に魔法陣が広がり、光り輝くと、黒いドロドロ状のモノが溢れだしてエルフを飲み込んだ。


「お、おい!なんだこれは!主の言うことが聞けないのか、や…

「おい!」

「飲み込まれちゃったよ!なんなのあれ?」

「魔神って言ってたわね」

『あれはエルフが喚べる者ではないです』『我等では勝ち目がありません』


 デポルラポルは知っていた。

 目の前に広がったヘドロ状のモノが形を形成していき、歪な塔へと変化した。


「これが魔神なのか!?」

『はい。魔神バベル、この世界の光を司ります』『エルフを糧にしたことで本来の力も戻っています』『ですがあの召喚は時間制約があると思われます』

「なるほどな。ジャンヌ!守りを優先だ、やれるな?」

「仰せのままに!」


 雲に届きそうな程高く、細い建造物にジャンヌが駆け寄ると、窓らしき幾つもの穴から砲弾が飛んできた。

 それを避けながら突き進むと、今度は各階とも呼べるような部分が左右それぞれに回転を始め、次々と砲弾を打ち出してきた。

 手数が多すぎて退くことを余儀無くされてしまった。するとその回転は止まった。


「ジャンヌ、平気か?」

「はい!すみません。私には近付くことすら不可能のようです」

「あの魔神にルナの魔法も効かないわ」

「近付かなければ撃ってこないんじゃない?」


 アイがそう言うと、此方に砲身を向けて撃ってきた。それをシュヴェーラとアイ、デポルラポルの魔法で撃ち落とすも何発か抜けてきた。

 それをジャンヌが切り落としていき、カリストのルナも防御魔法で防いでくれていた。


 やがて砲撃が止む頃には俺達は満身創痍だったのだが、バベルに変化があった。

 中心部に窓よりも大きく丸い穴が空くと、そこから口径の大きな砲身が飛び出し、光りを溜め始めた。


「あれはヤバいでしょ!」

「ジャンヌ、やるぞ。掴まれ」

「御意!あぁ、マスターに」

「何するの?」

「止めるんだよ。お前達、二人を任せたぞ」

『ハッ!』

「アゲート!」


 俺とジャンヌは砲身の目前に転移した。










[バベル]

 文献ではバベルタワーと呼ばれる都市自動防衛型建造物がある日突然意思を得たとされている。

 災害を振り撒き、いつしか魔神となっていた。

 真っ直ぐ垂直な塔は206階にも及ぶ高さを有し、全ての階に複数の窓が設置されており、防衛機能が働くとそこから砲弾を放ち始める。

 世界には似たような防衛機能或いは、拠点攻撃を有していたとされる建造物があり、ケルン、ジグラット、オベリスク、ゴリョウカクが代表される遺跡である。










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