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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第136話 アーシェの願い

 


 ギルドへと報告を済ませ、宿へと着いた俺達。

 そこでアーシェが語り始める。


「サキさん、アイさん、お願いがあるの」

「なんだ?」

「私ね、目的があるって言ったじゃない?そのことなんだけど」

「どうしたの?」

「ある者を追っているの。あの国で出会ったのだけど…戦いを挑んで敗けたのよ。私も召喚獣達にもとどめを指さずに行ってしまったわ」

「ある者?ソイツを倒すのが目的なのか?」

「ええ」

「じゃあ、ソイツはこの国に来たってことか?」

「話によるとね、でも所在は解らないわ。そこでお願いなんだけど、私と一緒に戦って欲しいの」

「なんだーそんなことなら大歓迎だよね」

「ああ、改まって言う話じゃないだろ。協力するに決まってる」

「ありがとう!」

「ならしばらく共にするってことよね?」

「お願いするわ」

「俺達もアーシェが居れば心強いしな」

「ほんとよね」

「二人とも、ありがとう!」


 そこで俺とアイのパーティにアーシェが加わった。背徳の赤の称号を持つ彼女なら百人力だ。


「その者って悪魔か?」

「恥ずかしい話なんだけど、私の兄よ」

「兄貴?」

「お兄さんを倒すの?」

「私を悪魔に差し出した張本人。そして兄も召喚士よ」

「アーシェを負かすほどの実力か」

「手も足も出なかったわ」

「中々の強者なのね。そのお兄さんがこの国に来たからアーシェも追ってきたのね」

「ええ。足取りを追っていたのだけれど、アナタ達が来ることを知って戻ったのよ」

「もう俺達もいるし、負けることはないな。打ち負かせてやろうぜ」

「そうよ。アーシェを酷い目に合わせたヤツなんて懲らしめてあげようね」

「フフッ。頼もしいわ」


 翌朝、この街で少し買い物をしてから次の街へと向かった。


 アーシェはその街から引き返してきた為、ギルドに話が通しやすいと言うことで馬を借りて旅路を進んだ。

 その途中、何故兄貴が旅をしているのかを聞いたが詳しくは分からないみたいだが、恐らく召喚獣を集めているのだと言う。

 兄貴はアーシェ以上に才能があり、数多くの召喚獣を得ている。さらには何体も同時召喚して長時間維持できるとか。


「兄貴はほんとに人間か?」

「じゃなかったら私も人間じゃないわね」

「アーシェも天才なのにそれ以上ってことなのね」

「お母さんの遺伝よ」

「ママさんも召喚士なの?」

「立派なね。生きてる頃は紅の雷の称号を得ていたわ」

「あっ、ごめん…」

「良いのよ、子供の頃の話だから。街からの依頼で魔物の討伐に向かったのが最後、お父さんはさらに前に亡くなったわ」

「そうだったのか」

「兄は冒険者にならなかったわ。なのに召喚獣を集めて何かしようとしているの、良いことではないのは確かよ」

「なら止める必要もあるもんな」

「だから協力宜しくね。多分だけど、兄は街の先にある遺跡に向かったと思うの」

「アーティファクトか」


 兄貴の目的がアーティファクトサモンなら必ず遺跡に入るはずだと、だが既に手に入れている可能性が高い。それでも足取りを探す為俺達は向かう。



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