第130話 なぞなぞ
「そこの旅の者、待たれい」
後ろから声を掛けられ振り向くと、ソレは俺達を飛び越えてそこに伏せた。
「ガーディアンか」
全身石で出来た犬のような身体に人間の顔、そして翼が生えた魔物が俺達の前に現れた。
「ガーディアン?スフィンクスじゃなくて?」
「え?ガーディアンでしょ?」
「呼び名が違うんじゃないか?」
「人間の決めた名なのどどうでもよい。真名は別にある」
「それで何かようかしら?」
アーシェが睨み付けるように問いかけた。
「旅の者よ、ここを通りたくば謎かけに答えよ。朝は4本、ひ「人間」
言い終わる前に答えたアーシェ。
「グッ!中々やりおる」
「早く退きなさいよ!」
「アーシェ、さっきから何か怒ってないか?」
「コレの顔がムカつくわ」
「コレとは無礼な!」
「退かないとその身体、壊すわよ」
俺達の何倍も大きな魔物に威圧して発する。
「わ、我の話を聞いてくれ」
「嫌っ!」
「アーシェ、ちょっと聞いてあげようよ」
「訳有りのようだしな」
「えー!?」
『お願いです。私達の願いを聞いて下さい』
透き通るような声が響いた。
その声の持ち主はガーディアンの背から姿を見せた女性…の下半身が蛇になっている魔物だった。
「ナーガか?」
『それは邪の者の名では?私はエキドナと呼ばれています』
「初めて見るな」
「ね、見たことなかった」
「まぁ、聞くだけならいいわよ」
『助かります。では始めにコレを』
魔法を唱え俺達に向けて放った。
俺達は武器を取り身構えたが、その魔法は回復魔法だった。しかもスタミナ回復という稀な物だった。
「凄いわ、疲れが抜けたわ」
「これは凄いな」
『アナタ方の戦いを見ておりましたので。話を聞いてくれるお礼です』
「助かったよ。それで話とは?」
「我等が守護する王墓に異変が起きたのだ。何処からともなく中に魔物達が現れ溢れかえっているのだ」
『彼はこの図体、入ることすら出来ない。私は戦闘に関しては役に立たずで手をこまぬいていたのです』
「それで俺達に退治して欲しいと」
『はい。身勝手なお願いですが、報酬は差し上げます』
「報酬?何か貰えるのかしら?」
『王家の秘宝を』
「報酬があるならやるか?」
「私はいいよ。サキに従うよ」
「秘宝、気になるわね。私もいいわよ」
「決まりだな。よし、案内頼むぞ」
「おお!ありがたき!」
『有難う御座います。それでは彼の背に乗って下さい』
ガーディアンの背に乗り向かった先は、砂漠にポツンとあった四角錐型の建造物だった。
「大きいわね」
「話には聞いていたがこれ程とは」
「私達の国と形違うよね」
「だな。冒険者なら入りたくなる建造物だ」
「国によって違うのね」
「アーシェん所は?」
「王墓は小さな丘の上だったり墓所の最奥だったかしら」
「へぇー王族って目立ちたがりばっか妥当思ってた」
「そろそろ良いか?」
「ああ。では討伐に向かいます。雇い主殿」
『コレをお渡しします。お気をつけて。危なくなったらすぐに引き返して下さいね』
「了解」
俺達は王墓の中へと入って行く。
[ガーディアン]
王墓や過去の遺産等を守護する魔物。誰の命なのかは不明。
姿も名前も場所によって異なる。
例としてスフィンクスやモアイと呼ばれるガーディアンが有名。
[エキドナ]
女性の半身と蛇の半身の魔物。亜人とされることもある。
基本的に人間に害がなく、極めて温厚な性格をしている。
エキドナとそっくりで正反対の魔物が存在する。
見分けるポイントは顔。




