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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第128話 銀灰竜対野戦重装型

 


 肩上部と腰部左右それぞれに背部から突き出した4門のキャノンを斜角を付け銀灰竜へと向けた。


「オールロック確認。フルブラスト放射スタンバイ。カウント、3、2、1」


 その直後、全砲門から放たれた光りは合わさってライフルの何十倍もの太さを有していた。


『なっ!!』


 銀灰竜は回避を試みるも不可能に終わり、その光りは背後の雲までも払い除けて天へと伸びていく。

 やがてその光りが消え、空から黒くなったモノが落下した。


「強制冷却を開始します。再始動まで20、19…」


「やったのか?」

「わかんない」

「なにあの魔法は!?」

「あれは魔法なのか?俺にはよくわからん」


 終わったかと思ったのだが、落ちて砂に埋もれたソイツは這い上がり咆哮をあげた。


『甘く見すぎたようだ。だが、もう終わりだ!!』


 低空で此方に飛んでくる銀灰竜。


「二人共下がって!」

「無理だアイ!」


 アイは防御魔法を展開させて前に出る。

 しかし羊竜の防壁さえ一撃で破ったのに人間の魔力が敵うはずもない。


「1、リブートしました」

 先程まで動かなかったバルディエルが動きだし、再び攻撃体勢に入った。


『先に人間を潰す』


 と俺達に刃が飛んできた。


「アイ下がれ!」


 アイを引き戻そうとした時。


「シールド展開」


 俺達の前にバルディエルがシールドを構え、その刃を受け止めた。更には右舷の2門を射つと、続けて左舷の2門も放った。

 先程の威力はないようだが、それでもライフルより遥かに大きい出力を放った。

 回避しきれなかったが直撃だけは免れたようだ。


 シールドを構えながら銀灰竜に突っ込んで行き、俺達と距離を置くと激しい攻防戦を繰り広げる。

 キャノンを時差で撃ち、それをかわし刃を放ち、シールドで防ぎまた射つの繰り返しだったが、それを不利と見込んでか接近戦へと持ち込んできた。

 全身を使った攻撃にバルディエルは押され始めた。前に向けていた砲身を後ろへ回し、剣を取り出し応戦する。

 2倍程の体格差があるのに一歩も引かず互角以上に渡り合っていた。

 かなりの切り傷を付けたのだが、バルディエルは頭部を落とされてしまった。

 それでも尚攻撃を続けていたが、剣を振るった時に刃のような翼によって手首を切り落とされ、続く両翼の攻撃で装甲を抜かれてしまった。


「アイさん力を貸して。私に手を」


 頷くアイの手を握り、アーシェは目を閉じた。どうやら魔力を使ってアイから力を譲り受けようとしているようだ。


「そんなのも使えるのか」

「ええ、このまま繋いでて。今から喚び出すのは私一人じゃ耐えられないの」

「いいよ。どんどん使ってね」

「ありがとう。サキさん、合図したら機械兵を解除してね」

「ああ!バルディエル!もう一踏ん張り行けるな!」

「了解」


 バルディエルはシールドを使って応戦し始め、アーシェは口上を唱え始めた。


『天駆ける星の導きに全てを捧げます。地を這う者に神の鉄槌を!轟かせ、召喚獣、サテライトシャルウル』


 銀灰竜達の頭上に魔法陣が描かれた。


「サキさん!」


 俺はバルディエルを解除した。

 するとその魔法陣より遥か上空から1本の光りの線が地上の銀灰竜へと注いだ。

 次の瞬間、その線を辿るように空から巨大な光線が降り注ぎ、爆風で俺達は吹き飛ばされた。



「…無事のようだな」

「ええ、なんとか」

「あの威力はバルディエル以上だよ」

「アーティファクトサモンか」

「一人じゃ喚べない者だけどね」


 俺達は砂まみれになっていたが三人共無事だった。

 立ち上がり、交戦していた方を見た。

 そこには大穴が空いているのが分かった。

 俺達は近付き、その穴を覗き込む。


「かなり深いな。やはり古代の力は相当のもんだな」

「ウォルフラムも跡形もないでしょ」

「これ以上は無理よ。もう立ってるだけで精一杯だわ」

「だな、帰るか。おぶってこうか?」

「あら、なら宜しくね」

「冗談で言ったんだけどな」


 俺達は街へと戻ろうと歩き出した時。


『人間共よ。まだ終わってはないぞ』


 その声が響き渡った。










[サテライトシャルウル]

 アーティファクトサモンであり、古に打ち上げられた衛星兵器。

 全てを破壊する者の意味に恥じぬ破壊力を有している。

 1回の喚び出しで1度だけレーザーが放たれる。




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