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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第125話 対風竜

 


 ハミューダが召喚獣を詠んだ。

 すると魔法陣の光りに目を覚ます風竜。


「どこでもいい。射て!」


 マルクに指示を出し、雷を纏った矢が胴体へと突き刺さる。

 矢だけなら竜の鱗を貫くことは然う然う出来ないが、魔法を付与させることで貫くこともある。


 叫びをあげる風竜に次々と矢が襲い掛かるが、途中風魔法を用いて矢が届かなくなった。そこで召喚獣バルーチャの出番が来た。


「バルーチャをヤツの上空に回すんだ」

「はい!」

「当たるなよ」


 空を飛ぶバルーチャに注意を惹き付け、再び矢による攻撃を再開させる。

 ブレスがバルーチャに襲うが上手くかわしているようだ。

 すると、脅威は此方と判断して俺達に風魔法をぶつけてきた。


「皆下がって!」

「アイさん、援護します」


 アイが防御魔法を唱えて前に出て、更にニコラスによる防御魔法が加わった。

 風魔法をはね除け、続くブレスも防いだ。


「ヤツの後ろが空いてるぞ」


 俺はハミューダにそう言うと、ハッとした顔で自身の召喚獣に指示を出した。

 風竜の後方からバルーチャによる風の刃が襲い掛かった。

 ダメージは入るが致命傷は与えられない。


 バルーチャと矢の攻撃を交互に行うが中々倒せない。さすがは中級種といったところか。


「サキさん、僕の魔力がそろそろ限界です」

「私も維持が…」

「わかった。ニコラスとマルクは休んでてくれ、良くやった。ハミューダは解除、そして俺と行くぞ」

「「「はい!」 」」

「アイ援護を」

「りょーかい」


 俺とハミューダは前に走り出す。走りながら口上を唱えた。

 風竜は飛翔し、距離を取ろうとした。


「させるか!」


 喚び出したシュヴェーラの剣8本を舞わせ、風竜に突き立てた。


「ギャーーーッ!!」


 地面へと落下した所を。


「ハミューダ!斬り裂いてみせろ」

「はい! ハァーッ!!」


 俺はその剣に炎を付与させ、ハミューダは振り下ろした。

 切り落とすことは出来なかったが、それでも風竜の首元を裂くことは出来た。

 動かなくなった所を見て。


「終わったな」

「やった!倒したんだ!」「私達がドラゴンを倒せた!」「良かった!僕達にも出来たんだ」

「やったね!皆」

「はい、有難う御座いました!」

「良くやったぞ!これを報告すればCランクになれるだろう」

「C!?本当ですか!?」

「Cに上がるには下級種の竜討伐を数件成功させることだからな。今回は中級種を倒したんだ。上がるはずだ」

「「「やったー!」」」

「でも今回みたいに実力より上を相手するのは控えてね」

「全くだ。命あっての物種だ」


 冒険者の殆どは死と隣り合わせだが、実力を上げていけばそのリスクは減らせる。それでいてその力に傲ることがなければ死という言葉からは逃れられる。

 若い冒険者にはそれを知ってもらいたい。


 風竜討伐の証拠として髭を切り取り、残りは灰にする。その作業が一苦労するのだ。


 そうして町に戻った俺達はギルドへと向かった。

 討伐証拠を提示させ、報酬を受け取ったマルク達。


「お嬢さん、コイツ等は中級種の竜の討伐に成功させたんだ。Cランクに上げても問題ないよな?」

「そう…ですね。では手続きを行います。皆様、カードをお預かり致します」

「ついにCランクに」「これもサキさん、アイさんのお陰です」「聖魔剣士の名に恥じぬよう努力していきます!」

「そんな慕ってもらうような人間じゃない。これからも頑張れよ」

「じゃあまたね」

「はい!また何処かでお逢いしましょう!」「「有難う御座いました!」」


 と帰ろうとしたら受け付け嬢に呼び止められ、ギルドマスターの所へと連れていかれた。






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