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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第123話 新たな国

 


 数日歩いてようやく国境が見えてきた。

 ここまで来ると結構な人がいる。

 しかしそこでは此方側の国境警備隊の物々しい審査が行われていた。

 向こうの国に渡る冒険者や商人を一人一人取り調べ、抵抗するものは連れていかれていた。


「あれは俺達のことを探しているのか?」

「わかんない。でも前の所はあんなことしてなかったよね」

「揉めたくないんだけどな」

「どうする?」

「…変装するか?」

「バレるでしょ」

「だよな」

「もし」


 急に後ろから声を掛けられビックリしながら振り返る。


「は、はい?」

「銀翼のサキさんですね?噂は聞いてますよ」


 そこには商人らしき女がいた。


「噂?」

「はい。何やら王に歯向かったとかで」

「ああ、あれは誘いを断っただけなんですけどね」

「この国の王は強引ですからね。あ、これ内緒ですよ」

「それでなにか用ですか」

「国境を越えたいんですよね?あそこに私の荷車があるのでそこに隠れれば越えられると思います」

「それは俺達を連れていってくれると言うことですか?」

「はい。向こうの国まで送らせて下さい」

「なんでそんな危険を犯してまで私達の事を?」

「前に妹を救ってくれたお礼です」

「「妹?」」

「妹も商人をしているんです。ミルトに向かう途中、魔物に襲われているところを助けてもらったと聞きました」

「ああ、あの時の」

「なるほど。思い出した」

「そのお礼です。どうぞ!後は任せて下さい」


 俺達は荷車に隠れた。

 警備隊に荷車を覗かれたようだが中までは念入りに調べることはなかったが、商人の女性には根掘り葉掘り聞いていた。


 そして。


「どうぞ。もう大丈夫ですよ」

「ああ、ほんとに助かりました」

「ありがとうございます」

「いえいえ、ちょっとしたお礼ですよ」

「お姉さんは何処まで行くんですか?」

「この先の町です」

「それなら私達もご一緒してもいいですか?この人を護衛役で使って下さい」

「え?まぁ、良ければ護衛しますよ。俺達も1度町に行きたいので」

「はい!もちろん、宜しくお願いします!」

「任せて下さい。今度は私達がお礼する番です」


 こうして俺、アイ、商人でこの国の町を目指すことになった。


 二日後、町についた俺達は町の人々が騒がしく慌てているのに気付く。

 商人が町人に何があったか聞いた所、どうやら近くに魔物がいるとのことだった。それも竜種とのこと。

 国境の町とはいえ、高ランクの冒険者がいないようだ。

 商人が話をしていたら一人の弓使いの格好をした若い冒険者が近付いてきた。


「貴殿方はSランクのサキさんとAランクのアイさんですね!?」

「そうだけど」

「お願いがあります!どうか一緒にドラゴン討伐に来て頂きたいんですが!」

「それは構わんが」

「良かった!向こうにいるのは俺のパーティです。では早速行きましょう!」


 半ば無理矢理手を引かれて町の外へと連れて行かれた。


「お、お気をつけて!」


 商人が手を振って送り出してくれた。




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