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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第122話 国境へ

 


 良さげな岩影があったので、そこに腰を下ろすことにした。

 俺も結構持っていかれたようで、テントの準備をしようとしても座り込んでしまったら立つことも億劫になってしまった。

 やはりあの召喚獣のコストはかなりのモノだが、それ相応の力を振る舞ってくれる。


 少しね間ぼーっとしてると、道を外れた所から何かが向かってくるのに気がついた。


「勘弁してくれよ」


 ぼやいたが相手は魔物、聞くよしもない。

 辺りは暗くなってしまっているので、それは何かはわからない。ただその影は人間でないことは確かだ。

 その魔物は俺達の目前で止まった。


『無事か?』

「お前、レクスリザードか!?」

『そうだ。空にお主の契約せし者を見たのでな、駆けつけてきたんだ』

「そうだったのか、ありがたいがもう大丈夫だぞ」

『大分疲れているようだな』

「ああ、厄介な相手だったんでな。立つのもしんどい」

『それなら朝まで我が見張ろう。休んでいるといい』

「いいのか?」

『構わん。それしか出来んがな 』

「すまない。恩に着るよ」


 危機を察して駆けつけてくれたレクスリザードの好意に甘えて、俺も寝ることにした。

 マントにくるまればテントは必要ないだろうと思ったが、さすがにアイが可哀想なのでテントを張ることにした。



 翌朝目が覚め、テントの外へ出るとレクスリザードが胡座をかいて周囲を警戒してくれていた。


「おはよう。一晩すまなかったな。助かったよ」

『もういいのか?』

「相方が目覚めんが大丈夫だ」

『そうか、なら我は帰るとする』

「報酬代わりにこの肉を持ってってくれ」


 俺はアイテムボックスから肉を取り出す。


『良いのか?すまんな』

「ああ、気を付けてな」


 レクスリザードから別れてしばらくすると、アイが起きてきた。


「おはよー」

「おはよ、良く眠れたか?」

「うん。ありがとね」

「そうか、それなら良かった」

「やっぱりキツいね。それに耐えられるサキはスゴいわ」

「契約者じゃないから余計に取られるんだよ」

「そうだけどさ、ジル出してアクロポリス出してって私には無理だな」

「慣れだよ。朝飯作ったから食べときな」

「うん。何作ってくれたの?」

「ポトフ」

「やった!」


 アイが寝ている時にレクスリザードが来た話をしたらかなり驚いていた。俺も正直驚いたけど。

 食べ終わると片付けを始めて出発の準備を整えた。

 目指すは国境だ。


「歩けるか?」

「大丈夫だよ」

「なら行こう、国境まではこの道を歩くだけだが遠いぞ」

「まぁ、急ぐ旅でもないしゆっくり行こうよ」

「そうだな」


 師匠の仇である悪魔はこの国にいる。

 だがその前に人間とやり合わなきゃいけなくなることを考え、国境を渡る決断をした。



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