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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第119話 対鋼剛竜

 


 俺達は武器を構えてはいるが、鋼剛竜の鱗に通せる訳もない。ジャンヌを召喚維持していた為にスタミナも喚べるほどない。いや、時間が経っているので1度は喚べるがそれで倒せなければ俺も動けなくなるし、二人共終わる。

 だが殺らなければ殺られる。


 アイの炎魔法が鋼剛竜の顔に放たれた。開戦の合図、俺は前へと駆け出した。

 バスターソードを脚へと振り下ろすも、その硬質な鱗によって弾かれる。


『痒い所を掻いてくれるのか、ありがたい』

「傷すら付かんのか!」

『その程度では無理だな』


 振り下ろされた爪をカウンター魔法で弾き返して一閃入れるが、それでも斬り裂くことは出来なかった。


 アイの魔法が何度も放たれているものの魔力を消費するだけで効いてる様子はない。

 鋼剛竜の攻撃を回避しつつ、バスターソードを振るっているがどれも傷を付けることは叶わなかった。

 そして、ヤツは真下へとブレスを吐いた。それに転移魔法で対応する。


「大丈夫?」

「ああ、だがヤツの鱗が貫けねぇ」

「魔法も効いてないよ…」

「俺が時間を稼ぐ。その間に逃げろ」

「嫌に決まってるじゃん!」

「攻撃が通らない以上勝ち目はない」

『そろそろ終わりにしようぞ』


 来るっと思ったその時、鋼剛竜は俺達の後ろを見ていた。


『久しい客人だな』


 ヤツのその言葉で振り向くと空から一体の竜が此方へ向かってきていた。

 その竜は俺達を飛び越え、鋼剛竜の前へと立ちはだかった。


『久しいな』

『ああ』

『して何用か?』

『この子達に手出し無用だ』

『お主はこの人間共を知っているのか?』

『答える義理はない』


「翡翠竜…まさか!」

「え…ジェイダなの?ねぇ、そうなの!?」

『…』


 その翡翠竜は何も答えなかった。


『なんだ、人間もお主のこと知っとるようだな』

『…』

『まぁ良い。我の運動に付き合って貰うぞ』


 二体の竜はぶつかり合った。



「ねぇ」

「ああ。間違いない」

「やっぱり…じゃあ師匠は!?」

「わからん。ここにジェイダが来たということはもしかすると生きている」

「だよねだよね!でもなんで何も言わないんだろ」

「終わったら聞いてみるしかないな」


 俺達は二体の戦いを見届けるしかなかった。


 ぶつかり合う音はまるで金属同士をぶつけている音にしか聞こえない。

 爪が鱗を引っ掻き、牙が首へと立てられるも、二体の鱗を貫くことはなかった。


 だが、鋼剛竜が噛みつこうとすると、顎を掴み、口を拡げて上下に引っ張りだした。たまらずブレスを吐いて逃れようとしていたが、翡翠竜は手を離すことはなかった。


『グゥッ!翡翠め。これならどうだ』


 何かを察し、手を離して空へと舞うと、翡翠竜が居た所に巨大な槍が生えてきた。

 土魔法だろうが明らかに土ではなく金属だった。


『難を逃れたか』

『互いにな』


 鋼剛竜も空へと舞い、空中戦が始まった。









[翡翠竜]

 ネフリティスドラゴン。

 上級種に位置し、その鱗は強靭な強度を持つが、美しさに人々を魅了する。

 体格は4メーターと一般的。





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