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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第118話 北へ

 


 俺はエリュテイアに連れられ、街の外へと来ていた。

 すでにイグニスがこうなることを見越してアイも外へ連れ出してくれていた。


 アイ、イグニスに城で起こったことを詳しく説明した。二人共この国を出ることに了承してくれた。


「こんな国にいらんないもんね。でもギルドはどーなるんだろ?カード剥奪になるのかな?」

「そこは心配いらんじゃろ。王の噂は耳にしとるはずじゃし、本部は別の国にあるしの。」

「それならいいんだけどさぁ」

「最悪ギルドに所属しなくてもいいしな」

「それだとギルドが困るじゃろ。優秀なもんを失いたくなかろう」

「まぁそれは後で考えよう。んでお爺ちゃんはどーするの?」

「儂はここを離れるぞ。悪魔もおらんしようはない。そうじゃのぉ、次は海にでも行ってみるわ」

「そうですか、今まで有難う御座いました。エリュもありがとな」

「最後に銀と黒に挨拶くらいしときたかったんだけどな。まぁしゃーねぇ、また会った時にな」

「ああ、またな」

「気を付けるんじゃぞ」

「イグニスも」「お爺ちゃん無理しないでね」

「ホッホッホッ!そこまで年寄扱いするでない。ではな」

「お元気で」



 俺達はイグニスとエリュテイアと別れ、北を目指すことにした。

 この国と北側の国は冷戦状態は続いているものの、ドルンとは違う。

 それに冒険者じゃ国境なんて関係ないのでさっさとこの国を出るには一番近い北にしたのだ。



「お爺ちゃん大丈夫かな?」

「エリュが城で暴れたからなぁ。大丈夫とは言い難いが、イグニスなら問題ないだろ」

「そうだね、実際気にしてない感じだったもんね」

「ああ、それに奴等が束になってもエリュに勝てんだろ」


 赤竜を持つイグニスの存在は有名なはずなので、すぐに割れると思うが本人が気にしてない様子だったので一先ずは問題ないだろう。

 王宮も竜を出すほど本気になるとは思えない。


 だがその予想は裏切られた。

 俺達に向かう巨大な影が迫っているのを発見した。


「おいおいおい、あれって王都の竜だろ!?」

「そうなの?」

「数人がかりで喚び寄せる王宮の切り札だ」

「あっ、聞いたことある。難攻不落の城凱って呼ばれてた」

「来たぞ!これが鋼剛竜…」


 目の前に降りてきたのは、赤く輝く宝石のような鱗を持ち、ジルコート達より一回りデカい竜、ウルツァイトドラゴンだった。

 その鋼剛竜は話しかけてきた。


『お前達か。城内で暴れたと聞いたが』

「確かに暴れたが、元々は王の強要のせいだ」

『あの愚か者はどんな人間かは我も知っている。だが喚ばれたからには役目を果たさねばならない。お前達の死か拘束か』

「どちらも断る」

『我も久々の外で暴れたい。付き合うが良い』

「我が儘な竜だな」


 俺はバスターソードを構え、アイは盾と剣をアイテムボックスから出して構えた。








[鋼剛竜]

 ウルツァイトドラゴン。

 上級種とされているが不明。ドラゴンの中で最も硬い鱗を有している。

 王家の使いの召喚獣で喚ぶには数人の召喚士が必要らしい。



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