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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第117話 脱出

 


「シルトウォリアー2、タルワール3、ソーサラー1だ」

「ワラワラとしつこい!」

「そっちは任せても?」

「御意!」


 俺は後ろの男と対峙した。

 先程王の横に居たこの老人、かなりのやり手と見た。

 その老人は武器をもたずに突っ込んでくる。


「ファイターか」

「如何にも」


 片手剣を振るうと拳に付けたアイアンナックルで受け止め、すかさず脇腹に打ち込んできたが逆手にも出した片手剣で拳を受け流す。

 だが次の瞬間、ヤツの回し蹴りが腹部に入ってしまう。強烈な一撃だが打撃に変わりはない。

 両手の片手剣を拵えに換え、逆刃で腕を交差して斬り払い、後方へとよろけた男に踏み込んだ横払いで逆刃を胴体に叩き入れた。

 立ち上がる様子はない。


 ジャンヌの方を見ると兵達は既に戦闘不能と化し、残るはシルトウォリアーとそれに守られるソーサラーの一体づつだった。

 シルトウォリアーの巨大な盾がジャンヌを押し潰そうと降り下ろして来たところ、2本の剣で盾を4分割にし、その勢いで鎧もろともシルトウォリアーを斬り裂いた。

 ソーサラーは魔法を放とうとしていたが、転移を使った俺により首と胴体を別けられた。


「マスター!手はいらないと言ったはずです!約束も破ったマスターには私の言うことを聞いてもらう権利があります。これはマスターは「うるさい、早く行くぞ」

「ちっ」

「舌打ちしたな?」

「そんな事実御座いません!」

「お前の維持でかなり持っていかれてるんだ。早く城を出るぞ」

「御意!」


 俺達は城を出ようとするも兵の数が尋常じゃない。

 だがジャンヌにかかれば他愛もないのだが、確実に足止めにはなっている。

 長引けば不利なことには変わりない。

 っと、前方から炎が上がった。

 叫ぶ兵士達に何者かが襲いかかっているらしい。クーデターかと思っていたが、炎で兵士を次々に払い除けて姿を現したのは一人の綺麗な女性だった。


 ジャンヌが身構え、斬りかかろうとした時。


「おせーんだよアンタ等。さっさとしろよ!爺さんが待ってんぞ」


 可憐な姿に似つかわしくない言葉使い。


「まさかエリュか?」

「あ?じゃなけりゃあ誰だって言うんだ」

「マスター!こんな綺麗な人と知り合いだったんですね!」

「うるせー女だな。此処から出てくか」

「それにその言葉使いは如何なものかと思いますが!?」

「エリュ、気にせず行こう」


 すると廊下の壁を手から出した炎を纏った岩でぶち抜いた。


「ブレスだと思ってたが魔法だったんだな」

「アンタなぁ、俺の腹ん中に岩入ってるわけねーだろ。んなことより行くぞ、乗れ」


 人型を解いて竜の姿へと戻ったエリュテイアの背に乗り、俺達は城を脱出した。



「なんでエリュが来たんだ?」

「爺さんに頼まれたんだよ。これで俺達もこの国には居れねーがな」

「そうだったのか、すまんな。もう傷はいいのか?」

「ああ、すっかり元通りだぜ」

「貴女!さっきからマスターと何いちゃいちゃしてるんでしか!」

「アンタ、ほんとめんどくせー女だな」

「なにを「ジャンヌ、ありがとな。お前のお陰で助かったよ。また喚ばせてもらうからな」

「お役に立てて光栄です!それはそうと先程の約束…


 そして光りと共に消えていったジャンヌ。

 慕ってくれるのは嬉しいが度が過ぎるのも厄介だと気付かせてくれる召喚獣だ。








[シルトウォリアー]

 防御特化の召喚獣。普通の人間より一回りデカく、ライオットシールドと全身鎧で堅めている。

 腰には片手剣を装備しているが殆ど使わない。



[ソーサラー]

 魔法特化の召喚獣。黒いローブに顔を覆ったマフラーにとんがり帽子。

 手にした杖は魔力増幅の効果があるらしい。

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