表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
119/308

第116話 王宮へ

 


 悪魔退治から帰ってきた翌朝、俺達が泊まる宿の扉が叩かれた。


「サキ・ゼロニスはいるか?」

「俺がそうですが、何か?」


 扉を開けるとそこには王直属の近衛兵達が立っていた。


「サキ・ゼロニス及びアイ・ミズサキ、両二名を連れてくるようにと王直々の命令だ。速やかに支度するように」

「これから?」

「ああ、そうだ。我々は外で待機している。整い次第知らせろ」


「王だってよ」

「どうするの?」

「会ってみるのもいいな。ただしアイはここに残れ」

「二人共って言ってたじゃん」

「考えがある」



 俺達は馬車に揺られて城へと向かうことになった。


「俺は王族の作法など知りませんよ」

「構うことはない。程度の常識があれば問題ない」

「それなら多少は」

「所で先程から女の方は黙ってるが大丈夫なのか?」

「酔ってるだけですね。馬車の揺れに弱いんで」

「そうか。王の前ではシャンとしてくれ」


 隣のヤツにはフードを被せ、黙っているように伝えてある。


 城へ着いた俺達は謁見の間へと通される。

 左右には6名づつ兵を配置し、正面には椅子に座る偉そうな人物、その横に立っている男がいた。

 俺達は片膝を突きダラダラと王の話を聞いていた。

 直訳するとこれまでの行いを褒めていると取って良いのだろう。だが突如バカな申し出がきた。


「と言う訳でそなた等を余の直属である部隊に入るよう命ずる」

「ちょっとお待ちを」

「なんだ?」

「俺達は冒険者で人間の脅威となる者を狩ってきました。それはこれからも変わりません。部隊に入れと言うのは魔物は勿論、人間相手もあるんですよね?」

「無論だ、人間こそ最大の敵だ。この国と隣国で戦争しているのは知っておるな?いつ奴等が攻めてきてもおかしくないのだ。ならばどうする?やられる前にやる!そうであろう?貴様達には部隊の指揮を取ってもらう。此処が戦場にならん限り前線へ出ることはないから安心せい」

「いえ、お断りします」

「貴様、何か勘違いしてないか?これは頼みではなく命令だぞ。余自らその命令を下しているのだ。従う以外何があろう」

「そもそも俺達はこの国の者じゃないんですがね」

「そんなことは些細な問題だ。すぐにこの国の住民に登録する。これは決定事項なのだぞ」

「お断りさせて頂きます。帰るぞ」

「帰す訳なかろう。捕らえて牢にでも入れておけ!たっぷり反省させるのだ」



 こうなっては仕方がない。

 逃げるが勝ちだが、扉が開き次々と兵が押し寄せる。

 数が多いが此方には切り札がある。


「もう我慢しなくていいぞ」

「マスターァ!私堪えました!堪えましたぞ!もういいんですね!あの豚を斬り伏せても構わないんですね!」

「構うわ!前の奴等だけでいい」

「私の気がおさ「退かせ。ただし殺すなよ」

「御意」


 俺が連れてきたのはアイではなく、召喚獣のジャンヌ。

 今まで良く我慢したなと思えるほど意外と優秀だった。

 そして戦闘に関しちゃ人間に遅れを取ることはない。楽に脱出出来るというもの。


 ジャンヌは鬱憤を晴らすが如く暴れまわっていた。殺すなという命令は一応は守られているようだが。


「あれはアイ・ミズサキではないぞ!召喚士を呼べ!」

「なんだ?何が起きているんだ!?」

「危ないのでお下がりを。こちらへ」


「ジャンヌ、俺の手はいるか?」

「いります!後で手を握らせてください!あ、嘘です嘘!いりません。見ていて下さい」


 無双状態のジャンヌだが、ここにも召喚士がいるようだ。

 兵の後ろから、複数の召喚獣が現れた。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ