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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第115話 たまには…

 


「よぉ!イグニスの爺さんに聞いてな。北に向かったってだけで追いかけてきたんだがよ、お前さんのデケー召喚獣が空から降ってきたのが見えて見当が付いたぜ」

「助かったよ。俺はもう動けなかったしな」

「それでこの魔物はなんだ?」

「まぁ色々あってな。仲間には変わりない」

「そうか。んで悪魔は中級以上いないのか?」

「あの群れん中に紛れてなかったか?」

「いや、オーディンの話だと居なかったらしい」

『人間よ。上位種は逃げ仰せたみたいだぞ』

「逃げたのか」

『ああ。あれを置いてな』


 トロールが顔を向けた方を見ると、悪魔だった水溜まりが一ヶ所に固まって、悪魔を模した水の魔物が出来上がった。


「サキとアイは下がってな。俺がやる!」

『いや、我がやろう』


 ダールの前にレクスリザードが出た。

 水の魔物に駆け寄り、戦斧を横払いした。上半身は崩れ落ちて水溜まりに戻り、下半身は膝を突き炎魔法により蒸発させられた。


『我にも見せ場が欲しくてな』

「見せ場なんてないほうがいいぞ」

『人間のお陰で楽が出来た』

『森に代わって例を言う。人間達よ、また立ち寄ってくれ。その時はもてなすぞ』

「その時は是非」

「いたずらはほどほどにね」

『我はいたずらなぞせんぞ。他の森ではやっとるが』

「フッ、これで静かに暮らせるだろう」

「ダールおじさん帰り宜しくね。レクスリザードはどうする?」

「ああ、まか『我はここに残るとする』

「…」

「そっか。じゃあ行こうか。ほら行くよ」

「ああ」

「ダール、頼んだぞ」


 トロールの話だと気配を感じなくなったと言うことで一先ずは森も安全になっただろう。

 俺達はトロール、レクスリザードと別れ王都に向かった。


 ダールの召喚獣スレイプニルが引っ張る馬車は速く、その日の閉門前に街に入ることが出来たのだ。


「ダール様々だな」

「ほんと、ありがとねスレイプニル」

「しかし、悪魔を取り逃がしたことで振り出しだな」

「すまなかった。俺のミスだ。もっと注意しとけば」

「何を言うか。サキは良くやったよ!」

「そうだよ。今はジルがいないんだから無理しないの」

「ん?なんだ?シルバードラゴンがどうしたんだ?」

「ああ、前回の戦いで沈黙してる。アイの黒竜もな」

「そうだったのか。それでよく挑んだな」

「成り行きでああなってしまったんだ。目的は偵察だけだったんだがな。しかもバルディエルも失った」

「しばらく私達から手を出すのは厳しいね」

「なら王都でゆっくりしてな。ここは色々あるぞ」

 アイを見るとそうしたいと顔に出ていた。

「そうだな。たまにはゆっくりしよう」


 最近は戦いっぱなしだったのでしばらくはゆっくりしようと考えた。


 しかしそう予定通りには運ばなかった。

 翌朝俺とアイを探しにきた近衛兵達に城へと連れて行かれることになった。

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