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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第112話 対リザードs

 


「アイ!耐えてくれよ!」

「早くしてね!」


 両手に出した片手剣をレクスリザードに投げつけるも、その戦斧で防がれ横から薙ぎ払いに来た。リーチが長いが此方をかすめるのにさえ至らなかった。

 だが、払った反動で回転しながら前へと出てくる。拵えを出すとその回転をくぐり抜け、脚を斬り裂いたが、硬い鱗に阻まれ切り傷を付ける程度だった。


 レクスリザードは回転を止めると、戦斧を突きだしてくた。それを受け止めるが、腕を引いてまた突きだそうとする。ならばと俺はカウンター魔法を発動した。

 突きだした戦斧を拵えで弾きもう片方の手にしたクレイモアを振るい上げ、ヤツの顔をかすめとる。

 怯んだ所に拵えで鎧の隙間へと刃を立てた。奥まで入る感覚を感じ、クレイモアも反対側へと突き刺した。魔法を放ってきたが、剣を引き抜くことはせずその状態で俺は転移しアイの元へと飛んだ。


「大丈夫か?」

「ギリギリ!」


 転移と同時に一体を斬り裂いた。

 アイの魔法によって、一体は既に倒れていた。


「後四体!二体づつね」

「りょーかいだ」


 バスターソードを振るい、ナイトリザード二体を別々の方向へと吹き飛ばす。

 一体は鎧ごと砕かれ起き上がれずにいた。

 もう一体に駆け寄り、バスターソードを降り下ろした。


 アイはナイトリザード二体の剣を盾で受け止め、盾の石に溜めていた魔力を放ち二体を燃やして叫び声を上げている一体の首を斬り落とした。

 俺は残った一体に長剣を投げつけると背中に突き刺さりその場に倒れた。


「終わったな」

「二体づつって言ったじゃん」

「楽出来たろ」

「全くなぁ」


 6体は倒れて動かなくなっていたが、レクスリザードだけ膝を突き此方を睨んでいる。


「その剣を抜けばお前は死ぬ。エサと思って襲いかかってきたのが間違いだったな」

『人間の肉など好かん…』

「念話持ちか。ならなぜ襲った?武器も揃っていただろ」

『食い物がなくなってきている』

「王都…人間の街が近いからな。この辺は魔物が少ない」

『違う。アレが来るまで豊富にあった。我ら一族は十分だった』

「アレって悪魔か?」

『知らん…』

「…もう人間を襲わぬ約束をすれば生かす。どうする?」

『…』

「そうか」


 俺は刺さった剣を消そうとした時、別の声が聞こえた。


『待て』

「サキ!」


 アイが背を向け、盾を構えている。その方向に一体の魔物が立っていた。


「トロール!」

『リザードの王は俺が連れていく』

『森の主が何用だ?』

『お前の力を借りたい。人間よ。回復させてはもらえんか』

「それは構わんが、森の主と呼ばれるトロールが何故こんなところにいる?」

『俺の森は奪われた。人間が言う悪魔とやらに』

「悪魔か。なら俺も案内してくれ」


 そしてアイに回復を任せ、剣を消した。

 即座に俺も回復魔法を放ち、二人で傷を癒す。


『森の主よ。力を貸そう』

『リザードの王よ、感謝しよう。人間達も感謝する』

『人間よ、済まなかった』

「良いさ。それより森なんて何処にあるんだ?」

『この先だ』


 トロール、リザード、俺達とで結成された変なパーティで森を目指す。











[トロール]

 森人と呼ばれる魔物。見た目は恐ろしいが、温厚な性格で気に入った者と念話をする。

 争いを好まないが森を通った人間や他の魔物達にイタズラはするらしい。


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