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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第109話 悪魔対悪魔

 


 悪魔特有の転移魔法陣が浮かび上がった。


『何度も何度も邪魔をしてくれる!我の可愛い僕達を次々と!』

「お前は!あの時の悪魔か!」


 目の前に現れた悪魔は以前、巨岩竜を呼び出した悪魔だった。


『もう少し。もう少しなのだ!貴様等も糧にしてくれる!さぁ来い。メガロックドラゴン!』


 その時対峙した巨岩竜を喚び出した。


「メガロックドラゴン…復活したのね」

「そのようだな」

「アヤツは何体と契約しておるのだ!?」


『まだだ!来い、ラースドラゴン!』


 もう一体、炎を纏わせて岩しょうを身体から垂れ流している竜を喚んだ。


「何あれ!?」

「憤怒竜、地獄の竜だ」

「あんた等連戦でアノ相手なんて出来るのかよ!?」

「問題ない。一撃で終わらせる」


 その言葉でアイとイグニスが前へと出て、不安そうに冒険者もそれに続いた。

 俺が召喚口上を唱えると周りを舞っていたシュヴェーラが空へと吸い込まれていった。


『解き放て!ティリンス・アクロポリス!』


 シュヴェーラが消えた空から魔法陣が浮かび上がり、巨大な大剣が二体の竜に降り注いだ。

 珍しく2本の剣を持ったアクロポリスが地上へと降り立ち、両腕を交差させると斬り払い二体の竜は粒子へと変わっていった。


「ありがとな」

『…』


 アクロポリスも無数の大剣を空に上げると自身も空へと還っていく。


『あーーっ!!!本当に忌々しい!!我の!ケテル王の願望を!!』

「何が王だよ。堕ちたお前等に先はないだろうよ」

『なんだと!?赤竜如きが何を知る!』

「何も知りたかねーな。どうせ下らねーことなんだろ」

『下らないとは何事だ!我等を裏切った報い、ここで晴らす!』


 エリュテイアはほとんど力が残されていない。それに俺もアイも召喚出来ない。

 俺は銃を構え、アイとイグニスは魔法を放とうとしたその時、空から大きな槍が悪魔を貫いた。


『…なんだ?』

『愚弟が。ケテル王は何も望んではいない。それを解らぬからこの地へ喚ばれたというのに』


 空から翼を拡げた悪魔が地面に脚を着けた。


「悪魔が悪魔を?」

『人間の皆様。はじめまして、私はメタトロンと申す者。そしてこの愚か者は私の姉弟、サンダルフォン。何も理解出来ない哀れな弟。』

「どういうことだ?仲間邪魔ないのか?」


 俺の問いに答えず、サンダルフォンとかいう悪魔に話しかけた。


『もういいでしょう。貴方のこと、嫌いだった』

『姉上…裏切ったのか…』

『裏切った?貴方は見捨てられたの。新体制に古い考えの貴方達はいらない』

『そん『もういい』


 その悪魔はサンダルフォンを貫通し地面に刺さった槍を引き抜いた。

 サンダルフォンはそのまま水溜まりに姿を変えた。







[憤怒竜]

 ラースドラゴン。

 中級種で地上には存在しない。

 全身に炎を纏い、岩しょうが至る所から垂れて、地面を焦がす。

 翼はなく、2足歩行の恐竜のような見た目をしている。

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