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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第106話 対悪魔の騎士長

 


 アイが先手で雷の矢を射った。

 それを回避して一気に距離を詰め、槍を突き立てるも纏わせていた俺の盾を進行方向に放った。

 弾かれるはずだった槍は盾を貫いてそのまま押し通った。俺を突こうとした槍を片手剣で反らし、逆手の長剣を振り上げるが、後方に下がられ回避される。

 俺が槍の尖端を反らした際に刺さっていた盾に当たり2つに割れてしまった。


 距離を置かれはしたが、此方には槍より長い遠距離攻撃がある。ヤツの周りに舞った剣を四方から放ち、完全に刺さったと思われたが、槍を回転させ全てを弾いて見せたのだ。

 それでも弾かれた剣をコントロールし再び突き立てようとするも、それすら叩き落とされる。

 その際、アイによる魔法攻撃を行ったが受け流され、追撃の魔法は槍によって阻まれた。

 ヤツは四方からの剣と魔法を全てかわし切ってその場から飛び上がり、槍をふりかざしてきた。それを両剣で受け止めるも、そこを軸にして俺の後方へと飛んでみせた。

 俺が振り返るよりも速く、横から槍が迫ってくるが盾を構えたアイが防いでくれた。そしてヤツの上から剣を放つも、尽く避けられてしまう。


「あの槍厄介だな」

「リーチが長いのよね」


 地面に突き刺さった剣を横目にエリゴスが走り寄る。その長さを生かした突きを俺に放ってきた。


「アゲート!」


 俺はその突きを転移魔法陣で回避し、その背後へと、飛んだ。

 少し上に飛ぶことにより、兜と鎧の隙間に手にした片手剣をねじ込むことが可能となる。


「終わりだ!」


 その剣でエリゴスの首筋を貫いた。


 だが、俺は裏拳を食らい飛ばされた。

 ヤツの首には剣は刺さったまま。まだ生きている。


 すると俺の背後から光りが上がり、振り返ると1本の剣を持った整った顔つきの男が立っていた。


「サキ!」


 その言葉に振り返える。


「クゥッ!」


 エリゴスの槍が肩を貫いた。

 その槍を掴んでアイに合図を送る。


「今だ!やっちまえ!」

「いい加減に!」


 アイは剣を手放し、エリゴスの背中に手を当てると炎魔法を0距離で放ったのだ。

 鎧の内側から燃え広がり、周囲には肉の焼ける匂いと髪の毛が焼ける臭いが満ちていく。


 勝ったと思ったのも束の間、俺は後ろの男の存在を忘れていた。

 刺さった槍を抜き慌てて振り返ると、男はすでに目前にいた。

 ダメだ間に合わない。そう思考が判断する前に横から剣が回転しながら飛んできて、男の前をかすめていった。

 足を止めた男に、アイによる魔法が襲いかかった。

 その隙に後方へと跳ねた。


 剣を投げたのは先程の冒険者だった。


「おい!その男、人間じゃねーぞ!」


 そう叫んだ冒険者に、魔法を食らっても平然と立っていた男が歩み寄って行く。

 それを止めようと、シュヴェーラを舞わせて男に放った。

 しかし投げた6本全てを一振りで薙ぎ払われてしまう。

 再び放ったアイの魔法も効いていない。冒険者との距離が縮まり、俺達も走りだした。間に合うか、そう思った時だった。


 空から降り注ぐ燃えた岩が男を直撃した。


「お前はこんな所で何やってんだ!!おっ!アンタ等無事だったんだな」


 爽快な声と共に赤竜のエリュテイアが空から舞い降りた。


「エリュテイア!ここでなにしてんだ?」

「おいおい、それは俺の台詞だぜ。もう向こうの用事は済んだのか?」

「ああ、それよりあの男を知っている感じだったな」

「そりゃーそうさ。アイツ竜だぜ。」


 そうエリュテイアは語った。


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