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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第105話 対破壊者

 


 仲間の死者に斬られそうになった男の襟首を引っ張り後ろへ投げた。話してても埒の明かない人種だと判断した。


「なにを!?」

「いいから下がってろよ」

「仲間が殺さたんだぞ!黙って見てろと言うのか!?」

「アンタもその仲間みたくなるよ。アバドンは破壊者と言われてんだから」

「そんなことは知っている!俺も目の前で味わったからな!」

「アイ、もういい。やるぞ」

「りょーかい」

「お、おい!」


 俺達が構えると死者が糸の切れた操り人形のように崩れ落ちていく。

 どうやら遊びは終わったようだ。背負った大剣を抜き、走り出した。


「は、速い!」


 馬の身体は速く、守りを少しでも遅れていたら斬られていた。

 それに重い。両剣で一太刀を防いだだけなのにじんじんと手に痺れが広がる。


 スレ違い様に斬ろうとする戦法をまた繰り出そうとしている。だがヤツは真っ直ぐ向かってくるだけだ。

 戻ってくるアバドンにアイが魔法を放ったが大剣で防がれる。狙いは魔法じゃなくて俺の投げた片手剣だ。それを半身の馬部分に当てるとよろめいた。

 それを逃さず追い討ちに出る。すると、背中に痛みが走った。


「な、なんだ?」

「サキ!こんのぉ!」


 アイが冒険者を斬り裂いた。

 どうやら死んだ冒険者を操り、俺を斬らせたようだ。


「すまん、油断した」

「大丈夫なの!?」

「ああ、浅い」


 浅いとは言っても骨に届いてないだけだ。背中がじんじんする。


「アイ、一気に決めるぞ。ガードは任せた」

「りょーかい!」


 口上を唱え、シュヴェーラを纏わせた。

 迫りくるアバドンの大剣をアイが盾を使い、軌道を反らした。

 一瞬ヤツの身体が横へと向かされる。その一瞬を狙い、8本全ての剣を放った。

 半数は突き刺さった。

 叫び転げそうになるアバドンに長剣を呼び戻し横腹を斬り開く。

 正面に飛び上がったアイが、首に一突きすると、粒子になっていった。


 終わったかとおもったのだが、その光りとは別の光りが上る。

 新たな召喚獣を出したようだ。


 俺は自分に回復魔法を2回掛け、背中の痛みを消した。


 その魔法陣から出てきたのは、黒いマントを翻し長い槍を持っている鎧姿の者であった。


「ナイトメア?」

「違うぞ。あれはエリゴスだ。」

「悪魔の騎士…」



 2ラウンド目が開始される。










[エリゴス]

 悪魔の騎士長。身の丈以上の長い槍を自在に操る。

 人間と変わらない身長で、全身鎧姿。

 中身は旧時代の悪魔そのものだという。


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