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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第104話 操人

 


 帰ってきた俺達は町長の所へ行き、今回の事を説明した。

 それを聞いた町長は大いに喜んで感謝してくれた。むず痒くなる。


 そしてギアスの屋敷に向かった。


「あぁ、坊っちゃん!ご無事でなりよりです。サキ様、アイ様、お礼を申し上げます」

「婆や、心配かけたね。もう大丈夫だよ。師匠達のお陰で驚異は去ったよ」

「重ね重ね有難う御座います。今日はゆっくりしていって下さい」

「すみません。お言葉に甘えさせてもらいます」


 その日はギアスの屋敷でお世話になった。

 屋敷にいる間、旅の事や今までのギアスの 話で盛り上がった。


「もう少しゆっくりしてって下さいよ」

「すまんな。王都で待たせてる人がいるんだ」

「そうでしたか。もし自分に何か出来ることがあれば言ってください!僕で良ければ力になります」

「おっ、言うようになったねぇ。その時はお願いね」

「全くだ。そうだな、頼むぞ」

「はい!」

「じゃあ、また呼んでくれ」「バイバイ」

「はい、どうかご無事で」


 町長の計らいで馬車を用意して貰い、王都へ向けて出発した。


「やっぱ揺れるねぇ」

「テイマーのとこと比べてんな?」

「あの旅は快適だったね」

「今も歩かない分、十分に快適だぞ」

「そうだけどさぁ」


 文句を垂れ流しているが馬車が揺れるのは仕方ない。


 町を出て3日が経つと王都まではもうすぐだ。

 その道のりで前から走ってくる連中に出会した。


「助けてくれ!」「悪魔だ!」「悪魔め!とんでもないもん喚びやがった!」

「それはどこだ!?」

「この先の丘だ!まだ冒険者達が戦ってる!」


 そこへ馬車を急がせた。


「なんだあれは…」

「嘘!なにやってんの!?」


 俺達が見たのは、冒険者同士が斬り合っているのを見ている馬の胴体に悪魔の身体が生えた魔物だった。


 その魔物は笑っているように見える。

 そして俺達の方へ指を指すと、倒れていた人間が起き上がり、こちらに走ってきた。

 馬車を降りて、その男に話を聞こうとした時、剣を振りかざしてきた。

 慌てて片手剣を出し、受け止める。

 男の顔を見ると、白目を剥いて半口を開けている。身体中は傷付き、明らかに生きているとは言い難い状態だ。

 しかし、この男は襲いかかってくる。


「一体なんなんだ!」


 男は何も答えない。代わりにアイが答える。


「この人、死んでる…よね?」


 刃をかわし、蹴り飛ばす。


「だよな。アンデッドになったってことか?」


 再び剣を向けてきたので、両腕を斬り落とした。

 叫ぶことをせず、ただ失った腕を見ているだけだった。

 その男をほっといて、魔物の方へと移動する。


 すると争っていた片方が叫んだ。


「来るな!殺されたら操られるぞ!」

「どーいう意味だ?」


 男は相手の胴体に剣を立て、引き下がる。


「そこの魔物の仕業だ!ここに倒れているのもコイツも俺の仲間だ。いや、仲間だった死体だ」

「思い出した!その魔物、アバドンだよ!」

「ソイツがアバドンか。確かに話に聞く通りだな」

「そこの人下がって!後は私達がやるから」

「なんだと?アンタ等はなんなんだ?」

「冒険者だ」


 もう片手に拵えを取り出し、アバドンと対峙する。








[アバドン]

 破壊者と呼ばれる。馬にサソリの尻尾と悪魔をくっ付けた姿をしている。

 大きい人間と同じ程のサイズだが、破壊者の異名通り、その力は絶大である。

 死者を操ることも可能としている。




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