第98話 海へ
「お兄さん、お姉ちゃん、ありがとう」「おじさん、おねえちゃん、ありがとう」
「…どぉいたしまして」
「うん!今度は遠くまで行っちゃダメだよ」
「お三方、ご迷惑お掛けしました。自分はこの子達を送ってきます」
「ばいばーい」
「おぉ、頼みましたよ。ちゃんと言うこと聞けよ」
俺達は門兵コールマンと兄弟の三人と別れ大空へ飛び立った。
「眠いな」
「オールだもんね」
「あっどうぞ寝ててください。昼休みに起こしますんで」
「あーそういえばテイマーさんは寝てたな」
「気付いたら堕ちてましたよ」
それならとお言葉に甘えさせて貰い寝ることにしよう。
移動しながら寝れるなんて最高の時間の有効活用だ。
馬車も寝れないこともないのだが、なんといっても道が悪いところは悲惨で、寝るどころの話ではない。
それを踏まえるとこの旅は快適そのものである。
寒さもカゴの中で寝転んでマントを被っていればさほど気にならない。
竜の食糧も少なくなってきているので旅立った時よりスペースも取れる。
「お兄さん方、昼休みにしましょう」
「ん、ああ。ありがとうございます」
そして昼に起こしてもらって昼食をし、再び移動を開始する。
そして2日後の昼前、港町が見えてきた。
「おお、海だ」
「久々の海だね 」
「やっぱ海は気分が上がるな」
「そーだね!入れるといいなぁ」
海を見てテンションが上がった俺達。
だが近付くにつれて、異変に気付くことになる。




