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Demon Eater   作者: 黒煉
1・生誕
7/10

エピローグ2/2・「悲しい英雄」

 『う~ん。 参ったなぁ』


ソレ(・・)は空から地を見下ろしていた。

しかしそれは鳥ではない。あるいは、生物ですらないだろう。


『人に危害を加えないようにするってだけで、こんなにも行動が制限されるなんて。 面倒』


そう愚痴ってしまうのも無理はないだろう。

”災厄”がありとあらゆるものに有効な力であり、”虚無”・カルマの力が対悪魔に特化したものであるとするなら、ソレ、”混沌(ケイオス)”の力は知性ある存在に対し特化した能力、つまりは人に対し最も猛威を振るう力なのだ。


故に”災厄”に釘を刺されている以上、その力を解き放ち、楽をするということができないでいた。


 『むう、仕方ない‥‥‥‥」


声音が変わったのはその姿が変貌したからだ。


巨大な黒雲と見まごうような異形の姿から、夢の世界で”災厄”と出会った時の幼女姿へと変わり、身の毛よだつようなおぞましい声から可愛らしい声へと変わる。



 「‥‥‥‥うん?」



ふと、なじみ深い感覚を感じ、”混沌”はとある方向へとその紫水の瞳を向けた。


なじみ深い感覚‥‥‥‥それは自分も使い慣れた、”必悪”の異能が解き放たれたときの、何とも言えない感覚だ。

魔法でもない”必悪”の異能は、同じ”必悪”に共鳴にも似た感覚を抱かせる。

故に、”混沌”はもちろん、”災厄”、そしてもう一人‥‥‥‥今はやりすぎて、人間たちに封じられた”暴虐(カタストロフ)”も仲間を間違えることはない。



 「でも随分脆弱な‥‥‥‥ 新入りだから、仕方ないのかな?」



自分らとは少し違うことに疑問を覚えながらも、”混沌”はその感覚を頼りに移動を開始するのだった。





========



 我らは”間引き手”


 例え憎まれ恨まれようと この手は摘み取る為にある


 我らは”悪”


 例え忌み嫌われようと 己が役目を果たすもの


 

 例え全てが敵になろうと 大義の為に道を進め 

 

 骸の並んだ果てなき道を



 ”必悪” 悲しき英雄よ



=========



これは、歌。

”必悪”達を憐れみ、そして憂う、誰かが作った悲しい歌。




「悲しい英雄の歌」。




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