なんだこれ!
短めです。
今朝はやけに目覚めのいい朝だった。
どこかの物語のように小鳥のさえずりで目が覚め、心なしか体も軽く感じている。
やはり今日が出発だということで、心が舞い踊っているのかもしれない。
俺はいつものようにラジオ体操を行い、桶に入った冷水で顔を洗う。
そして鏡を見て髭を剃ろうとしたがある違和感に気が付いた。
俺の顔こんな顔だっけ?
いつもなら少し小じわが目立つ覇気の無いダメなおっさんのような顔で実年齢より年上に見える顔だったのに、今日はなぜだろう。自分の顔が若かりし頃の自分20代前半の顔のように見えるのは気のせいだろうか?
さすがに少し自分が寝ぼけているのだろう。そう思った俺は自分の頬を思いっきり強く頬をたたいた。
「いっで!これ夢じゃないのかよ!!」
どうやら俺は20代前半まで若返ったようだった。
なぜだ?なんでこうなった?
あの頃の様に俺の顔は生き生きとしていた。こうも顔が違うとこれはもうまるで別人だ。
俺はなんでこんな変化が起こったのか考える。昨日はただ寝る前に自分が若返ればいいな。と思っただけだ。
まさか願い事を叶える妖精はたまた精霊などでもいるのだろうか?それとも早めのクリスマスか?俺は必死で思案するがやはり何も心当たりはない。半ば諦めていた時1つの答えにたどり着く。
考えられるのはやはりスキルしかないと思う。
俺には創造という固有スキルがあった。
固有スキル創造 自分が実際に手に取ったものや想像したものまたは欲しい物を強くイメージする事でMPを消費し作り出すというスキルだ。ありとあらゆる物を作り出すこのスキルはまさにチートだと確実に言えるだろう。
そう予想した俺は「ステータス」と呟き、ステータス画面を出す。だが俺はそこでまた驚愕させられる羽目になった。
【名前】 イセ・カイト
【LV】 1
【ジョブ】 巻き込まれた自衛官 武人 賢者
【HP】 :4000
【MP】 :45000/60000 上限値10000上昇
【力】 :5500
【防御】 :4000
【魔攻】 :4000
【魔耐】 :3500
【俊敏】 :4500
【運】 :4000
【スキル】
短刀術 Lv6 銃術 Lv7 武術 Lv7 全属魔法 Lv1 刀術 Lv6 気配遮断 Lv5
気配察知 Lv5 魔力自動回復 魔力吸収 LV1
【固有スキル】
スキル結合 超自動回復 超人 超感覚 万物者・・・スキル有効になるまで残り6日
なんか増えて消えてる!
明らかにおかしかったステータスがなぜかあったはずのスキルが消えて新たなスキルを取得している。おかしかったのがさらにおかしくなってしまった。
「本当になんだこれ!!」
思わず声に出るほど程度には俺は狼狽えていた。
小一時間程度たったとき俺はひとまずこの件をほっとくことにした。
考えたって答えが得られるわけでもないしもうこの問題は未来の自分に丸投げする形に納得したのである。それに旅に出る俺にとっては若返りも新たなスキルも邪魔にならないどころか、喉から手が出るほど欲していた物なのだから喜ばしい限りなのである。
俺は荷物を整えると外套を羽織り宿舎を後にする。
俺の心はもうすでにこの異世界で何をやろうかという妄想でいっぱいだった。
これから俺の第二の物語がスタートするのだから!
そうして俺は関所の門をくぐり初の異世界旅へと乗り出すのだった。
次回は召喚された勇者零士君と沙耶ちゃんの回想編です。