自己紹介
この話では高校生達の自己紹介の話です
白いドレスを着た可憐な少女に案内され先程の部屋とは打って変わって豪華な装飾のされた部屋へ場所を移した俺たちはその場に座らされ待たされていた。
こんな高価そうなものが幾つも置いてある部屋に入ったことが無いであろう高校生達は興味が尽きないのか未だに部屋をキョロキョロと見回している。
そして俺はというと先程から別な意味でワクワクが止まらず興奮していた。
これはもしかするともしかするのではないのか!
先程の少女は俺たちのことを勇者様と言っていた。
ということはやはりここは異世界なのかもしれないと俺の頭はパニック状態である。
まさか俺が生きている中に異世界へと行けるとは思いもしなかった。
ここでどんなことをしようかと妄想が爆発した俺は、やっておきたいことをプラン立てしていると不意に肩をチョンチョンと突かれて現実に引き戻される。
突かれた肩の方を見るとそこには赤髪の彫りの深い活発そうな少年が俺の方を見て手を差し出してきたのでる。
「俺の名前は二階堂 竜斗。あん時ありがとなおっさん!おっさんの名前なんてーの?」
こいつ失礼な奴だな俺は未だ35のピッチピチのお兄さんだぞ!
近頃の高校生は人をおっさんおっさんと失礼な奴ばかりである。まあしょうがないと思うが、俺は差し出された手を握り自分の自己紹介をした。
「俺は伊勢 海斗職業は自衛隊だ。」
「まじか!すごいな伊勢さんあんた自衛隊なんだ!」
と二階堂 竜斗くんは目を輝かせ俺を見つめてくる。
そして本当は無職なんて言えなくなってしまった状況に陥ってしまった。
またその話を聞いていた残りの高校生たちも俺が自衛隊と知るや否や話に混ざり始めおー!やらすげー!やら感想を述べ各々が自己紹介を始めた。
「俺から自己紹介をしましょう。俺の名前は神谷 零士って言います。特技は剣道で全国インターに出場の経験もあります。沙耶を助けてくれてありがとうございました。」
と黒髪端麗少年の神谷 零士は頭を下げてきたので俺は手を振りそれを制した。
「次は私ですね。わ、わたしは小野 沙耶って言います。特技は特にないですけど、あえて上げれば料理が得意です。あと看護師目指して勉強してます。
い、伊勢さん!あの時は私を救ってくださりありがとうございました!」
とどこか緊張して話す彼女小野 沙耶さんに俺は頷くと顔を真っ赤にして手を出してきたので握手をするまるでアイドルになった気分だ。次にはいはい!と手を挙げる青髪少女に目を向けた。
「次はわたしだね!わたしは姫奈 ユメです。特技は友達作りで、趣味は動物を触ること伊勢っちヨロシクねー。」
なんとも元気のある子だろう俺は思わず苦笑しよろしくと差し出された手を握り返した。
「次はわたしね。小雪 留美よ。趣味特技は言う必要性がないから言わない以上よ。」
なんとも冷たい自己紹介をした黒髪の少女はまるで高貴な猫のようにそっぽを向いた。
俺はこんな嬢様みたいな子いるのねーと思いながら最後の一人の方へと向いた。
すると最後に残された黒髪の男の子は体をビクつかせおどおどと俺の方を見るとボソボソと自己紹介した。
「ぼ、ぼくは。み、見川 真斗です。趣味は読書です。よ、よろしくお願いします。」
とどこか俺と同じ匂いをさせている彼に親近感が湧いた俺はまだおずおずとしている見川 真斗くんに思わず手を差し出して握手を求める。
ビクビクしていた真斗くんはキョトンしながら手を出すし俺を見るとおどおどしながらも拍手をしてくれた。まるで戦友ができた様な気持ちになる。
そうして 一通りの自己紹介が終わった頃部屋の扉が開き、メイド服を着た女性が入り華麗な礼をする。
メイドさんであるメイドカフェのメイドとは違うリアルがちなメイドさんだ。俺は生メイドに感激していると真斗くんもどうやらそう思っていたらしいのか目を輝かせている。
やはり彼とは気が合いそうだ。そのあとに先程の可憐な少女とそして髭面で頭に王冠をかぶった人物が部屋へ入ってくると王冠をかぶった人物が話し始めたのである。
「ようこそ勇者達よ。我らはお主達を歓迎しよう。
我が名はカールザス・ロイ・レインバートこのレインバート王国の国王である。そしてこの麗しい少女はわたしの娘である第二皇女のマリー・ロイ・レインバートだ。お前達にはまずこの世界と現状況から説明した方が良いな。」
そしてこの国の王だと言うカールザス王はこの世界の説明をしてくれたのである。
ついに王が登場さあこれから物語は大きな展開に