汚れ
死んじまえ
そう叫び放った右拳は
憎悪の対象のそばで虚しく宙を切った
応酬の鋭い金属は
まっすぐ僕に向かってきた
そうだったら、どんなに楽だっただろうか
生きているうちに
美しいもの
楽しいもの
感動するものをたくさん目にしただろう
そこでたくさんの
喜びを得ただろう
無下になるまで
せめて記憶の欠片だけでも
あちら側に持っていきたいと願った
灰になる前に
これは言葉
継ぎ接ぎの涙
口から吐いた血の塊
一番綺麗な吐瀉物
ああ
やっぱり死ななくていいや
代わりに永遠に汚してやる
僕が一番嫌ったもので