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ゆままゆ! 勇者な魔王 と 魔王な勇者←(俺)  作者: 都留 和秀
第三章 勇者と魔王、出会う!?
28/44

25話 神聖皇国の『選定勇者』

  

 聖堂教会というのは、大陸の東に広がる神聖皇国内に居を構え、聖地母神と呼ばれる神を信仰しているらしい。

 ちなみに魔族の領域は西側にあるので、丁度反対側に当たるわけだな。

 

 『選定勇者』とは、元々、光の神殿の『選ばれた勇者』に対抗する形で作られたものだ。

 魔王に対抗できるのは『選ばれた勇者』のみ、ゆえに神殿を有する王国の発言力は人族の領域の中でもかなり高い。

 その事が気に入らなかった神聖皇国は、内部で聖堂教会を作り上げる。

 当時はまだ王国だったらしいが、神聖皇国と名を変え、さらに人族最強クラスの強者を優遇し、『選定勇者』を作り出した。

 

 当然、神殿を始め、各国でもブーイングの嵐だ。

 だが、この政策は不幸にも一定の効果をもたらす。

 なにせこの世界の真の強者とは、時に一軍をも圧倒し、戦場を左右する。

 そんな者を数人とはいえ抱え込んだことにより、皇国は一気に戦力を増すことになる。

 逆に、元々自由戦力であったとはいえ、有力な冒険者を奪われた各国は困ったことになった。

 困難な依頼をこなせるものが減るのだ、軍隊を各地の治安維持に回さなくてはいけない。

 だが、軍隊は、冒険者の様にフットワークが軽いわけでもなく、また軍隊を動かすと、とにかく金と物資がかかる。

 実際、隣国である帝国とは開戦寸前までいったようだが、教会すぐに『選定勇者』を各国に派遣することを約束することで事無きを得る。

 一見、元鞘に戻っただけでは? と思うかもしれないが、教会としては『選定勇者』の起こす功績が目当てなので、これは当然の処置ともいえる。

 各国に散る『選定勇者』はそれぞれが自由に活動するが、そこで成し遂げた英雄行為は『選定勇者』と聖堂教会の威光と存在を強めることになる。

 そんなこんなで、たまに出現する神殿の『選ばれた勇者』とは違い、常に存在する『選定勇者』はそれなりの威光を持つ存在として認知されることになってしまった、というわけだな。


 また、何代か前の『選ばれた勇者』が『選定勇者』と共に旅をし、共に魔王を打ち滅ぼしたのも大きい。

 歴史の裏話になるが、実はその『選定勇者』は、勝手に教会が選定しただけで、本人の了承は得ていなかったのだが、巧みな情報操作で事実にしてしまったらしい。

 当時の『選ばれた勇者』も、その『選定勇者』も、名声や国という者にかかわるのを嫌っていたため、神殿に語ることはあっても、その後世界に口を閉ざし、どこかに隠居してしまったことで結局聖堂教会はやりたい放題にやってしまったようだ。


 そんなことまで教えていいのかと思うが、リンシャさんの話し方には、言葉の端から隠そうともしない嫌悪の感情がにじみ出ていた。

 恐らくこの人の性格上、話自体は偽りはないと思うが、やはりいい感情は持ち合わせていないのだろう。

 話だけ聞くと、酷い組織にしか聞こえないのだから。

 

 ちなみに『選定勇者』のメリットだが…これまたなんというか、酷い優遇具合だ。

 正直、常軌を逸しているとすら思う。

 

 1.『選定勇者』は神聖皇国の名の下に、選定されるまでの過去の犯罪、刑期などの一切を免除する。

 2.『選定勇者』に対し神聖皇国は、その功績の応じ、一定の援助金を約束するものとする。

 3.『選定勇者』は神聖皇国内における、自由な物資の補給を擁護する。

 4.『選定勇者』は神聖皇国の名の下、各国において、抑制されない自由な行動を保証する。

 

 5.『選定勇者』は聖堂教会の要請に必ず応じるものとする。

 6.『選定勇者』は聖堂教会の教義の下、魔族、魔物の一掃を理念とし、行動するものとする。

 7.『選定勇者』は聖堂教会に、その行動のすべてを包み隠さず報告すること。

 

 4つの権利と3つの義務…7つの約定と呼ばれる『選定勇者』に与えられる権利と義務だ。

 

 よく考えれば誰でもわかるだろう…。

 この約定には大きすぎる矛盾点がいくつもある。

 わざとなのか、表現も酷く曖昧でぼかされている。

 解釈の仕方次第では、許される行為はとんでもない範囲まで広がるだろう。

 

 まず、1と2は…まぁいい。

 過去の犯罪者でさえ受け入れるという体制は、多少問題はあるが、そのまま文面通りに受け取って構わないだろう。

 問題は3と4だ。

 これはつまり…神聖皇国内において、例え略奪の類を行ったとしても罪に問われないという意味にも聞こえないだろうか?

 ここ王国は、この世界で最も人権を尊重する国であるため、忘れがちだったが…時に人の命は”物”として扱われる…。

 まぁ、そういうことだ。

 そして、他の国に行ったとしても、ある程度の犯罪行為さえも神聖皇国が擁護するということになる。

 正気を疑う内容だが、これでも存在が成り立っているというのだから驚きである。

 流石に許容できないほどの事をすれば切り離されるとは思うのだが、リンシャさんも『選定勇者』の起こす事件をすべて知っているわけではない。

 実際、よほどの大事件でなければ神聖皇国と聖堂教会がもみ消してしまうらしいしな。

 

 まぁそこまでの事をするような人間が『選定勇者』になりえるのかとも思うのだが、実際に過去の犯罪者でさえも選定されたる事があるのだからどこまで信用出来るのかわかったものではない。

 

 個人的には胸糞悪い話だと思うのだが、力を持ちながらも権力を持てるわけではなく、罪を犯せば当然捕縛されるわけで。

 力を持ちながら法に抑制されていた冒険者なんて職業をしている荒くれ者には、さぞ魅力的に見えるのかもしれない。


 あぁ、ちなみに3番目の約定が作られた裏話には、過去の『選ばれた勇者』の中に、人に家に侵入して物を漁る権利を求めた馬鹿者がいたらしい。

 当然、拒否されたわけだが…。

 聖堂教会はそれを実現することで、『選ばれた勇者』すらも取り込もうとしたのではないか? というのがリンシャさんの見解だった。

 

 …馬鹿か?

 その勇者が冗談で言ったのかどうかは知らんが、現実に実現するとか、頭おかしいとしか思えない。

 

 「というか、よくそんな制度が通るものだな。特典はすべて神聖皇国が請け負い、功績は聖堂教会がすべてもらうって、分かり易いにも程がある腐敗ぶりじゃないか?」

 「腐敗、か…確かにその通りだが、聖堂教会そのものがあの国を動かす政府の様なものだからな…」

 

 神聖皇国とは、聖堂教会による傀儡政権であるらしい。

 聖堂教会の成り立ちからも、元々が王家と重鎮を中心に上層部が結成され、今なお、世襲または指名制であり、実際の政治は聖堂教会が取り仕切っているため、『選定勇者』の約定は事実上の国家規定に当たるわけだ。

 

 

 「神聖皇国と『制定勇者』の話は以上だ。詳細までは民に深くは知られているわけではないがな、『選定勇者』の実態などそんなものだよ。そして君はその候補に挙げられているわけだね、正直な話、この優遇は与えられるというのなら、たとえ聖人君子の様な人間で知られる人物が飛びついたとしても、驚かないほどに破格だ。…君が受けたとしても、別に驚きはしないし、べつに『選定勇者』そのものが、酷い存在だと言う訳でもないからね」


 リンシャさんの顔は眉をしかめて微妙そうだ。

 何を考えているのかまでは分からないが、少なくとも『選定勇者』になってほしいとは思っていないのだろう。

 

 俺はその話を途中からは、肩肘をテーブルの上に載せて聞いていた。

 

 「ふーん」

 

 つい、気の無いような返事をしてしまう。

 

 「ふーん、って君な、他人ごとではないだろう?」

 「あー、うん、まぁ、なんだ。正直、思ったよりも魅力を感じない自分がいて、びっくりしてた」

 

 うん、本当にびっくりした。

 現実に酒池肉林すらも可能な権力を手に入れられるはずなのに、だ。

 実際、健全な男子なわけで。酒池肉林を絵にかいたハーレム人生には大いに興味はあるのだが。


 でもなぁ

 

 「……は? 魅力を感じないだと? この世の富と免罪符を得ることが、か?」

 

 リンシャさんは本当に不思議そうな顔を向けてくる。

 理由は最初に言ったはずなのだが、そんなに不思議かねぇ。

 

 だから言う。

 

 素っ気なく、当然の様に。

 

 「でも──自由は失うだろ?」

 

 そう、これも約定の矛盾の一つ。

 俺が最初から最も懸念したことだ。

 最大限の自由な行動を保証する、と言いながら、代わりに聖堂教会によって行動を縛られ、最大の自由を失ってしまうのだから。

 

 「ふむ……自由、か…。」

 

 

 リンシャがそう呟き、俺を見つめてくる。

 じっと、メガネの奥から目を見開いて、観察する様な眼差しだ。

 そして少し思案気に間をあけたあと、言葉を続ける。

 

 「君のいう自由とは…恐らく私達が思う自由とは少し違うのかもしれないな。 行動、生活のみならず、精神、思考さえ、時世に、世界にすら、何者にも縛られない…のか?」

 

 最後の方は漏れ出た様に呟くような、小さな声だった。



 ミューは何か思うことがあるのか、ずっと目を閉じて、何も口を出すことはない。

 正直、俺が『選定勇者』になることなど望むわけがないのだから、いろいろ言ってくると思ったのだが。

 

 …そういえば、シアがさっきからずっと静かだな、っと思ったらこいつ頭から煙りだして気を失ってやがる…。

 一体いつからだ?

 

 「君は…」

 

 ん? おっとリンシャさんと話しているんだった。

 

 リンシャさんを見る。

 遠くを見る様な、虚ろで、何を考えているのか分からない。

 でも少しだけ笑っているようだ。

 

 「まるで『勇者』のようだな」

 「!?」

 

 俺は目を見開いて驚く。

 まったく意図しない、不意打ちだった。

 だが、リンシャも何故かその自分の言葉に驚いているようだった。

 

 「あ、いや、すまんな。 巫女たる私が、勇者様の前で他の者を『勇者』などと…馬鹿な事を言った。 すまないが、忘れてくれ」

 「い、いえいえ、アハハハ…」

 

 俺は必死に平静を装うとしつつも、知らずのうちに視線が泳ぐ。

 返す声も乾いていて、不味いと思いつつ隠しきれていないほどに動揺しているのが自分でもわかる。

 リンシャさんも俺のそんな様子に少し怪しい物を見る様に眉を顰めている。

 

 「だがまぁ、文が届いたなら、一度は必ず神聖皇国には赴くことにはなるだろう。無視しても、いつか迎えが来るだけだ」

 「はぁ、面倒くさい……」

 

 いっそ、無かったこと事にして、無視することも考えていたのだが、無理そうだ。

 ため息がこぼれ、げんなりする。

 

 「ふふ、そんなことを言うのは、世界広しとはいえ、君だけだろうさ。おっと…随分長話をしてしまったな、私達はここらで退散するとするよ。良く言い聞かせたとはいえ、あまり長く留まり、巫女長がまた暴走してしないとも限らないのでな。へたをしたら此処に雪崩込んでくるかもしれないな、ふふ」

 「それは…怖いな。今日はもう、懲り懲りだよ…」

 

 手を上げて、大仰に白旗を振る降参のポーズをとる俺を見て、リンシャが笑う。

 

 「君も、かなり特殊な環境にいるようだが、決して悪い人物ではないということが分かって、私も安心した。また会うことがあるなら、その時は……いや、やめておこう」

 「? なんか気になるなぁ…はっきり言ってくれよ」

 「いや、何でもないさ、気にしないでくれ。では、また会おうユウト君。さぁシオン様、行きましょう」

 「え? あ、はい! ユート君!今日はありがとう!また遊ぼうね!」


 リンシャに呼ばれ、半分抜けかけていた魂を身体に戻してシオンが反応する。

 そして再会の約束をしようとしてくるが、

 

 「断る!」

 

 俺はばっさり切り捨てる。

 

 「えーーー!! なんでかな!?」

 「お前といると、ただでさえひどいトラブルが…加速するんだ……出来ればもう、会いたくない!」

 「ひどい!! そんなこと言うユート君は嫌いなんだよ!」

 「嫌われて結構だ! さっさとと帰れ!」

 「う…うぅ…そんなに、言わなくったって……ぐすっ」

 

 シオンが目じりに涙をためて泣き出す。

 端から見ると子供の泣き方だが、その姿に俺は慌てる。

 シオンの隣に立つリンシャの眼差しも鋭く、刺し殺さんばかりに睨みつけてくる。

 正直怖いです。

 この人も神殿の関係者なのだなぁと、変な事で改めて実感した。

 

 「えーーーん」

 「くっ!分かった分かった取り消す! 謝るから…泣くな」

 

 俺は頭を抱えながら答える。

 続いてミューまで何故か睨んでくる始末なので、俺は大人しく白旗を振ることにしたのだ。

 女の結束には勝てない、この一ヶ月で学んだ世界の絶対論理だ。


 俺が泣きたい…

 

 「ぐす……うー、また、遊んでくれる?」

 「……ちゃんと、神殿の奴らを言い聞かせてきたらな」

 

 流石に、それだけは譲れない。

 今日出会って会話した、少ない数ですら、頭のおかしい奴らが何人もいたのだから…。

 あいつらには出来れば2度と会いたくない。

 まだ見たことのない、巫女長さんとやらには途轍もない恐怖すら感じている。

 

 「うん!じゃぁまた会おうね!ユート君!」

 「おう……また、なシア」

 

 結局、再会の約束を交され、シオンと分かれる。

 ある意味で、魔王の心に多大なダメージを与えたのだから、シオンは勇者としてある意味優秀なのかもしれない、と俺はは密かに思った。

 

 

 「行きましたね…」

 「あぁ……これでやっと、静かに休めるよ」

 

 身体全体でため息を吐いて、今日の事はすべて忘れてしまおうと、ゆっくりと千鳥足でベットに向かう。

 だが、ダイブする寸前で後ろから首襟を捕まれて止められた。

 

 「……ミュー、さん?」

 「お話…するって言いましたよね? ユ ー ト さ ま?」

 「ひっ! いや、あの、ミューさん…俺今日、すげー疲れてて」

 「あらあら、それは、誰のせいですかね?」

 「いえ…自分です」

 「そうですよね? では」

 

 口角を吊り上げ、にっこりと邪悪な笑みを浮かべるミューに体が恐怖に震える。

 

 「始めましょうか? お仕置き」

 「いやーーー!!」

 

   ・

   ・

 

 その日、その後、勇人の姿を見た者はいない。

 

 ただ、食事宿屋『眠り熊亭』の最上階である3階からは時頼、悲鳴だけが鳴り響いたという。

 

 次の日、勇人が宿を経営する旦那に、土下座で平謝りし、苦笑で窘められたことは言うまでもないだろう。

 

 

    ・

    ・

    ・

 

 「今日は楽しかったですか? シオン様」

 「うん!とっても!」

 「それはようございました。…しかし、不思議な少年でしたね、ユウト=シノノメ」

 「ん? そう? とっても面白い人だよ?」

 「そうですね。それは否定しませんよ、ふふ」

 

 リンシャは勇人とその仲間たちを思い出し、わずかに笑みをこぼす。

 そして、つい先ほどの記憶を思い出していた。



 「君は…まるで『勇者』のようだな」

 

 リンシャのそれは何気なく…本当に、何も考えず、思ったままに、何気なく口から漏れ出た言葉だった。

 まるで、物語の中の『勇者』その物の生き方、『英雄』然とした勇者も嫌いではないのだが、本来勇者とはこういう何物にも縛られない者なのではないかと、リンシャは幼い頃から思っていた。

 そんなリンシャにとって、あの時の勇人の姿はまさに自分の思い描く、物語の中の『勇者』そのものに見えたのだ。

 頑強な体持つわけでも、歴戦を潜り抜けたかのような覇気を放つわけでもない。

 『英雄』には程遠く、ましてや物語の主人公になんて似合いそうもない。

 

 しかし、あの後の勇人の慌てぶりも奇妙なものだった。

 リンシャはその時の勇人が何を思っていたのか分からず、再度その眼鏡の奥の瞳でじっと勇人を見つめたが、そこに映し出されるのは、レベルは高くとも、平均的な人族の能力値(・・・・・・)だった。

 まぁ、さすがに本当に勇者なはずがないのだが、その事を少し残念に思ってしまった自分に驚いた。

 

 しかし魔族(・・)と人族が共に旅をするとは、なんとも不思議な集団である。

 まぁ、ユウト=シノノメが、ただの人族とは思っていない。

 見えたステータスは至極普通、しかしそれが逆に違和感を覚えさせるのだから。

 ヴォルブルクに来て、わずか1週間で若き英雄と成り得る実績を作り出し、それ以前の経歴は一切が不明。

 怪しむな、という方が無理な話だ。

 だが、その人格は人畜無害、とは言わないが、問題は多少あるものの、自由奔放で、その本質は善良なものだと判断した。


 何より、私が目を向けると、正面から目を合わせてくる。

 恐らく、自分の眼の事も気づいてはいるのだろうが、それでも慌てる様子も忌避する様子も見せなかった。

 正直いって、興味深かった。

 初めて会った時よりも、なお興味が沸き、いっその事、すべてを問いただそうかとも思ったくらいだ。

 

 だが、そうしなかったのは、ある直感めいたものを感じたからだ。

 

 どうせ、いつかまた出会うと…。


 それに

 

 「嫌われたくはないからな…」

 「ん、どうしたの? リンシャさん?」

 「いえ、何でもありません。 帰りましょう、シオン様。 きっと今頃…アンジェルがお待ちですよ?」

 「うぅ…急に帰りたくなくなったかも…」

 「ダメです。 罰は、しっかりと受けましょうね、ふふ」

 「うーー……」

 

    ・

    ・

    ・

 

 「そういえば、文ってここに届くものなのかな?」

 「さぁ? 私もそこまでは分かりかねますね、宿の者に聞いてみましょうか?」

 「ん」

 

 俺とミューがそんな話をしていると、プリムがそっと一枚の封筒を差し出してくる。

 この展開、嫌な予感しかしない。

 

 「プリム……これ、何かな? いや、正直ききたくはないんだけど…」

 

 封筒は蝋で固められ、そこには盾をあしらった紋章印が見える。

 昨日リンシャに聞いた──聖堂教会の印である。

 

 「昨日、ユート、様、みんな、留守の間に、届いた」

 

 「プリム……」



休日が消えたので、次の更新は遅くなるかも…


【公開ステータス】

 リンシャ 24歳 ♀ Lv27 種族:人族 職業:巫女

  HP284/284 MP331/331

  STR 305 VIT 264 AGI 280

  MA 343 MD 324


 基本スキル

   身体操作Lv2 魔力操作Lv4

 武技スキル

   棍術Lv3 体術Lv2 結界術Lv3

 感知スキル

   気配感知Lv1 魔力感知Lv3

 強化スキル

   身体強化Lv1 魔力強化Lv1

 魔法スキル

   水魔法Lv2 風魔法Lv4 土魔法Lv3 無魔法Lv2

   雷魔法Lv1 神聖魔法Lv4

 特殊スキル

   鑑定眼Lv3


 称号:見る者 神殿の才女 完全無欠の矛盾(パーフェクトガード) 光の神殿巫女


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