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いろはにほへと  作者: 月山 未来
冬至―立春の章
26/30

深まる謎

「ねえ、ちょっと! なんで答えてくれないの!?」

 私は光にそう言った。さっきから聞いているのに全然答えてくれない。

「鈴音には言う必要ないだろ」

「あるわよ! 答えやがれ!」

 というのは朝から黄氏の人達が忙しそうにしているからである。今日は何かあるの? と聞いたところ、「別に」なんていう素っ気ない返事が返ってきた。その後も「どっか行くの?」などと聞いてみたが「お前はいいから」としか答えてくれなかった。

「私に隠し事したって無駄よ! バレバレなんだから!」

「お前に教えて余計なことされても困るし」

 ひっど。私そんなことしないよ!

「よし、そろそろ行くか」

「やっぱりどっか行くんじゃん。私も連れてってよ」

「ダメ」

 ちっ、やれやれいつからこんな子になったのかなー光君は。とそんなこんなで私は都に残ることになった。

「行ってらっしゃ~い」

 口ではそう言いつつも内心――帰ってきたら覚えてろよ、と全力で光を呪った。

 それにしても暇だ。少しは残る人のことも考えてちょうだい! うーん、そうだ。いつもは警備の人がいて外に出られないけど、今日なら散歩くらい出来るかな。ずっと中にいても運動不足になるし。よし、そうと決まれば私もお出かけだ!

 今の服装だと動きにくいので着替えることにした。私が以前着ていた男物の服は自分の部屋にあるはず。

 ……さて、いざ出発じゃ!


 光は軍を率いて紅氏の都へと向かっていた。手紙によると明日が約束の日だが、それでは意味がない。今日の内に紅氏をぶち壊してやる。そうでもしないと鈴音はきっと未来に帰れない。

 これは俺の責任でもあるのだ。鈴音を巻き込んでしまった責任。だから俺の手で――

 そして光は思い出してもいた。あの日の夢のような出来事を。


 ――中学一年の夏休みに行った夏祭り。それが原因で鈴音と口を利かなくなるなんて考えもしなかった。当時の光は少し強気で自信家な部分もあったためか、数日後には鈴音の方から謝りに来るだろうと勝手に思っていたのだ。

 ごめん光。あんたのせいにしてごめん。そんな言葉がくると思っていた。

 しかし、一週間が経っても二週間が経っても鈴音が話しかけてくることはなかった。普通に話しかけてくるまで待とう。そう思うようになったのは一ヶ月後くらいだった。自分から話しかけにいこうとも思ったが、変に怒られたり嫌われたりするのは嫌だった。

 そうこうしている内にすっかり鈴音との間に壁ができ、何も話せないまま二年生になった。クラス替えで違うクラスになってしまったので、話す機会どころか会う機会もなくなっていった。

 俺、何してんだろ。好きな奴に自分の気持ち言い逃げしたようなもんじゃん。

 自分が情けなかった。俺は鈴音を守れなかった上に、傷つけてしまった。

 学校生活もつまらなかった。ああ、俺って結局。鈴音がいないと何も面白くねぇんだ。そしてこうも思った。鈴音ともう一度話せたらな。いや、いっそのこと夏休みの日に戻りたい。本気でそう願った。

 だからかもしれない。

「ねえ、これ知ってる? 最近チョー有名な占い師」

「あ、知ってる~! こないだ雑誌に出てたよねっ」

 女子たちの会話は普段、聞き流していた。

「知り合いの人が占ってもらったら当たったらしいよ! 将来、結婚する人と一ヶ月後に出会うって」

 心臓が大きく跳ねた。……もし、占ってもらったら。鈴音と仲直りできるのはいつですか。鈴音が笑いかけてくれるのは、

「え、光君?」

「その占い師のこと、教えてくんない?」

 ――いつですか?


                  *


「うわ、すご……」

 しばらく歩いていると立派な建物が見えてきた。まるで都みたいだな。もしかして入れたりする?

 興味津々でその建物の中へと進んだ。誰かの家にしては大きいし、都にしては警備の人がいない。奥に行っても誰かがいる気配はないので声を出してみる。

「すいませーん。誰かいませんかー」

 怖いくらい静かな空気の中、もう一度声を張り上げる。

「すいませーん、誰かー……」

「なんだ」

「うわあああ!!」

 心臓止まるかと思った! もう、いるならいるって言ってくれれば……

「って、え? 大介さん?」

「ああ。なんか用か」

「ええ!? 大介さんがどうしてここに!?」

「それは逆に聞きたいな……なんでお前がここにいるんだ」

「えーっと……散歩の途中で……」

 っていうか大介さんの家だっけここ? なわけないよね?

「なんでここにいるんですか」

「……ここは紺氏の都だぞ」

「うっそぉ!」

 えー、すごい。随分立派な……

「なんだその反応は。お前、前にもここに来ただろうが」

「ああ! そうでしたね!」

「普通覚えてるだろ……」

 少々あきれた様子で大介さんはため息をついた。

「え、だ……だって! あの時は色々ドタバタで混乱してたから! ぶっちゃけ記憶が曖昧っていうか……」

 ホント、大変だったんだよ? 命の危険もあったんだから!

「あれ、そういえば外に誰もいませんでしたよ?」

「紺氏の奴はほとんど黄氏の軍として吸いとられたからな」

「帰って来るんですよね?」

「……いや、多分もう帰ってこない」

「じゃあ、紺氏だった人は黄氏に……?」

「そうだな」

 大介さんだけ、こんなところに? どうして?

「黄氏についていかないんですか? みんなはついてったのに」

 すると大介さんは弱々しく笑った。

「紺氏はもう黄氏に飲み込まれた。それもこれも私のせいだがな。だから私についてくる者はいない、黄氏についていったんだ」

「だったら……大介さんはどうしてここに」

「私は紺氏の頂点だ。どんなに駄目でも、私だけはここにいなければ紺氏は本当に消えてしまう」

 このままじゃ紺氏はなくなるってこと……?

「じゃ、じゃあ風花を呼んできます! 雪継だってきっと……」

「いいんだ」

 どうして? なくなっていいの? このまま消えても――

「こうなったのは私の責任だ。私が紺氏を操るとこうなる、そういう見本だ。だからいい」

「そんな……」

「これは責任なんだ、私の」

 なくなってしまうのに? なくならせないでよ。風花達の戻る場所を、残しておいてあげてよ。

「……風花と雪継にとってはここが家なんですよ……? それがなくなったら二人は……」

「必要ないさ」

「え?」

「私なんかがあいつらの面倒を見る資格などそもそもないんだ。お前は二人を預かるだけと言っていたが、あいつらにとっての家はもう紅氏の都だろう?」

 預かる……そっか、私はあの二人を預かるって言って連れてきたんだっけ……

「あいつらはな、お前といる時の方がよっぽど楽しそうに過ごすよ」

 そうなのかな。それでいいのかな。でも、風花と雪継が幸せならその方がいい。

「……お前、女なのだろう?」

 唐突にそんなことを聞かれて戸惑ったが、「はい」と答えた。

「見損ないましたか」

「いや、驚いた」

 そして大介さんは揺るぎない瞳で言った。

「尊敬するよ」


 紅氏の都はいつもより落ち着かない雰囲気だった。もちろん黄氏と会う約束を明日に控え、準備に追われているせいもあったが。しかし何か落ち着かない。秀広は朝からそう思っていた。

 もともと勘が鋭い上に日々の訓練や戦いで磨かれたのもあるのか、嫌な予感は当たってしまうことが多い。それは今日も例外ではなかったらしい。

「わあ! な、なんだ……?」

 外からしたそんな声に秀広は我に返った。ああ、やはり当たってしまったか。

 急いで外に出ると来客担当だった者が怯えたように、目の前の男を見ていた。……無理もない。何せそいつは刀を突きつけこう言ったのだ。

「黙って言うことを聞け。一番上の者はどこにいる?」

 しかもよりによって――金髪、お前か!

「それは私だが」

 冷静な声を出すよう努めながら答え、そのまま光に歩み寄る。

「これはこれは。また会えましたね。しかし前に会った時の領主はあなたではなかったはずですが」

「領主様はいま取り込み中だ」

 ここで領主様があんな状態だとばれれば、黄氏はここぞとばかりに攻めてくるはずだ。

「用があるなら私を通せ。約束の日は明日のはずだが一体、何をしに来た」

 こいつの目的はなんだ? 鈴を手に入れることではないのか? しかし手荒な真似はこちらも向こうもできないだろう。光の側にいるのは二人の付き添いだけだ。

「そんなの決まってるだろ」

 一気に冷めた口調で真顔になった光は続けた。

「紅氏を潰しに来てやった!」

 その瞬間、どこに隠れていたのかというほどの大軍が押し寄せた。――この人数はもしや、紺氏もいるのか!?

 完全に頭が真っ白になった秀広は思わず光の顔を見た。その顔は優越感に浸った笑顔そのものだ。その光から刀を振り下ろされた時――秀広の記憶はなくなった。


                   *


 ――クラスの女子に教えてもらったことを頼りに、光は占い師のことを調べ始めた。

「絶対当たる! 驚異の占い師!」

「カップル成功率90%!」

「まずは相談からでも お試し無料」

 などといった記事がネットや雑誌からいくらでも出てくる。バカバカしい。前ならそう言って終わりだった。でも今はそれに頼ってでも抜け出したいくらいにドン底と言ってもよかったのだ。

 その時に目を止めたのは「出張相談やってます」という一文だった。

 ネット上に書き込むのは信頼性に欠けるし、相談者が行列をつくっているところで占ってもらうのも気が引ける。そういう面で出張相談というのは便利だ。

 早速電話をした。しかし、さすが人気の占い師。問い合わせ殺到だか何だかで繋がらなかった。まあそういうもんだよな。みんな悩んでんだし。つーか、……そもそもこんなのに頼ろうとするなんて俺、どうしたんだよ? だいぶ遅かったが目が覚めた。そうだよ、占ってもらっても自分がどうにかしないと意味ねえって。鈴音がどう思ってようと。

 そして次の日の昼休み、鈴音の教室に向かった。

「あれ、光君? どうしたの?」

「あ、ちょっと鈴音よんでくんない?」

「えーっと、ごめんね。今はいないみたい。何か伝言しようか?」

「あー……」

 今すぐ言いたい、でも。

「……あのね、鈴から光君のこと聞いたことあるの」

「えっ」

「光君、女の子に人気でしょ? それで私、どんな人なのって鈴に聞いたんだ」

 鈴音に?

「そうしたら鈴、悲しそうな顔したの。光には悪いことしたなぁって。多分、独り言のつもりだったんだと思うんだけどね。だからこれは内緒よ? バレたら鈴、怒るから」

 そして、話それちゃったね~。伝言ある? とその子は言った。

「……あ、」

「ん?」

「ありがとう……って、言っといて。君も、ありがとう」

 そのまま廊下を歩いて自分の教室に向かった。そうか、鈴音はちゃんと。――分かってくれてたんだな。

 久しぶりに温かい気持ちに包まれて、その日は一日中落ち着かなかった――


「尊、敬?」

 大介さんが言った言葉を私は理解できずにいた。尊敬かぁ、なんでだろ? あ、女なのに男の服装で堂々としていられること? うん、十分ありえる。

「……早く行け」

「え、どこに」

「紅氏だろう、お前は」

 それがガツンと頭に入ってきた。――紅氏だろう。つまりそれは、紅氏であることの自覚が足りなかったということだ。

 光に翻弄されて、たったそれだけで未来のことをグダグダ考えて。そんなのより紅氏の仲間の方が大切なのに。自分から何かしないと。そう言ったのは自分なのに。

 私は一番大切なものを放り出してたんだ。

「……ありがとうございました」

「なんだ急に」

「あなたと出会ったことも、あなたに言われたことも……全部、私にとって大切なことでした。あなたから学んだことも数えきれないくらい。だから、ありがとうございました」

 深く頭を下げた。今までの感謝の気持ちくらい深く。

「そんな最後みたいな言い方するな。湿っぽいのは嫌いだ」

「そうですね」

 でもすごく気持ちが、心が晴れ晴れとして。そうよ、私は明るいのが取り柄なんだから!

「すみません、それじゃあ失礼します」

 私には行くべき場所がある。だから走り出せるんだ。この大事な一歩を、もう迷わないように。目指すは紅氏の都だ!


 どうしよう。どうすればいいの。

 風花は黄氏の奇襲に慌てるしかなかった。男達は全員、黄氏を抑えるのに必死だ。風花は都の中の貴重品を全てまとめ、それを持って桜子の部屋にいた。

「……これから、どうなるんでしょうか」

 桜子が外を見ながら言う。

「分かりません。あたしも、分からないんです」

「……こんなに大変なことになったの、初めてだわ……」

 確かに今回はすごい。真次がいないとこんなにも……いや、鈴がいないからかな。

「それにしても外の様子がおかしいんです。どんどん黄氏が――」

「どうしました?」

 風花は外の黄氏の大軍を見て言葉を失った。そこにはかつて、紺氏だった時の仲間が紅氏の者を殺すんじゃないかという勢いで攻撃している姿があったのだ。

 ……どうして、そんなこと。紺氏は紅氏の味方をするって。大介だってそう言ってたのに。黄氏は紺氏を従えて力を増すばかりだ。みんな目を覚ましてよ。紅氏より、黄氏の方がいいって言うの?

 ふと、大介の姿が頭に浮かんだ。ああそうか、あの人は。大介は、また裏切られたんだ。たった一人、紅氏に味方してくれると言ってくれたんだ。あの背中は今、たった一人で――

「……風花さん?」

 もう無意識だった。風花は外に出て都の上へ、さらに上へとのぼる。そして一番上につき、そこから惨状を見下ろした。

「あたしを見なさい、馬鹿者たち!」

 今出せる精一杯の大きさで叫ぶ。何事かと見上げる者もいればそんなのお構いなしに戦いを続ける者もいる。その時点でめげそうになった。

「今すぐ戦いをやめないとあたしはここから飛び降りる!」

 そう言うと、何だそんなことかとでも言うような様子でみんな視線を目の前の相手へ戻した。

 やっぱりそうなんだ? たとえ紺氏だった時に仲間だった人が死ぬって言っても、どうでもいいんだ? ――失望した。

 鈴、ごめん。あたしやっぱり無理だ。もうこんな組織、耐えられないよ……

 風花は最後に空を見上げた。もしかしたら天国のお父さんに会えるかもしれないな。そんなことをぼんやり考えながら風を感じていた――


 走っても走っても紅氏の都は遠くなっていくような気がした。最初は全力疾走だったけど、だんだんペースが落ちていく。

 ……歩こうかな。紅氏の人は優しいから私が戻ってきただけで喜んでくれるよね。

 何回もそう思った。でもその度に罪悪感が襲う。甘えちゃ駄目だ。私は黄氏に連れてかれたのに、すぐに逃げようとしなかった。しかも迎えに来てくれることを期待していたのだ。誰も迎えに来てくれないからガッカリした、なんて馬鹿にもほどがある。

 私は馬鹿だ。だけど馬鹿なりに頑張んなきゃいけなかったのに。これまでずっとそうだったのに。

 この一本道を駆け抜ければ紅氏の都はすぐそこよ。私の大好きな人達はすぐそこで待ってるんだから!

 今までよりも速く、もっと速く。速く速く速く――


 ここで全部、終わりにしよう。

 風花は上から戦いの様子を見下ろし、思った。紅氏ももう終わりだ。でも終わり方がこんなだなんて少し残念ね。

 ねえ鈴。あたし、あんたに出会って楽しいこといっぱい見つけた。見つけてくれた。だからね、最後に会いたかったけど――

「やめろ! 風花!!」

 ……領、主様?

「どうして……領主様……」

 気がつくと真次が風花の体を支えて、……泣いていた。

 なんで? どうして泣くの。領主様、もう大丈夫なんですか。どうしていきなり出てきたんですか。まとまらない思考の中、必死に平静を装った。

 真次は膝から崩れ落ち、風花の前で泣き続けた。

 どうしてこんなことに。私がちゃんとしていれば。みんないなくなっていく。そんなことを真次はずっと言っていた。風花はそれを見ていることしかできない。

 領主様、いますよ。あたしはちゃんとここにいますよ。みんないる。いなくなってなんか、ないです。風花もそんなことを返していた。

 下では争いが続いているのにここだけ時間が止まっているようだった。もしかして、もう天国にいるのではないか。そう思ったほど、上と下では違う空気が流れていた。

 ……また、元通りだ。鈴がここに来る前とおんなじ。紅氏と紺氏は争いを続けていて、それを止める人は誰もいなかった。今もそう。鈴がいないから、みんな目を覚ましてくれないの。鈴、お願い。戻ってきて。あたし達を助けて……

「やめて!!」

 ――ああ、この声だ。あたし達が今、一番聞きたかった声。


 何、これ。どうしてこんなにひどいことになってるの?

 私は紅氏の都を前にして、とっさには声が出なかった。

 押し寄せる大軍。傷つけあう人々。ボロボロの都。そして、……秀広さんが倒れていた。

 何かが切れた。どうかしてる。おかしいって。みんな、どうしちゃったの――

「やめて!!」

 私が叫ぶと紅氏の人は驚いて動きを止めた。黄氏の人達は「鈴音様! どうしてここに!」とか言いながら私の方へやってくる。

「鈴音!? お前どうして……!」

 光が私を見るやいなや駆け寄ってきた。

「……ひどいよ」

「え?」

「ひどいよ光! どうしてこんなことするの? こんな戦いみたいなことして……光がしたかったのはこんな残酷なことなの!? みんなを傷つけて何がしたいのよ!」

 光はこんな人じゃないって、どこかでずっと信じてた。根はいい奴だって、思ってたのに。

 “お前はそんな奴じゃないと思ってた”

 ……あ。もしかして、光もあの時……同じ気持ちで――?

「……俺がしたいのは、鈴音を未来に連れて帰ることだ」

「え?」

「鈴音。俺と一緒に帰ろう」

「何、言って……?」

 光と未来に? 帰る?

「どういうこと? 帰ろうと思って帰れるわけじゃないでしょ?」

「……帰れるよ」

 光?

「俺なら鈴音を未来に連れ戻せる」

「意味わかんないよ……」

 どうしてそんなこと。

 “まぁ事故ってことにしといて”

 “内緒”

 ここに来た理由を聞いたらいつもごまかした。

 “君には僕の婚約者になってもらう”

 “わざと性格変えてたんだよ”

 目的の分からない言動。

「光? 何をしようとしてるの……?」

 紅氏と紺氏を混乱させてどうするつもり?

 光を見ると、いつもとは違うような目で私を見ていた。これまで、見たことないような目。まるで、何かに憑りつかれているような――

「光、あなた……」

 一体、

「あなた、何者なの……?」

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