談笑中
「本間ぁ」
「はい?」
「タバコくれ」
「ラッキーストライクで
いんですか?」
「おうおう、なんでもえぇ」
「はいよ」
「サンキュ」
「ま、メンソのやつのほうが
よかったけどな」
「はいはい」
「素っ気ないなぁ、
そこは突っ込んでこいよっ」
「関西人じゃないですもん」
「『一言多いねん』くらい言えるやろ」
「心の中ではいつも思ってますよ」
「一言多いねんっ!!」
だいぶ馴染んできたみたいだ。
人見知りする方ではないのだけれど、
飛田のおっさんは
会話を運ぶのがうまいみたいだ。
「それにしても、本間さん、」
「なんでしょう?」
「そのテレポートというか…
その能力が使えるのはいつからですか?」
「んー…
お姉ちゃんとお母さんが
死んでからですかねぇ」
「高校1年ぐらいかと…」
「そうですか…」
…しまった。
姉と母のことは言うべきではなかった。
…………。
気まずい、
飛田のおっさん、助けてーー。
よくしゃべるおっさんは
タバコを吸い続けていた…。
「飛田さんはどうして
生活安定化委員に??」
「んなもん……」
「給料がえーからや」
あぁ、そう。
「入る前はなにしてたんですか?」
……無言。
無言。
あぁ、そう。
「飛田さんは警察をされてたんですよ。」
「へー。」
「飛田さんが言わないので
これ以上のことは私からは言えません。」
そうか、
僕もこれ以上は質問すべきではないか…
いや…
「なんで辞めたんです?」
タバコをグチャグチャと消すおっさん。
口を開く。
「公務員なんか…クソや」
「ほら、着いたぞ」
「お嬢、すんません。
待っとってもよろしいか?」
「えぇ、どうぞ。」
……気になるけど、いいか。
僕は飛田さんに追われいた時に
記憶した自転車を
警察署の玄関に出した。
もう、
めんどくさいから
警察に任したらいいか。
気絶したままの犯人を起こし
車からおりた。