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本間 章「ほんま あきら」


二十歳は関西弁黒スーツのおっさん(飛田)と

ニーハイ小学生(将来に期待できる)とともに


ミニバンに乗り、生活安定化委員の本部に向かっていた。


そこに電話が鳴って…飛田のおっさんが電話対応中



「あの、生活安定化委員って名前、

誰が決めたのでしょうか?」


「私ですが。」



そんな上目づかいされたら…


「あ、はい、そう…ですよね。

名前聞いただけで

どんな活動をするのかわかる

素晴らしい名前でないかと……。」





くっ、子供は苦手だっ!


論理が通用しない。


これまでそう決めつけてきたっ



それなのに!


このニーハイお嬢ちゃんの登場。


言葉使いやら目線の送り方やら



妙に大人だ。



「あの、おいくつなのでしょうか?」



……だあっ!

なんだこの言葉使い!


正しい敬語とか丁寧語とかが使えてない。



「あなたが食べてたチョコレート、

私も大好きなんですよ。」



うん、それが?



「想像にお任せします、

と、いうことです。」



いやいやいや、


そんなとこまで読み取るの

至難の技でしょうよ。



「あの、手。」


「出してもらっても?」



明治のチョコレートを

記憶していたはず。



「うっきゃあぁぁぁいッッ!!!!!」



え、誰この子?

なに、こいつ?




「お嬢??」



「なんでもっっ、ありませんっ。」


「飛田さんは運転と電話に

集中していてくださいっ」




あぁ、子供だった。



「ちなみに、

記憶できるものは3つまでです。」



「それなりに集中して、見て、

記憶したものでないと

出現させることができません。」



これで、いいのか?



「出現させることができるのは

自分の目の届く範囲です。」



たぶん。



「わかりました。」

「当面、ガンガン使っていきましょう。」



いや、わかってないですよね。


めんどくさがってんじゃん。


ガンガン行こうぜって…

ドラクエじゃねんだから…



はぁ…



「タバコ吸っても?」


「どーぞ?

べつに禁煙車ではないですから」



あと6本か、


そろそろもらいに行かないと……。




「お嬢、電話の内容やねんけど」



「田中のおばちゃんがなぁ」


ちょっと待て



「知り合い?」



「や、ちゃう。

テンポ悪なるやん、まずは聞けって。」



「パーッと買い物行って、

チャーっと帰って来て

家入ろ思たらドアが開いとったんやて」



「ほんでなんか

怖いから来て、やて」



いやいやいや、


おばちゃんそれ、


とりあえず、入ってみて


異常があったら警察でしょ。




「とりあえず、近くやし行くわー

言うたで?」



「わかりました。」



「本間さん、期待してますよ?」




「期待してるもなにも…」



そんな問題じゃ…


ドア開いてたのはおばちゃんが

うっかりしてただけじゃ…



「向こうに着いた時には

田中さん、家入ってますよ」


「どーせ何も起きてないでしょ」



「その時はその時で」







「我々は安心したらいいんです。」




…あー、


僕、


ロリコンに目覚めてもいい……。



それぐらい


破壊力のある笑顔だった。




「本間さん、タバコの灰、

落ちそうですよ?」



「んあっ、おぉふ、はい。」




「ギャハハハハ、本間あきらくぅん、

そんなんで大丈夫かいな」




飛田のおっさんは

いちいちうるさい。



「大丈夫っすよっっ、」



「ほら、着いたぞ。」




田中のおばちゃんの家は



一軒家が集まってる集落から

少し離れた場所にあり、



明らかに、すこし目立つ。



太陽が沈みかけている。




車の中から様子を見る、



おばちゃんがいないっ。



やっぱり、家に入ったのか…。




「おかしい」




はい?



「外で待っといて下さい、言うたのに。」



うん。それで?



「電話にでんわ」



おいこら、関西弁黒スーツっ!!

「おいこら、…」



「電話にでぇへん」



飛田のおっさんの表情は険しい。



「お嬢…っ」



「このまま待機っ」



「状況評価っっ!」





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