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収容中


くっそ、車ん中に連れて来やがって。


僕なんか拉致っても

なんの得にもならねーだろ



ッ、いてぇ…

飛田とかいう関西弁のオヤジ、


ボディブロー強すぎだろっ



ここは気絶したふりして情報収集。

下手に起きて質問攻めは避けたい…


時速は約60キロぐらいか?

車の揺れ方、車内の会話の感じからすると、

この車は…ミニバンとかか?


僕が居るのは一番後ろ。

前から会話が聞こえる。


例の関西弁と、

聞き取りやすい、まだ幼さが残る声。



「この方は本間 章」

「二十歳で、大学生ね。」


「どーしてそんなことわかったんです?

お嬢。」


「財布の中に学生証が。」



げぇ、


必死でチャリこいでる間に

ポケットから落ちたか。



「あら、かわいい。」

「彼女さんかしら?」



「だあっ、それはッッ、」




…あ。




「もう起きとけよ、

気絶したふりなんか気づいてんねん」



…そーですか

ちっ、ため息なんか吐きやがって。



「本間あきらさん。」


「はい」


「何か質問はありませんか?」



「ぅう、ぅえ、え?」



いきなりすぎんだろ、

なんだこのニーハイ小学生。


よく見ると将来かわいくなりそうなパーツが揃ってるしっ


ぱっちり二重、

薄めの唇、

鼻はシュッとしている。



「あのー、

アヒル口してもらえませんか?」


「もう一度、言ってもらっても?」


「だから、あのですね

アヒル口を…」


「おいクソガキ、

お嬢に変なこと言うてんちゃうぞ」


「アヒル口が変なことなわけ…」


「本間さん。

アヒル口が今のあなたにとって重要で、

優先順位の高いことなら構いません」


「アヒル口なんてものは

某アイドルグループの誰かのを

見てたらいいのです。」



おいそれ、

なんとか48のあの人のことだろ



「あなたがたは…普段何を?」



我ながらいい質問だ、

こんなでこぼこコンビが

普段していることなんて

人に話すようなことではないはず。


嘘をつくはずだ。


その嘘に質問を繰り返していき、


墓穴を掘らしてやる。



「悪の成敗」





What's?



え、なに?


ショッカー相手に

ニーハイ小学生もライダーキック?!



「はい?」



「テロ行為を事前に防ぎます。」



「はい??」



「テロ行為を事前に防ぎます。」



「それに僕の能力を貸せとでも?」

「無理です、そんなの。怖いもの。」



「冗談です。

テロ行為と言いましたが、

そんなたいそれたことではありません。」


「警察に通報すべきかわからないって人のために我々がいます。」


「そうですねぇ、んーと、例えば…

思いつきません、飛田さん、パス。」



「なんでですか!

そこはパッとお願いしますよお嬢。」


「だって、思いつかないのだもの」


「せやなぁ…

さっきみたいに万引きって決めれん場合

警察呼ぶの迷うやろ?

そんなときに呼ばれたりするんかな、


たぶん。」



「なんせ、試験的に導入された機関やからなぁ…」


「人材集め、機材集め、ぜんぶ任せるから

お前ら頼むわーみたいな感じ。」


「人数もまだお前のけて3人しかおらん。」


「もう一人、今日は非番や。」





……できたてかよ。

自分の運の悪さにどんびき。


しかも。


ニーハイ小学生、

テロ行為とか言ってたのだけれど、


話し盛りすぎ………。




「どーして僕のことを知った?」



「スーパーから連絡がありました」

「雰囲気がおかしい子がいる、と。」



あぁ、そう。



「スーパーの店長に感謝しとけよ、

警察沙汰になってへんねんから」


「能力のことに気づいたのは…?」


あぁ、そうか、

チョコ出して食べたときか。



「チョコレートがあなたの手のひらに

出てきたときです。驚きました。」



人の目につかないとこですべきだった。

慢心していた。


「まぁあれや、

このまま連れて行かれるか

警察に渡すか」


「選べや。」



その二択か。



「警察には窃盗罪として突き出します。」



警察に渡されたら終わりだ。


家族、友達からの視線、その他もろもろ

変わってしまう。



「ついて行きます。」



「では、詳しい話は本部に着いてから

お話ししますので、

あなたの能力について…」



きたか、

僕にもよくわかってないことなのにっ


「分かる範囲でいいので教えてください。」



「記憶したものを

テレポートさせることができる。」


「例えば………」



助手席にあるのは…

飛田とかいうおっさんの携帯か?


あれでいい。



「あの携帯。」



ガラケーか。

スライド式のもの…。

色はピンク…、……おっさん。

ストラップは、

大阪の大型テーマパークで買ったと分かる

クッキー大好きな青いキャラクター。



「覚えたら、

僕の意志で出したいとこに出せる。

出したいとこと言っても、

目の届く範囲で。ですが…」



「えーと、あの……あなた、」



「……」



えー、無言?!

普通こういう場合、名乗るもんじゃねーの?


このニーハイ、

やっぱりまだ子供か。


まぁいい。



「手を出してもらっても?」



「っ!」



ほぉーら、びっくりしろニーハイ。

目ぇ丸くして

かわいいとこあるじゃあないか。



「ほんまに出てきよった…、

気持ち悪いやっちゃなー」



あ?




「ぉい、おっさ…」



『トゥルルルルルル』



「お嬢、貸してください。」



「はいもしもし、こちら」


 



「生活安定化委員」




え?



名前……


ださいんですけど……

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