第12回
この物語は、フィクションです。登場する団体や個人は、実在しません。
また、登場する団体や個人は、実在の物と関係ありません。
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闇探偵 西園寺 美園(12) 相良 凌
2 美園 初の闇探偵業(11)
西園寺と三田沢が、ジャズ喫茶〔マイルストーン〕を辞去したのは、二人が珈琲を一杯飲んでから後の事だ。
そのとき、ちょうど、午後1時くらいである。
西園寺は、三田沢と別れると、自身の事務所へ帰った。
路地裏にある、窓付きの薄暗く狭い西園寺の事務所。
そこの所長席で、深々と腰掛け、依頼人、三田沢から貰った着手金の100万円の束を見る。
「これ、どのくらい、経費で出ていくのかなー・・・」
と、言って、浮かない顔の西園寺。
西園寺は、卓上電話の受話器を取り、ダイヤルした。
受話器から女性の声がする。
「もしもし、紗些平エージェンシーですが・・・」
西園寺は、送話口に話し始める。
「紗些平さん、秋本です! 手伝って欲しいのですが、10万でどうですか? もちろん、紗些平さんの恋人も同額で・・・」
「分かったわ! 今夜9時に、夜景の見える公園のベンチで、待ってて!」
との、紗些平と名乗る女性の声の後、電話は、切れた。
西園寺は、卓上電話に受話器を置くと、
「たぶん、せびられる・・・」
溜息混じりに言った。
西園寺は、秘密の産廃処理場を調べるには、大変になるだろう、との思いから、助っ人を頼もうと、思ったのだ。
彼女の、この勘は、当たる。
☆
その日の夜、8時半。
高宮公園のライト下には、身長170センチ位で、年齢は、50代ぐらいの男性がいた。彼は、トレンチコート姿で、煙草にオイルライターで火をつけている。
「まだか・・・」
と、その男性が、煙草を咥えながら言うと、彼は、虚空に煙を吐いた。
空には、満天の星空。正面には、港の明かりが、美しい夜景と化して見える。
そこに、長身の美しい女性が、歩いてくる。彼女は、開口一番、
「上沼垂さん、来てたのね!」
「紗些平も来たか!」
身長170センチ位で、50代ぐらいの男性が応じた。
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探偵の助手時代の西園寺美園も登場する、より、スケールの大きい、相良 凌 作品 特命探偵シリーズをよろしくお願いします。(下の〔【VictoryProjectWin☆特命探偵シリーズ☆】〕のリンクからアクセス出来ます)




