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014 なろうでも投げ銭システムが導入されたらいいなと思うのだけれども、きっとそうなったところで僕には全く関係のない異世界のような話なんだろうなと思うのです。

どうじょうするならかねをくれ

 こんな夢を見た。

 クリスマス直前から付き合い始めた彼女の家に初めてお呼ばれした。

 彼女と言っても僕がそうであるように彼女もそれなりに妙齢なのであるのだけれども、実際に若く見えるという事や、七転八倒するようなハッピー気分がそうさせるのかも知れないけれど、お互いに少し浮かれた気分ではある。

 六畳一間の部屋の中は、壁際に置かれたベッドが部屋の半分を占めているくらい狭い。

 僕はかろうじて空いているスペースに座り、お茶を用意している彼女を待っている。

 そして僕は目が合った。

 茶色の毛並みがきれいな中型犬だった。

 彼女は生き物が大好きなのは知っていたのできっと彼女のペットだろう。

 その子は人懐っこいのか、僕に飛びかかってきて僕を押し倒したのである。

 とても重い。

 と言うか上半身は細いのだけど、下半身がムキムキでとても太い。

 よく見ると犬ではなくカンガルーだった。


 「カンガルーってペットで飼えたっけ?」

 

 僕はカンガルーの下敷きになりながら彼女に声をかけた。

 彼女は僕とカンガルーがとても仲良くしているのを見て微笑みながら言う。


 「全然問題ないわよ。ちょっとキックが強いけど」


 そうなんだと僕は思いながら、彼女はそういう人であったという事も思い出したのである。


 

 目が覚めた時、何故にカンガルー?と疑問を感じずにはいられなかったのだけれども、これが僕の今の日々という事なのだろう。

 勤めていた会社が倒産してからひと月以上が経ち、なんの生産性も無く無駄に時間を過ごしているのだけれども、僕だって先の事を考えていないわけではない。

 ただ考えたところで何ら対応策は思いつかないだけであり、現実から目をそらしているわけでもないのだ。

 現実と向き合うのには強い心が必要であるのだけれども、シャイで初心なガラスのハートを持つ僕は動機息切れ眩暈に悩まされる中年である。

 と言うか、すでに初老と言っても差し支えない年齢であるのだけれど、心はいつまでも十四のままである。

 心に体がいろいろと付いていかないだけなのだ。


 再就職に向けての活動と言えば、求職活動を進めながらいろいろとやっている。

 一つはあまりの悪筆の為に事務系、もしくは書類作成に悪影響があるだろうと考えて「一週間で綺麗に書けるようになるペン習字」などと言うムックを買ってきて、あいうえおから書き始めて練習しているのだけれど、あまり改善された様子はない。

 一つは「速読」の本である。

 これから手に職が無い僕が、何らかの資格取得を目指すとなれば多くの教材や問題集を目に通さねばならないという事もあり、効率よく覚えていこうとなれば速読のスキルが必要であると考えたのである。

 過去に何度かトライしたことはあるのだけれども、多少早くなったかなと感じる程度であり、劇的に早くなったとは感じることが出来なかったので、改めて始めたという感じだった。

 後はアウトプットとか、お金とかのビジネス書である。

 それは創作に生かそうかなと思っての事なので、一石二鳥であると言えるだろう。


 YouTubeもよく見るようになった。

 特にユーチューバー系動画を見る機会が非常に多くなった。

 ひろゆき。

 ヒカル。

 ラファエル。

 遊楽舎。

 きまぐれクック。

 変な魚おじさん。

 カジサック。

 青髪ピピピ。

 七尾与史。


 それだけで一日が終わるレベルで見ている気がする。

 

 そんな中で平成の次の元号が決まった。

 令和である。

 平成が発表をされた時もそうだったのだけれども、……令和?と言う感じでいまいちピンと来なかった。

 しかしどんどんとテレビの中で令和と言う言葉が繰り返されているのを聞いていると、そんなに悪くないか?、悪くないか?、まあまあかな?割といいかも?いいんじゃね?いいかも!! みたいな感じで割とすぐになじめてしまった。

 平成の時は、ヘイセー?と言う感じでしばらくずっと昭和のままでよかったんじゃないかと思ったいたのだけれど、終わりを直前にして振り返ってみれば良かったんじゃないかと今では思えるのである。

 平成元年と言えば、ちょうど僕が高校を卒業して働き始めた年であった。

 当時の自分に三十一年後の自分から何かを伝えることが出来るとするならば、

 その仕事は早いうちに辞めないとバブルが崩壊して潰れる。

 潰れた後に再就職した会社も潰れる。

 なるべく早く転職しておけ。

 キャッシュカードは持つな。

 消費者金融からも金を借りるな。

 仮想通貨と言う言葉を聞いたら買っておけ。

 少しでも貯金はしておけ。

 そんな感じだろうか?


 某小説投稿サイトで、いわゆる投げ銭システムが導入されるという話を目にした。

 投げ銭自体、ここ数か月の間にYouTubeで生配信されているのを見て知ったのだけれど、あれは動画だったので、基本的には作品にポイントを送るような感じになるのだろうけれど、導入されたらそっちに人が流れそうだと思うのは僕だけじゃないだろう。

 YouTubeでは上限が五万円だった。

 投げ銭の累積が五万円で、誰かが一度に五万円払ったらそこで終わりと言うシステムなのだけれども、リアルタイムで読者と作者がやり取りするようなシステムになったら面白いのではないだろうかとも思う。

 まぁ、YouTubeでやればいいだろうと言われればそれまで。


 

 

きょうくん おかねがあればなんでもかえる

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