第三話 魔物襲来
こんばんは。山本羽布美です。戦闘描写は難しい!て言いたいんですけどその前に普通の会話ですら難しいと思ってしまっています。まだまだ文章力と表現力が足りないので努力していきます。
「え...。」
イオナの発言に驚く湊人。だがそれ以上にイオナは焦った口調で続ける。
「となり村といっても六千カルトほど離れているからそんなすぐにはこの村にはこれないと思うんだけど。」
湊人とイオナが話していると親子が馬車に乗り遅れそうになっていた。
「そこ早く馬車に乗りなさい!」
「は、はい。」
湊人が気がついたときには男と少しの女性だけが残っていた。
「これはどうなっているの?」
「言っただろうとなり村が魔物に襲われたと。ここに残っているのは戦える男と魔法の使える女だけだ。湊人お前も早く馬車に乗れ。」
「い、いや俺も男だから戦えるよ。」
「お前は何か武器を使えるのか?何か魔法を使えるのか?」
「使えないけど...」
「なら早く馬車に乗れ。ここにいるとただの足手まといだ。」
「う、うん。」
確かに何も武器も使えない魔法も使えるわけではない、でもあんな言い方しなくてもいいじゃないかと思った。そこにリエナが近寄る。
「イオナはあんなこと言ってるけど本当は湊人に傷ついて欲しくないんだよ。そこのところは分かっってあげてね。」
「わかった。リエナも気をつけてね。イオナにも気をつけてって伝えておいて。」
「うん。了解。じゃあまたすぐに会おうね。」
湊人とリエナが話していると御者が話しかけてきた。
「話は終わったかい?」
「はい。ありがとうございます。」
「リエナにもいい男ができたな!はっはっはっ。」
「違うってば!もうモラットおじさんもふざけてないで早く避難してね。」
「ああ、くれぐれも気をつけるんだよ。こんなのをイオナに任せてしまって申し訳ないね。」
「気にしないで。絶対に村を守るから。湊人もみんなの言うこと聞いてちゃんと避難しいてね。」
「うん。頑張ってね...」
少し元気がない湊人しかしそこには全く気づかないイオナ。
「じゃあ、馬車出すぞ。ほんとに気をつけろよ。」
「またね。モラットおじさんも気をつけて。」
馬車が走っている中でモラットが湊人に話しかける。
「お前女性が戦っているのに男の自分が戦場にでないことが情けないとか思ってるのか?」
「だって、俺と近い年なのに魔物と戦ってるんだよ。そりゃあ森でイオナの魔法の強さは見たけど、それでも隣の村がかなり追い詰められたんだろ。そんなになったら流石に心配にもなるよ。」
「でもお前がなにかできるのか?いくら心配だからと言って魔物のいるところにいれば殺されるだけだぞ。村長もそれを恐れてお前を避難させたんだ。今は堪えてあいつらに任せておけばいいんだよ。」
「わかった。もう大丈夫リエナたちに任せるよ。」
どいつもこいつも任せろ任せろってそんなに頼りないかよ...。こうなったら隙を見て村に向かってやる。モラットに言ったこととは裏腹に湊人は思っていた。
馬車に揺られているとモラットが声をかけてくる。
「なあ、お前さん村長のところにいたよな。親はいないのか?」
「親は俺が十四歳の頃に死んだ。その後知り合いのところに預けられたけどそいつとはあんまりうまくいかなかった。」
「そうか、そういえばこの世界の住人じゃないんだってな前にいた世界はどんなところだったんだ?」
「ここよりも文化は発展してるかな、魔物もいなかった。」
「いいとことじゃないか、帰りたいとは思わないのか?」
「言っただろうまくいかなかったって、それに前の世界ではもう生活できそうになかったから。」
「なんか辛いこと思い出させてしまったみたいだな。すまん。」
「謝らないでよ、こっちも話せてなんかすっきりしたし。」
「それならよかった。」
山道に入り馬車の速度が落ちる。これならいけるかもしれない。そう思った湊人は飛び降りる。ズガガと音を立て転ぶが馬車の音にかき消される。
「痛っ」
打ちどころが良かったのか右肩のかすり傷だけで済む。これで村に帰れる。みんな揃って足手まといとか言いやがって見返してやる。そう思い走り出す湊人だった。
一方村では、イオナとリエナが話していた。
「湊人やっぱり傷ついてたよね...」
「そんなこと思うならあんな言い方しなくても良かったのに。」
「でもああでもしないと馬車に乗らないと思ったから。」
「大丈夫。湊人も気をつけてって言ってたよ。」
その言葉にホッとイオナは胸をなでおろした。
「なら良かったよ。じゃあ準備と行こうか。男は村に柵を張りな、女はその手伝いをしてくれ。」
「おうよ!任せな」
「ほいな!頑張りますよ。」
村の住人たちは皆魔物の撃退に燃えていた。午後になる頃には村に柵が張り終わっており村で集会が行われた。次の日の朝になっても魔物は現れず、いつ来るのかと村に緊張が張り詰めていた。しかし魔物は夜になっても現れず村人たちの緊張は少し和らいでいた。
隣の村が襲撃されてから二日後ついに魔物がランプラドにも攻めてきた。村の守衛が魔物を発見した頃には遅かった。村のバリケードの一つがうまく機能していなかったのだ。
「ま、魔物だーっ!!全員起きろー!!」
さらに時刻は早朝だった。村人たちが杖や剣、槍などを持ってくるがかなりの数の魔物が柵を破って村の中に侵入していた。
村全体が焦り始めたのを感じ取ったイオナは大声で村人たちに言い聞かす。
「全員、落ち着くんだ。焦ったらこちらの負けだ。孤立せずに三、四人でパーティーを組め。一人は前に出て魔物と対峙しろ。二人目はそのバックアップ、三人目は魔法などで後方支援。魔物は殺すことしか能がない考えて動けば必ず勝てるぞ!!」
「おおーっ!!」
ここで村人の混乱を避けさらに士気を高めるイオナは流石だとリエナは思った。しかし表には出さないが柵をすぐに破られたことでイオナはかなり焦っていた。
こんなに早く柵が破られるとは...もっと作戦を考えていればよかった。でも村のみんなの士気は上がった。これなら行ける。
村人と魔物の戦闘は激化していく。
「ジャァァァァッ!!」
魔物がガタイのいい男に向かって棍棒を振り下ろしてくる。
「フンッ!」
ガスッ!と棍棒と剣が当たる音がなる。
魔物を男が抑えている間に後方に立っていた女性が詠唱を始める。
「スペル・フレイム・炎の演舞」
その声とともに男がゴブリンから離れる。すると炎がゴブリンの周りを取り囲み筒状になってゴブリンを燃やした。
「ギャァァァァッ!!」
断末魔とともにゴブリンは絶命した。
村人のパーティーの一チームが魔物を倒したことで。
「よしこれなら行けるぞ!」
という声が上がった。しかし、うまくいっていたのは最初だけだった。
「はぁはぁはぁ、こんなに減らしたのにまだいんのかよ...。これじゃあ埒があかないよ。」
そんな弱気な発言を聞いたのか魔物の動きが活発化してくる。
「かなり危ないわね。イオナどうするの?」
と焦り気味のリエナがイオナに話しかける。
「魔物の数も着々と減ってきてる。あとひと押しだ。みんな頑張ろう。」
「イオナのお願いとあらば頑張るしかないな!」
「イオナさん今度店でちょっとは労ってよね!」
そんな言葉を発して村人たちは魔物と再び戦う。
二十分ほどで戦いは終わりを見せたかに思えたがその時。一チームが柵の近くまで追い込まれていた。前衛にイオナを置き、バックアプとして酒屋のキーン、後衛にリエナのチームだ。かなりの数を屠っていき戦いに集中しすぎて周りが見えていなかった。
図体の大きいゴブリンがイオナに襲いかかる。メイスでなんとか受け止めるが押されていた。
「キーン!こいつ思い!手伝ってくれっ」
「おうっ!わかった!リエナ詠唱を!」
「はいっ!」
リエナが詠唱を始めるがそこにゴブリンが襲いかかる。キーンはリエナのバックアップに向かっているためすぐには助けに来れない。
誰か、助けて。そう思った。その時。
「うおおおおおっ!」
と声がしてその人物がリエナのことを押した。
「えっ」
押した人物を見て驚きが隠せなかった。なんであなたがここにいるの?