第ニ話 ランプラド村へようこそ
お久しぶりです。山本羽布美です。
まだまだ文章力が足りませんが頑張ります。
「どうしたのよそんな泣きそうな顔して?」
「いや、なんか安心したというか妙に懐かしい感じがするから気が抜けちゃって。」
村の門で二人が会話をしていると、ひとりの女性が近寄ってくる。
「エリナ帰ったのかい。」
「スナンおばさんただいま!」
「で、その隣の子は誰だい?まさか隣の村で引っ掛けてきたとか?」
「へ、変なこと言わないで!紹介するわ。彼はナカガミミナト。森で出会ったんだけどなんの武器も持ってないしこの国のことも何も知らないみたいだしかわいそうだから村に連れてきてあげたの。店長なら何とかしてくれると思って」
「それは大変だったね。大丈夫かい?どこか怪我したりはしてないかい?」
「ありがとうございます。大丈夫です。」
「いやーいい子だね!エリナを大事にしてなんなよ!」
「だから違うってばー!」
スナンとひときしり話したあとエリナたちは雑貨屋に向かっった。
「雑貨屋に何をしに行くんだ?」
「雑貨屋に村長がいるのよ。これからあなたのことを相談しに行くのよ。」
そんな会話をしながら、二人は雑貨屋に到着した。
「な、なこの文字なんて読むんだ?」
「あんた字も読めないの?雑貨屋イオナよ。」
この字どこかで見た気が。あ、あの本だ家で見た見たことのない字にそっくりだ。
「ねえ、どうしたの黙り込んで?大丈夫?」
「ああ、ごめん考え事してて。」
「そう。なら行くわよ。」
二人が店に入るとそこには誰もいなかった。
「イオナいるー?」
「はいはい。いますよ。」
と店の奥から女性の声が聞こえた。声の主が奥の扉から出でくる。随分と小柄な少女だった。
「なあ、店長も村長もいないじゃん。」
「何言ってるの?店長なら目の前にいるじゃない?」
何を言ってるんだこいつはどう見ても小六ぐらいの女の子しかいないぞ。
「おい。坊主今失礼なこと考えなかったか?」
「こら、女の子がそんな汚い言葉使っちゃダメだよ小さい頃からそんな言葉使いで話しちゃうと将来治らなくなちゃうよ。」
湊人の言葉を聞いて目の前の女の子がワナワナと震えだす。
「おい。お前今いくつになる?」
「16歳だよ。あとね何度も言うけど..え?」
女の子が拳を握り締めプルプルと震え始める。
「あちゃー。言っとけばよかったかな。」
「なあ、エリナあの子怒ってるよね?それもとてつもなく。」
「そりゃそうよ。だって店長は29歳だもの」
「へ?」
「おい腐れ坊主。年上に対する口の利き方ってのを教えてやらなきゃいけないようだな?あぁ?」
「い、いやちょっと待って。」
目の前の女の子がその言葉と同時に湊人の顔面に拳を振り下ろしてくる。
「問答無用!」
ゴッという音とともに湊人が顔を押さえ、床を転げ回った。
「痛い痛い痛い。そ、そんなにおもいっきり殴らなくてもいいじゃないか。」
「まだ口の利き方がわかってないようだな。」
「すいません。」
女性の形相に湊人は後ずさる。
「それでいいんだ。で、だエリナ何の用だ?」
「今日森に行った時にここにいるミナトに出会ったんだけどこの世界のこと何にもわからないらしくてそれで帰る家もないって。だからこの村に住むことに村長に相談しに来たんだけど大丈夫?」
「ああ、いいよというかむしろ村の住民が増えてこちら側としても嬉しいよ」
「よかったわねミナトとりあえず村で生活できるわよ。」
「うん。ありがとうございます。村長さん。」
「村長さんはよしてくれ私の名はイオナ・アーカイブ。店の看板に雑貨屋イオナって書いてあっただろう?」
「そういえばリエナが言ってた気が。」
「イオナさんミナトはこの世界の字が読めないみたいなの。」
イオナはそうなのかと言って少し黙り込む、しかしすぐに
「まあ話せることはできるんだし字のことはそのうち勉強すればなんとかなるだろう。」
「今日は私の家に泊まらせるつもりだたんですけど。」
とリエナが言うとイオナが
「いやいや、女の子が一人暮らしの家に男を泊められるか。こいつが何をするかわからない。」
「何もしないよ!」
「ほう、そんなにリエナのところがいいのか。」
とイオナが言うと湊人は顔を真っ赤にして
「そんなんじゃないよ!」
「そんなに私の家は嫌なの?」
「い、いやそういうわけじゃないけど。」
湊人とリエナが話しているとイオナが話しかける。
「冗談だ。まあしばらくは私の家に泊まれ。そのほうがなにかと便利だ。」
「便利って...?」
「まあもうすぐ日も暮れるそろそろリエナも戻りな。」
イオナが言うように空は綺麗なオレンジ色に染まっていた。
「じゃあ、ミナトのことをよろしくお願いします。ミナトもあんまりイオナさんに迷惑をかけないようにね。」
「おう、任せな。」
「子供じゃないんだから大丈夫だよ。」
それぞれ言葉を交わし帰路につく。イオナと湊人が店に戻ってくるとイオナが湊人に言う。
「よしじゃあ、店の手伝いをしてもらいますかね。」
「え...?」
「言っただろうなにかと便利だと。店の手伝いをしてもらうよ。ここに居候するんだ、その分しっかりと働いてもらうからね。」
「は、はぁ。分かりました。」
「うん。それでいい。ついてきな。」
イオナはそう言うと店の奥にはいって行ったので湊人も後をついていく。店の奥は広くそこには木箱が何個も重なっている。奥まで進むとイオナが一つの木箱を指して湊人に話しかける。
「この木箱を表まで運んでちょうだい。それが終わったら晩飯にするから。」
湊人はそんなことでいいのかと思い木箱を持ち上げようとした。しかし木箱はびくともしない。
「な、なんだよこれ、ものすごく重たい。」
木箱が持ち上がらず、傍から見ればただ唸っている青年にしか見えないような状態の湊人にイオナが話しかける。
「それが終わるまで晩飯はないからね。ちゃんと表まで持って行っといてね。」
「ま、マジかよ。」
「マジよ。わかったらさっさと持って行きなさい。」
こんなのどうやって持っていくんだよと小声で湊人は言うが、晩飯のためと思い木箱に手をかける。持つことはできなくても引きずってならなんとか持っていけると思った湊人は、少しずつギリギリと床をこすりながら木箱を表の方に運んでいく。そして木箱を表に運び終わりイオナを探そうと思ったとき湊人の上から声が聞こえた。
「ミナトー終わったー?終わったら上の階に来て。」
「わかった。今行くよ。」
階段を上がっていくといい匂いがする。二階に上がるともう料理が出来ていた。
「お疲れ様。ありがとね、あの木箱重すぎてなかなか持ち上がらなっかたのよ。」
「そんなのを運ばせたのかどうりで重かったわけだ。あれ以上重いのを運べとかはもうないよな?」
恐る恐る湊人が聞いてみるとイオナは笑って言った。
「流石にあれ以上重たいのはないよ。でも明日からもちゃんと手伝ってもらうからね。」
「うん、わかったよ。明日からもよろしく。」
湊人が晩飯を食べ終わり食器を洗っているとイオナが話しかけてくる。
「終わったら一階の居間に布団しといたからそこで寝な。明日も働いてもらうから今日は早く寝るんだよ。」
「ありがとう。おやすみ。」
一階に降りると布団が敷いてあったので湊人は横になる。しかしなかなか湊人は寝付けなっかた。それもその筈だった。昨日までは自分の家にいたはずなのに今日はどこかもわからない世界にいるのだ。だがそんな不安よりも睡魔のほうが強かったようで湊人はすぐに寝てしまう。
次の日湊人が目を覚ますと村が騒がしかったので店の前にいたイオナに聞いてみると驚きの返答が返ってきた。
「隣のゲルト村が魔物に襲われた。」