ダンジョン冒険活劇・音楽隊
小説を短いながら書かせていただきました。
音を立て今日も冒険者がダンジョンへ挑む。
笑い、
喜び、
戦い、
失い、
喚き、
悲しみ、
最後には泣く
何も残らずに。必ず。
毎日見ていた景色。 振り返ると何も考えていないように思ってしまう。
そんな毎日が嫌で向き合おうとして、冒険者の現実を想像する。
仲間と笑い合っていただろう、
仲間と喜びあっていただろう、
仲間と共に戦っていただろう、
そんな大切な仲間を失った現実、
一人で喚いただろう、
一人で悲しんだだろう、
一人で泣いただろう、
「・・・残るものなんて何一つない」
そう呟いていたころ僕は気づけなかった。
現実は心にある。
想像できない心の現実。
命を失っても消えることのない消し去れない、消してはいけない現実。
全て心にある。思い出に。
毎日考えていた、現実。たどり着けない、ずっと廻っていた想像。
僕は毎日を見て、目を背けていた。忘れようとしてた。
だけど消してはいけないからこそ、音を奏でる。
全てを気づかせてくれたこの人の下で。
皆に気づいてもらえるように。
僕は音楽隊。冒険者の活劇を、現実を知ってもらうため今日も奏でる。
行き場のなかった思いを伝えるために!
音を立て今日も冒険者が帰ってくる。
活気のあった音は消え悲痛の音が耳に伝わる。
だけど
だからこそ
明るい音を伝える。
響く音は冒険者にとって苦痛だったかもしれない。
喧嘩を売られることもある。
だけど響く音はとめない、止めさせない。
思いが伝わるまで僕たちの音楽は続から。
冒険者だった頃を思い出す。
楽しかった思い出を、悲しかった思い出を。
もう仲間なんて要らないと思った
悲しまないから。
だけど目の前で人は死ぬ。
冒険を続けていたら仲間になっていたかもしれない人が、だ。
行動しないと意味がない。
だから、仲間をもう作りたくないなんて思わないでほしい。
出会えて喜びがあるから悲しみがあるんだ。
仲間を殺したのは魔物かもしれない。
だけど自分が殺したのだと思う人もいるだろう。
だからこそ
心でまで殺さないでほしい。
必死な僕はバカみたいにおかしい顔で音を出している。
だけど必死じゃないと届かないんだ。それを思い出してほしい。
必死じゃないと失ってしまうから、僕はミスレと二人で音を奏でる。
死んでしまった仲間のミスレと。
これで終わりの作品ですがストーリーはしっかり考えて書いております。
短くても長くても登場人物の成り立ちを考えるのは重要だと思っております。
世界観もある程度は作っているのですが
想像のできる小説を目指して書かせていただきました。
小説の醍醐味は想像にあると思います。人によって受け取り方が違う小説もまた面白いと思います。
是非想像しながら読んでいただけたらと思います。